呪術召喚/カンディシャ(字幕版)
フランス発のホラーです。
今まで、フランス映画といえば「アメリ」(2001)みたいな恋愛ものとか、「ヴィーガンズ・ハム」(2021)みたいな明るい(?)ホラーとかを中心に観ていたんですが、本作は割としっかりめのホラー。
でも、(日本人からすると)それなりにツッコミどころもあって面白かったです。
本記事は2024年07月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
圧倒的、物理!!!
作品情報
タイトル | 呪術召喚/カンディシャ |
原題 | Kandisha |
ジャンル | ホラー |
監督 | アレクサンドル・バスティロ、ジュリアン・モーリー |
上映時間 | 85分 |
製作国 | フランス |
製作年 | 2020年 |
レイティング | ― |
個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
ある日、友人2人と遊んでいたアメリは、彼女たちから邪悪な存在「カンディシャ」のことを聞かされる。そのときは、そのまま解散した3人だったが、かつて付き合っていた恋人に暴行を働かれそうになったアメリは、怒りのままにカンディシャ召喚の呪術を行ってしまうのだった――。
登場人物
(敬称略)
アメリ(演:マティルド・ラ・ミュス)
主人公の少女。前の恋人に付きまとわれ、迷惑している。挙げ句、暴行を働かれそうになり、怒りのままにカンディシャ召喚の呪術を行ってしまう。弟がひとりいる。
モルジャナ(演:サマルカンド・サアディ)
アメリの友人のひとり。
ビントゥ(演:スージー・ベンバ)
アメリの友人のひとり。
映画「呪術召喚/カンディシャ」の感想
映画「呪術召喚/カンディシャ」の感想です。日本にはあまりないタイプのホラーなので、新鮮な気持ちで観ることができました。
ありそうで意外とない始まり
ホラーの導入っていろいろあると思うんですが、元カレに暴力を振るわれそうになったから、怒りのままに聞いたばかりの呪術を行うというのが、この物語の始まりになっています。
もちろん、カンディシャは噂レベルの話にしかすぎないので、主人公のアメリだって鵜呑みにしていたわけではないし、でも、呪術に頼っても復讐したいと思うぐらい、元カレをどうにかしてやりたかったということでしょう(当然といえば当然)。
日本はこれまで、数多くのホラー映画を生み出してきましたが、痴情のもつれが原因になっているパターンってあるようで意外となかった設定なんじゃないかなと感じました。
細かいことはスルー
あと、生け贄を捧げるシーンがあるんですけれども(※注:動物がひどい目に遭う描写があります)、ここはきっと「えっ、えー!?」と戸惑うところ。
いやいや、生け贄が必要だなんていう話、あったっけ?
もしかしたら私が聞き逃しただけかも、と思いつつ、さすがに「動物を生け贄に捧げる」というような話があったら、聞き逃すわけがないような。記憶が定かではないので(苦笑)、気になる人はチェックしてみてくださいな。
とにかく、突然「生け贄が必要よ」とアメリたちが言い出したので「えっ、そうなのー!?」となりました。
というわけで、細かいことはスルーする方向で!
カンディシャ=妖艶な美女
本作で新鮮だなと思ったのが、
カンディシャが妖艶な美女だったこと。
なにこれ、普通に美しいですやん。
でも、まあ、確かに美しいものって見ようによっては不気味に映ったりもしますもんね。突然アラブ美女が現れてびっくりしましたわよ。
ちなみに、作中でもその通りに描かれていますが、
One of a number of folkloric characters who are similar to jinn but have distinct personalities, she is typically depicted as a beautiful young woman who has the legs of a hoofed animal such as a goat or camel.
(引用元:Aisha Qandicha|wikipedia)
「山羊やラクダのように、蹄のある動物の足を持つ若く美しい女性」と。
もう本当に美しかった。
圧倒的、物理!
で、ホラー、しかも呪術で召喚したというからには、すさまじく恐ろしい力を使ってくるんだろうなと思っていたんですが、ここでもびっくり。
圧倒的、物理!
普通に物理攻撃でした(笑)
もちろん、人間では到底敵わない怪力の持ち主なので、物理は物理でヤバいことに変わりはないんですが。でも、やっぱり「物理攻撃なんかーい!」とはツッコミたくなってしまいますよね。
もっと、こう、カンディシャだからこその技を見せてくれると期待していたので……。
納得できるラスト
また、特に意外性のあるラストではなかったものの、それなりに納得できる展開だったかなと思います。
つまり、……まあ、安パイだよねと。
賛否両論起こりにくそうというか、誰が観ても大きく文句は出なそうなパターンでした。本音を言えば、もうちょっと捻ってほしかったところではありますが、考えてみると、逆に他の終わらせ方があったのかどうか。
ホラー映画のセオリー通りという感じでした。
映画「呪術召喚/カンディシャ」が好きな人におすすめの作品
映画「呪術召喚/カンディシャ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- キャンディマン(1992)
- カウントダウン(2019)
- ブラック・フォン(2022)
- プー あくまのくまさん(2023)
まとめ:召喚で現れる最強の美女
とんでもない美女だからかなんなのか、Jホラーにありがちな鬱々とした感じはあまりなく、「邪悪な存在」と言われているカンディシャも、そう邪悪な存在っぽくありませんでした(いや、やっぱり邪悪なんだけど)。
ラストはともかく、設定やカンディシャのデザインが新鮮でとても良かったです。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 76% AUDIENCE SCORE 25%
IMDb
5.4/10