シックス・センス (字幕版)
いつの時代も大人気の「シックス・センス」。
90年代の映画ですが、金曜ロードショーなどで観たことがあるという人も多いのではないでしょうか。
少しの怖さもあり、感動的なシーンもあり、どんでん返しもあり。観ている人の心をギュッと鷲掴みにする作品です。
本記事は2024年03月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
作品情報
タイトル | シックス・センス |
原題 | The Sixth Sense |
ジャンル | ホラー、ミステリー |
監督 | M・ナイト・シャマラン |
上映時間 | 107分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1999年 |
レイティング | R-15 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
あらすじ
小児精神科医のマルコムは、ある日、かつて担当していた患者に撃たれてしまう。やがて復帰したマルコムは、どこか普通とは違って見える少年・コールの治療を試みることに。曰く、コールは死者を見ることができるのだという。そんなコールと触れ合ううち、マルコムの心境にも変化が表れ始めて……。
登場人物
(敬称略)
マルコム・クロウ(演:ブルース・ウィリス)
高名な小児精神科医。数多くの子どもを治療し、多忙な日々を送る中、かつて担当した患者の凶弾に倒れてしまう。復帰したあとは、コールの治療を試みる。
コール・シアー(演:ハーレー・ジョエル・オスメント)
死者の姿が見えるという少年。この力が「普通ではない」ことは自覚している。
リン・シアー(演:トニ・コレット)
コールの母親。どこか普通とは違うコールとの接し方に悩んでいる。
アナ・クロウ(演:オリヴィア・ウィリアムズ)
マルコムの妻。
映画「シックス・センス」の感想
映画「シックス・センス」の感想です。ブルース・ウィリスとハーレー・ジョエル・オスメントの相性が抜群です。特に、子役だったハーレー・ジョエル・オスメントの演技が天才的。
小児精神科医マルコム・クロウ
主人公のマルコムは高名な小児精神科医。
たくさんの児童を救ってきたとして、市長から表彰されるほどの人です。
でも、本当にそうなのか?
精神科(心療内科)界隈の症状って、かなり複雑で難しいですよね。
私自身、複数の精神科(心療内科)にかかったことがあるんですけれども、医師によって言うことが違ったり、こちらが一生懸命説明しても、結局よくわかってもらえなかったな……(説明の仕方が悪かったのかもしれませんが)ということがあったり。
まあ、数値として異常が出て「この病気!」となるわけじゃなく、完全に医師の見解に依存した診察になるので、治療の効果が出ているかどうかってわかりづらい業界だと思います。
仮に症状が良くなったと思っても、治療の効果によるものなのか、他の何かが影響しているのか、確実なことは言えないと思うんですよね。
なので、いくらマルコムが高名な医者といっても、作中で家に押し入ってきたかつての患者のように、満足な治療が受けられなかったと苦しむ人はそれなりにいるでしょう。
けど、その救われなかった人たちのことは、マルコムは(当然ですが)気にかけてもいない。というか、自分の判断に間違いはないという矜持さえ感じさせます。
このあたり、プライドの高い医者っぽい。
冒頭の時点で、マルコムは特別善人ではないという印象を抱きました。
ひとつとは限らない問題
一度はかつての患者の凶弾に倒れたものの、復帰後はコールという不安障害を抱えた少年に声をかけます。
当初、マルコムはコールの不安定な精神状態を「親の離婚による不安障害」だと捉えます。
確かにそれも無関係ではないでしょうね。
ただ、コールが自覚する「原因」はそんなことではないわけで。「死者が見える」だなんて言ったら、周囲からどう見られるかわかっている聡明な男の子です。
コールの不安障害(これすらも合っているかはわかりませんが)は、複数の原因が絡み合って生じたものだったのでしょう。
複雑な母親との関係
血のつながった親子だからといって、必ずしもうまくいくわけじゃない。
作中、コールは自分の特殊な能力のことを母親に打ち明けられずにいるし、母親のリンは「ちょっと変わった子」で友達ともうまくやれない息子に対して、どう接していいか悩んでいました。
母親でも「この子ったら何を考えているかわからないわ!」ということって、結構あると思うんですよ。結局、他人は他人ですからね。
このへんも実にうまく描かれていました。
愛しているけれど、自分に秘密がある(ように見える)息子をどのように扱っていいかわからない……そんなリンの葛藤に共感の嵐でした。
散りばめられた伏線
ラスト、あるいは二度目の鑑賞でようやく伏線だとわかる描写がいくつも散りばめられていました。
しかも、この伏線、普通に観てもほとんどそうだとわからないぐらいの自然なシーン。
これはマジですごい。
どのシーンかを言うとネタバレになってしまうので控えますが、普通に見れば不自然に思えてしまうような言動を、状況や環境を作り上げることによって自然な光景に変えてしまうその手腕。
こういった類の映画って、だいたいがネタバレ厳禁だと思うんですが、この作品の場合、ネタバレ厳禁であるにもかかわらず、二度目の鑑賞でもしっかり楽しめるんですよね。
オチがわかっていても面白いという。
中だるみのないスムーズな展開
テンポが非常に良いので、途中で飽きることがないのも本作の魅力のひとつです。
観ている側からして、過不足ない展開の良さってすごいですよね。早すぎもせず遅すぎもしない、観ていて安心するテンポ感。
そして、気付いたときにはもう最後のどんでん返し。
伏線回線までもが美しく、スッキリ終わった感じがしました。
年代によって変わる(かもしれない)感想
私が初めて「シックス・センス」を鑑賞したのは小学生の時だったと思うんですけれども、その時は「怖い」と感じたのを覚えています。
幽霊(死者)が迫ってきたり突然手を掴んできたり、そういったジャンプスケア的要素のほうが強く記憶に残ったんですよね。
でも、大人になって久しぶりに観てみたら、まったく怖いと思わなかった。
むしろ感動作品。
これは、まあ、成長して(そう思いたい)「この作品は、死者の怖さを伝えたかったわけじゃないのか!」と理解できたからだと思います。
死者の現世に残した未練や死んだことにすら気がついていない切なさなど、他のことにも意識が向くようになったことで、この作品に対する感想が変わりました。
このように、観る年齢によって印象が変わる作品ではないかと思います。
映画「シックス・センス」が好きな人におすすめの作品
映画「シックス・センス」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- シャッター アイランド(2009)
- ヴィジット(2015)
- 羊たちの沈黙(1990)
- アザーズ(2001)
- アンブレイカブル(2000)
まとめ:子役の演技がすごすぎる
この作品、なんといってもコールを演じたハーレー・ジョエル・オスメントの真に迫った演技がすごすぎます。めちゃくちゃ感情移入してしまう。
もちろん、大暴れしないブルース・ウィリスも最高です。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 86% AUDIENCE SCORE 90%
IMDb
8.2/10