ハッピー・デス・デイ (吹替版)
「ザ・スイッチ」(2020)などの有名ホラーを作ったとして知られているクリストファー・ランドン監督の作品です。
ちょっぴりコミカルで、クスッと笑える描写多数。クリストファー・ランドン監督の持ち味が発揮されている良作だったと思います。めちゃくちゃ好きでした。
本記事は2024年06月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
ツリー(主人公)、いろんな意味でメンタル強すぎィ。
作品情報
タイトル | ハッピー・デス・デイ |
原題 | Happy Death Day |
ジャンル | ホラー、スリラー |
監督 | クリストファー・ランドン |
上映時間 | 96分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2017年 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★★★★ |
あらすじ
大学の女子寮で生活している、所謂陽キャのツリー。そんなツリーは、自分の誕生日の朝さえ見知らぬ男のベッドで目を覚ますというイケイケぶり。夜になり、パーティーに参加しようと歩いていたツリーは、マスクを被った「誰か」にナイフで命を奪われる。ところが、次に目を覚ますと、再び誕生日の朝に巻き戻っていたのだった。
登場人物
(敬称略)
テレサ・ゲルブマン(演:ジェシカ・ローテ)
通称・ツリー。遊びまくっているイケイケ女子大生。パーティーに向かう道すがら、マスクを被った「誰か」に襲われる。いろんな人に恨みを買っていそうではあるが……。
カーター・デイヴィス(演:イズラエル・ブルサード)
真面目で誠実な好青年。誕生日の朝、目覚めたツリーがいた部屋はカーターのものであるが、カーターは、前日に酔い潰れた女子大生(ツリー)を介抱し、自室に泊めてあげていただけ。
ロリ・シュペングラー(演:ルビー・モディーン)
ツリーのルームメイト。大学病院で働いていて、ツリーにも友好的。
グレゴリー・バトラー(演:チャールズ・エイトキン)
大学病院に勤務している傍ら、ツリーの通う大学で講師もしている。既婚者だが、ツリーとも隠れて付き合っている(不倫関係)。
ダニエル・ボーズマン(演:レイチェル・マシューズ)
自己愛に溢れている意識高い系女子。ツリーも所属する意識高い系女子の集まり「カッパ会」のリーダー。好きな男子がツリーに好意を寄せているため、ツリーには嫉妬心を抱くことも。
ライアン・ファン(演:フィー・ヴ)
カーターのルームメイト。下品で、空気が読めない一面も。
ニック・シムズ(演:ブレイン・カーン3世)
ダニエルが好意を寄せている男子大学生。ニック自身は、ツリーに好意を寄せている。
デヴィッド・ゲルブマン(演:ジェイソン・ベイル)
ツリーの父親。妻(ツリーにとっては母親)の死後、男手ひとつで娘を育ててきたが、現在は娘との接し方に悩んでいる。
映画「ハッピー・デス・デイ」の感想
映画「ハッピー・デス・デイ」の感想です。個人的には「実にクリストファー・ランドン監督作品らしいなぁ」というのが第一の感想でした! 何度観ても良いですね。
ハッピー(!?)なタイムループ
基本的には、終始ハッピーな雰囲気で進行するので、ホラーが苦手な人にも観やすいかなと思います。
でも、起承転結はしっかりしている。
なんというか、緩めるところと締めるところがはっきりしているというか。そこのところ流石クリストファー・ランドン監督って感じで、緩急の付け方が非常にお上手でした。
メンタル強すぎなツリー
本作を観て、一言あるとすれば……
ツリー、メンタル強すぎな件。
これに尽きるんじゃないでしょうか。
いや、マジで。真面目に。
最初は何が起きたのかわからなくてパニックになっている様子のツリーですが、まあ、何度か繰り返していれば「あれ、もしかしてこれ……ループしてる!?」と理解できてくるわけで。
でも、どうせループするからといって、そう何度も痛い思いをするなんて。自分だったら最初の2、3回目あたりで精神崩壊しているなと感じましたね、ええ。仮に夢だとしても、痛みは(おそらく)本物なんですよ。
なお、本作でメガホンを取ったクリストファー・ランドン監督は、
また、本作の肝となるタイムループ要素については「リセットできるから好き放題やるんだ。髪色をド派手なピンクにしたり、大学内を裸で歩いたり、好きなだけ食べたり、ループを楽しみ始めるんだ」と話していることから、タイムループものならではの楽しいシーンもあることが伺える。
(引用元:タイムループだからやりたい放題? 『ハッピー・デス・デイ』監督インタビュー映像│ぴあ映画)
と、このように語っています。
ちなみに、私はこれらのループシーンを観て、「いやいや、リセットできるからってこれは流石にメンタル強すぎィ……! っていうか、仮にもしなんらかの理由でループできなかったら、死後に『あのビッチ、裸でキャンパス歩いてたらしいよ』って噂になってまうやん!?」とひやひやしていました。
だがしかし、友達にはなれないツリー
と、まあ、そんなビッチが主人公だったわけですが。
個人的には、現実で会ったら絶対に友達にはなれないタイプだなと思いながら観ていました。
いやね、根は良い子なんだろうなというのはわかるんですよ。こちらは映画として、ツリーのバックグラウンドやらなにやらを把握しながら観ていますからね。
でも、現実世界ではそうじゃない。
傍から見たツリーは、男から男へと渡り歩き、貞操観念が低くて、優しくされてもそれを突っ撥ねるどころか相手を傷付け、不倫をしていても悪いと思っておらず、相手の奥さんには見下した態度さえ取る始末。
してはいけないことのオンパレードすぎて笑っちゃう。
普通のホラーなら、まず助からないタイプの女性ですよね。
貞操観念が低いのは個人の感覚次第なところもあるので、本人が良いならいいとして、だからといって他人を傷付ける行為はよろしくないというか、そういう(誰かを傷付けるかもしれないという)感度が低すぎるのはよろしくないなと思いました。
既視感のある不気味なマスク
犯人(らしき人物)が被っているお面に、既視感。
この既視感はいったい、と思っていたところ、「スクリーム」(1996)のゴーストフェイスにそっくり! ということ。
んで、調べてみると、なんとゴーストフェイスを手掛けた人と同じ人が、このお面をデザインしたそうですね。
The mask was constructed by Tony Gardner, the same man who built the “Ghostface” mask from every Scream film, and its design was personal.
(引用元:Happy Death Day│Wikipedia)
ちなみに、このトニー・ガードナーという人はSFXメイクアップ・アーティストらしいです。
基本的にはライトタッチなグロ(観やすい)
主人公がデス・ループに巻き込まれるという時点で、まったくグロくない(=血が出ない)ということはないんですけれども、非常にライトタッチな描写だったと思います。
なので、これもやっぱり観やすい要素。
もちろん、ごっりごりのグロを求めている人にはやや物足りなく感じるかもしれませんが、明るい気分で観られる内容でした。
映画「ハッピー・デス・デイ」が好きな人におすすめの作品
映画「ハッピー・デス・デイ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
まとめ:気軽に観られるライトなホラー
頭を空っぽにして身ひとつで(?)観られるライトなホラーでした。
序盤あたりのツリーの人間性はともかく、とにかく痛快! という感じ(最終的にはツリーも成長するしね)。クスッと笑えるストレスフリーな作品です。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 70% AUDIENCE SCORE 67%
IMDb
6.6/10