オーストラリア出身のティム・イーガン(Tim Egan)監督の初ショート作品、「CURVE(カーブ)」。
手に汗握るスリリングな雰囲気と不可解な展開に、ハラハラドキドキが止まりません。
インターネット上ではあれやこれやと考察が繰り広げられるほどの不思議さと、暗澹たる世界観に惹き込まれること間違いなしです。
ティム・イーガン監督について
ティム・イーガン(Tim Egan)氏はオーストラリア出身の監督/脚本家。
After many years working as a freelance editor and Indie DOP, I started Lodestone Films as a place to create my own projects as a writer / director. My first short film ‘Curve’ was completed in 2016.
(引用元:vimeo「Lodestone Films」)
公式サイトにあるように、もともとはフリーランスの編集者およびインディーズの撮影監督(DOP)として活動していたところ、自身で映画製作をするために「Loadstone Films」を立ち上げました。
Loadstone Films最初のショート作品として公開されたのが、本記事で紹介する「CURVE(2016)」です。
あらすじ
さざなみの音が聴こえる――とある女性が目を覚ますと、カーブが描かれたコンクリートの上に横たわっていた。ふと身じろぐと、体が滑り落ちる絶妙なカーブ。眼下は暗闇に包まれ、落ちたらひとたまりもないだろう。あるいは助かるのか、それは誰にも計り知れない。血にまみれた手、突然降り出す雨、ずり落ちそうになる体。果たしてここはどこなのか……。
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作品情報
- 作品名:カーブ(CURVE)
- 公開年:2016年
- ジャンル:ショート/ホラー/スリラー
- 制作国:オーストラリア
こんな人におすすめ
- 隙間時間をうまく活用したい
- 映画が好き
- SNSでの流行りに乗り遅れたくない
- 英語がわからなくても楽しみたい
- 難解映画を考察するのが趣味
スタッフ・キャスト
- 監督・脚本家:ティム・イーガン(Tim Egan)
- キャスト:ローラ・ジェーン・ターナー(Laura Jane Turner)
【ややネタバレあり】「カーブ」を観た感想
やってくれました。
オーストラリア出身のティム・イーガン監督の初ショート作品にして、最高の名作。実に考察しがいのある奇妙で不可解な短編映画です。

開始1秒で惹き込まれるよ!
【1】10分間なのに……
たった10分間。
音楽を2~3曲程度聴いたら終わってしまう程度の時間で一本の映画が成り立っていると思うと、それだけですごいですよね。
しかも、長編映画にもまったく劣らない名作!
事業を起こしてのちの初短編映画というところを鑑みるに、おおかた会社のCM的意味があったんだと思いますが……それにしてもすごい! まさにその一言に尽きます。
はじまりからハッと息を呑んでしまうような展開です。
【2】言葉がわからなくても楽しめる作品
まず、ハリウッド映画をはじめとする洋画を観るとなると、日本人に与えられた選択肢は「吹き替え」「日本語字幕」「英語」で観るというところでしょう。おそらく多くの場合、前者2つ(吹き替えか字幕)に偏るのではないかと思います。
でも、この「カーブ」という作品。
オーストラリア出身の女優、ローラ・ジェーン・ターナー(Laura Jane Turner)演じる女性がなにかしらの意味ある言葉を発することはありません。
表情や息遣い、行動ですべてが表現されています。
映画は国境を越える、というのがわかる作品。英語がわからずとも、万国共通、誰でも楽しむことができます。
【3】雰囲気は“あの”映画作品に似ている?
気になった人にはぜひ一度見てもらいたい作品ではありますが、ホラーやスリラーが苦手な人に。雰囲気的には、あの有名なホラー/スリラー作品「キューブ(CUBE)」によく似ています。
まさに不可解で、不気味で、仄暗い感じ。
なぜそんなことになって、これからなにが起きて、どんな結末に着地するのか――むしろ10分間で終わるかどうかさえわからないような不安定さに、ハラハラが止まりません。
【4】自分だったらどうするか?
女性が横たわるコンクリートの形が、落ちるか落ちないかの絶妙なカーブ!
気を抜けば落ちてしまいそうだし、頑張れば少しは体を持ち上げられそう。でも状況を回避するのは、おそらく不可能。
下からは咆哮とも機械音ともつかない「グオーン!」という耳障りな音(声)が聴こえてきます。落ちたら命はないであろう絶望的な状況に、自分ならどうするかと考えたところ……。

自分なら、もう一層のことひと思いに落ちちゃうかも……!
【5】考察が面白すぎる
作品のラストが難解であればあるほど、考察もはかどるというものです。
4年前の作品であるにもかかわらず、SNSで流行ったこの「カーブ」という作品も同じ。インターネットで調べてみると、たくさんの考察がヒットします。
中でも多いのが、「出産説」と「流産説」「堕胎説」などの赤ちゃんに関するものです。これが実に面白い。
なるほど、と思わされるものもあるので、興味がある人は自分で考えるなり、調べるなりして納得のいく考察をしてみてくださいね!

「結末は視聴者のあなたにお任せします!」をラストに持ってくる映画って良いですよね~。
あとに引く不気味さ
たった10分間の短編映画であるにもかかわらず、じわじわとあとに引く不気味さがたまらない名作(ある意味衝撃作)となっています。
息遣いやBGM、薄暗い画面から伝わってくる女性の恐怖心はとてもリアル。
まつ毛の震えかたまで完璧にコントロールするその様は、ローラ・ジェーン・ターナー(Laura Jane Turner)の才能を感じさせますね。
無論、監督であるティム・イーガン(Tim Egan)氏の奇才ぶりあってのものです。
※本記事の情報は2020年11月時点のものです。

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