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映画「インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~」あらすじ・感想|本物の家族愛とはなんなのか

インスタント・ファミリー_タイトル ヒューマン

インスタント・ファミリー ~本当の家族見つけました~ (字幕版)

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(2011)のローズ・バーンと、「テッド」(2012)のマーク・ウォールバーグが主演を務めた作品です。

序盤はコメディー調で進みつつも、終盤に向かうにつれてヒューマンドラマが繰り広げられていきます。「家族とはいったいなんなのか」を考えさせられる内容になっていました。

本記事は2024年07月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。

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ワンフレーズ紹介

子育て経験のない2人が養子を迎え入れるとき――。

作品情報

タイトルインスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~
原題Instant Family
ジャンルヒューマン、コメディー
監督ショーン・アンダース
上映時間118分
製作国アメリカ
製作年2018年
レイティングG
個人的評価★★★★☆

あらすじ

親戚から子どもがいないことを指摘され、焦ったピートとエリーは養子を受け入れることを決意する。幼い子ども1人を引き取るつもりが、実際に引き取ることになったのは姉、弟、妹の3きょうだい。子育て経験のない2人は、癖のある子どもたちに手を焼きながらも、家族になっていく覚悟を決める――。

登場人物

(敬称略)

ピート・ワグナー(演:マーク・ウォールバーグ)

エリーの夫。リフォーム会社を経営している。

エリー・ワグナー(演:ローズ・バーン)

ピートの妻。インテリアデザイナーで、夫と会社を共同経営している。

リジー(演:イザベラ・モナー)

3きょうだいの長女。10代半ばの多感な時期で、扱いにくい場面も。学校には好きな子がいる模様。

フアン(演:グスタヴォ・キロース)

3きょうだいの長男。大人しい性格。

リタ(演:ジュリアナ・ガミッツ)

3きょうだいの次女。自由奔放な少女。

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映画「インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~」の感想

映画「インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~」の感想です。軽い気持ちで観始めたつもりが、気がつけばすっかり魅入っていました。

実体験を基にしたからこそのリアル

やけにリアリティーのある本作ですが、実話というわけではないよう。

ただ、本作でメガホンを取ったショーン・アンダース監督自身が3人の養子を受け入れた経験があるらしく、リアリティーの正体はなるほどこれかと。

「子どものいない夫婦が養子を引き取る」という題材がもうすでに感動ものにはうってつけと言えばうってつけなんですが、綺麗事ばかりじゃなく、ある程度の年齢になった子どもを受け入れ、育てていくことへの難しさがよく描かれています。

良いとこ取りはできない子育て

養子を迎え入れると決めた当初は、「幼い子どもを1人」と希望していたワグナー夫妻。

10代半ばぐらいの子たちが集まるのを見て、エリーなどは「マスターベー(略)を覚えているような年齢の子は無理」というようなことを言っています。

本作はコメディー要素も多分に含んでいるので、おそらくクスッと笑えるシーンのひとつだったんだと思いますが、私には結構このセリフが印象的に思えました。

これってたぶん「赤の他人が自分の家でそういうことをするなんて気持ち悪い」という意識から来たものなんじゃないかと。つまり、新しく家族を迎え入れると言っておきながら、この段階ではまだ、家族になるとはどういうことかを考えられていない。ひょっとしたら、恵まれない子どもの面倒を見てあげるぐらいの認識だったんじゃないかな。

だって、自分で産んだ実の娘あるいは息子が、例えば年頃になったとき「自分の部屋でマスターベー(略)していてもおかしくない歳になったから、この家にいてほしくない」と思うでしょうか?

部屋で何をしているかはともかく、本来なら性に興味を持つのって自然なことですよね。段階を踏み、成長するうえで、むしろ必要なことでもある。

なのに、エリーは自分が嫌だと感じる部分は受け入れたくないと暗に言っている。この時点ではまだ、養子に対する認識が甘く、良いとこ取りをしようとしている感じです。

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本当の家族たらしめるもの

――本当の家族たらしめるものはいったい何か。

これが本作最大のテーマな気がします。

血か、それ以外か――ということですが、私個人としては、経験則で「血ではない、絶対」と答えを出しているものの、実際には結構難しいところですよね。

一般的には、何事もなければ血のつながった人を「家族」と呼ぶわけですし。

かといって、血のつながった相手を必ずしも愛せるかというと、そうじゃない。世の中には家族をうまく愛せない人もいるし、理由があって愛したくないと思う人だっているかもしれない。

本作でも、ワグナー夫妻は最初からこの3きょうだいのすべてを受け入れていたわけではありませんでした。

むしろ、思い通りにならなくてイライラしていたりもする。華やかとまではいかずとも、常に綺麗にしていたエリーがボロボロの姿になっていくのが、「自分自身を変える覚悟もなく子どもを引き取ろうなんて傲慢だぞ」と言っているかのように感じられましたね(もちろんピートもくたびれた姿になっていました)。

相手が友人でも恋人でも同じことですが、誰かと親しくなりたいときに大事なのって、やっぱり「あなたのことを理解したい」と言葉で、態度で伝えることなんだなと改めて思いました。

父親と母親、それぞれの役割

本人たちが意識していたことではないものの、父親と母親の役割をうまく演じ分けていたピートとエリー。

父親とは、母親とはかくあるべしということではなくて、片方ができないことや苦手としていることをフォローするという形で、それぞれ子どもたちに接していたのがとても印象的でした。

特に、思春期で難しい年頃のエリーの扱いづらさったらない

自分の反抗期はどうだったっけな。さすがにここまで嫌な態度は取らなかったはず。でも、多かれ少なかれ、多くの子どもが通る道でもあるんだよな。……なーんて、自分が子どもの頃を思い返しながら(微笑ましく)観ていました。

男性はわかりませんが、女性同士って無意識に厳しい目で見てしまいがちなところがあるので、最初からエリーとリジーの相性なんて最悪なんですよね。そこをピートがいち早く察して、言葉少なくフォローに回る。素敵な役割分担です。

反抗期というだけじゃなく、自分の母親は戻ってくる、だから母親の席を埋めるわけにはいかないという健気な思いもあったんだろうと考えると、ギュッと胸が締め付けられます。

安定感のある王道な展開

といっても、特に意外性のあるストーリーではありませんでした。

なのに、最後の最後で泣かされた。くっそー!

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映画「インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~」が好きな人におすすめの作品

映画「インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

まとめ:なんだかんだ可愛い子どもたち

引き取った当初は、ただただ生意気な子どもたち。

でも、物語が進むにつれ、なんだかんだ結局可愛いんだよなあ、と思わされます。相手は子どもだけれど、行動のひとつひとつにしっかり理由がある。

自分たちで決めたこととはいえ、子どもたちと正面から向き合ったピートとエリーもすごかったですね。

Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 82% AUDIENCE SCORE 83%
IMDb
7.3/10

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