難解な作品も多いデヴィッド・リンチ監督のフィルム・ノワールのような短編作品です。
――なんじゃこりゃ!? いや、でもリンチ作品だもんな……。
と、理解できないが納得はできる、みたいな感覚を味わえます。20分足らずの作品なので、ちょっとした空き時間に楽しめるのが◎。
本記事は2024年10月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
ジャックは本当に何をしたのか……。
作品情報
タイトル | ジャックは一体何をした? |
原題 | What Did Jack Do? |
ジャンル | ショート |
監督 | デヴィッド・リンチ |
上映時間 | 17分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2017年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
――ある鉄道駅の取調室。殺人事件の容疑をかけられたサルが、ひとりの刑事によって尋問にかけられていた……。
登場人物
(敬称略)
サル
通称「ジャック」。殺人事件の容疑をかけられ、担当刑事に尋問を受けている。
刑事(演:デヴィッド・リンチ)
サルの「ジャック」に尋問をかける刑事。
映画「ジャックは一体何をした?」の感想
映画「ジャックは一体何をした?」の感想です。難解……というよりは、とにかくよくわからない映画。それすら楽しめるという人にはおすすめかもしれない。
オールマイティーなリンチ監督
まずね、デヴィッド・リンチ監督がオールマイティーすぎる。
監督だけじゃなく、主演、脚本、サウンドデザインまでなんでもござれというふうにこなしている……。短編とはいえ、こんなことをやられたら「逆にできないことはあるんですか?」と訊きたくなりますね。
監督も主演も脚本もとなれば、相当こだわっているんだろうなというのはわかる。
でも、最後まで意味のわからない映画でした(そして「意味わからん」という感覚が、たぶん正しい)。
絶妙に気持ちの悪い(褒め言葉)チグハグさ
サルにおじさまの口(たぶんリンチ監督のだと思う)を雑にコラージュした姿のジャック。そして、ジャックに尋問する担当刑事(デヴィッド・リンチ)。
この2人の会話が絶妙に噛み合っていないのです。
これがまた気持ち悪い(褒め言葉)。
夢の中に出てきそうというか、高熱を出したときの夢みたいな感じでした。
犯罪者――この時点では容疑者だけど、おそらく刑事の中では確定で犯罪者なので……そう、犯罪者だからサル(つまり人ではない)を比喩的表現として起用したのか。まともに会話をしようとしないから「こいつぁ、サルと同じだぜ(頭悪いな)」ということなのか。
いや、この辺、考え始めたらたぶん負けなんです。だってリンチ監督ですもの。
ところで「ジャックは一体何をした?」
内容が本当にタイトルそのまんま。
……ジャックは一体何をしたんでしょう。
殺人事件の容疑をかけられ、尋問されているという状況把握はできるものの、それだけ。結局、ジャックが何をしたのかはわからずじまいでした。
先述したように、会話が絶妙に気持ち悪く、「ジャック……」「ジャック……?」「ジャックー!?」と変に感情移入しながら観てしまいました(笑)。
言いたくなる「トゥータタボン」
恋人? 愛人? のニワトリの「トゥータタボン」。
トゥータタボン(二回目)。
なんとなく口にしたくなる名前でした。可愛い。んで、このトゥータタボンも「トゥータタボンは一体何をした?」と言いたくなる存在でした。あるいは、何もしていないのかもしれないけれど。
ここら辺の考察はしないことにしました。そして、たぶんそれが正しい(二回目)。
映画「ジャックは一体何をした?」が好きな人におすすめの作品
映画「ジャックは一体何をした?」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- イレイザーヘッド(1976)
- ダムランド(2002)
- ロスト・ハイウェイ(1997)
- マルホランド・ドライブ(2001)
まとめ:リンチ作品を試してみたいなら
かの有名なデヴィッド・リンチ監督。
「イレイザーヘッド」(1976)や「マルホランド・ドライブ」(1997)など、有名な作品を数多く輩出してきた監督ですが、その内容は難解だとして知られています。
「リンチ作品を観てみたいけど、いきなり長編はハードルが高い……」という人は、本作や30分ほどの「ダムランド」(2002)などから始めてみてもいいかもしれませんね!
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 93% AUDIENCE SCORE 70%
IMDb
6.4/10