「ルール」の感想です。
個人的には「ルール」より、原題「Urban Legend(アーバン・レジェンド)」のままにしたほうが良かったんじゃないかなと思わなくもないタイトル。
都市伝説になぞらえた事件というのは、展開も含め面白かったです。
本記事は2025年08月05日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
都市伝説は身近で起きたら怖いよね。
作品情報
タイトル | ルール |
原題 | Urban Legend |
ジャンル | ホラー、スリラー |
監督 | ジェイミー・ブランクス |
上映時間 | 99分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1998年 |
公開年(米) | 1998年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
自身の通う大学で、25年前に起きた凄惨な事件の話を聞いたナタリー。それは今や「スタンリー寮の殺人」という都市伝説として学生たちの間で語り継がれていた。そんなある日、とある女子学生が、車の運転中に後部座席に潜んでいた何者かに斧で襲われ殺されてしまう。以降、まるで都市伝説を再現するかのような事件が起きていくのだが――。
主な登場人物
(敬称略)
ナタリー・サイモン
(演:アリシア・ウィット)
大学生。都市伝説になぞらえた事件に巻き込まれていく。
ポール・ガードナー
(演:ジャレッド・レト)
大学生。新聞部に所属しており、ネタ集めに奔走している。最初の被害者が出た際、ナタリーらにインタビューをしようとして顰蹙を買う。実はミシェルと知り合いだった。
ブレンダ・ベイツ
(演:レベッカ・ゲーハート)
大学生。ナタリーの友人で、ポールに好意を抱いている。
リーズ・ウィルソン
(演:ロレッタ・デヴァイン)
大学の女性警備委員。
トッシュ・ガーネリ
(演:ダニエル・ハリス)
大学生で、ナタリーのルームメイト。性格の不一致から、ナタリーとはぎくしゃくしている。
ミシェル・マンシーニ
(演:ナターシャ・グレグソン・ワグナー)
最初の犠牲者。車の運転中、後部座席に潜んでいた犯人に襲われた。
映画「ルール」の感想
映画「ルール」の感想です。都市伝説になぞらえた事件に巻き込まれていくという、ある意味ではオーソドックスなお話。でも、それが良い◎!
原題のほうが好き
先述した通り、個人的には原題のほうが好きでした。
「ルール」ってわかりにくくない? ってなっている。もちろん、タイトルだからといって必ずしもパッと見で内容を表していないといけないわけではなく。
例えば「UP」を「カールじいさんの空飛ぶ家」としたのは、原題とはまったく違う印象を与えるものの内容をよく表していて素敵だと思いますし、「Ratatouille」は邦題を「レミーのおいしいレストラン」とされていてわかりやすいですよね。それに対して、マット・デイモン主演の「オデッセイ」は、原題が「The Martian」であることを考えるとちょっとわかりづらい。「オデッセイ」ってあまり馴染みのない単語ですし。それでも「オデッセイ」でなんとなくしっくり来ているので、内容を表しているかどうかに加えて、語感のようなものも大事なのだろうなと思うんですけれども。
この「ルール」にはそのどちらもないような気がしてしまいました。
原題「Urban Legend」をそのままカタカナにして「アーバン・レジェンド」とかにしたほうが良かったのではないかと。完全に個人的な意見ですが。まあ、ちょっとヤングアダルト向けのSF映画っぽいイメージになってしまうから、あえて変えたのかなとは思っています。「ダイバージェント」(2014)的な。
都市伝説を題材にしたホラー
本作「ルール」は、都市伝説を題材にしたホラーとなっています。
映画「呪術/カンディシャ」(2020)や「バイバイマン」(2017)、「キャンディマン」(2021)など、近年、都市伝説をモチーフとした映画が増えてきている印象ですが、本作は、ひとつの都市伝説をベースにするのではなく、事件ごとに異なる都市伝説を利用しているのが興味深かったです。
最初のミシェルの事件
例えば、最初のミシェルの事件。
自分の車を運転し、ガソリンスタンドに立ち寄ったら怪しげな男(たぶん店員)が出てくる。気味悪く思いながらもクレジットカードを渡し、しばらく待つミシェル。しかし、すぐに男は戻ってきて「クレジットカード会社から電話がかかってきているから、店の中に来てほしい」と言う。
仕方がないので自己防衛用のスプレーを隠し持ち、店内へとついて行くミシェル。男は店の鍵を閉めた。ミシェルは電話を耳に当てるが、どこにもつながっている様子はない。騙されたと思い、スプレーを男に振りかけ、男が苦しんでいる間に車で逃げた。
店内から飛び出してきた男が言う。「車の後ろに誰かいた!」と。
……つまり、その誰かからミシェルを守ろうとしてくれたのがこの怪しげな男性店員だったわけですが、そのままミシェルは帰らぬ人となってしまいます。と、実際にこんな都市伝説があるらしい。複数あるバリエーションのうちのひとつということみたいだけど。
ナタリーらが通う大学の教授が「こういう都市伝説は教訓的な役割を果たしている」というようなことを言っていましたが、これに関する教訓ってなんなんでしょうね。善意で近寄ってきた人間が善意を持っているように見えるとは限らない(逆もしかり)とか? 人の言うことは落ち着いて聞くべしとか? パニックになると焦って自らの首を絞めることになりかねないとか? 焦って真実を見誤らないようにとか?
日本だと口裂け女とかがそういった教訓を含めた都市伝説にあたりますね。小さい頃は確かに怖がっていたような気がします。
結局ほとんどが巻き込まれ事故だった件
っていうか、ほとんどの被害者が巻き込まれただけだったのは普通に可哀想でした。デイモンとか、お調子者でちょっとお下品なだけで悪い奴じゃなさそうだったのにね。
結局、犯人は理由があると言いつつも、最後にはサイコキラーみたいな感じになっていたということじゃないかな。それ、最初の理由が事件を引き起こすことへの言い訳というか、後付けみたいになっていない? と。
主人公は賛否両論分かれそう
そうして、犯人にはまったく感情移入できませんでしたが、主人公は主人公で「こいつ悪ぅ……」となってしまう部分もあって(笑)。可哀想は可哀想なんだけど、自己保身を強く感じるからか、いまいち共感しきれなかったというか。
正直、賛否両論分かれそうなヒロインではあった。
まあ、個人的には年齢相応の普通の子という印象を持ちましたが。これぐらいの歳だと、友達のやることに流されてしまったり、悪いと思いつつはっきりNOと言えなかったり、そういうのはあると思う。それがたまたま悪い方向へ転がってしまった普通の子。そんな印象でした(ただ、その結果起きたことを思えば良い子とは言い難い)。
映画「ルール」が好きな人におすすめの作品
映画「ルール」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- スクリーム(1996)
- ハロウィン・キラー!(2023)
- ハッピー・デス・デイ(2017)
- ザ・スイッチ(2020)
まとめ:主人公が狙われるホラーが好きなら
映画「スクリーム」(1996)など、主人公が狙われる系ホラー(スリラー)が好きな人にはおすすめかもしれない映画。
賛否両論ありそうな主人公ではあったものの、個人的には楽しみながら観られました。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 30% Popcornmeter 38%
IMDb
5.6/10
Filmarks
3.2/5.0