映画「クジラに落ちた男」の感想です。
予告編を観てからというもの「絶対に! 映画館で! 観たい!」と思い続け、(日本)公開翌日に鑑賞しました。正直、怖さはあまり求めていなかったんですが、想像以上に怖かった(笑)。
クジラの体内にいるあいだは終始ハラハラドキドキしておりました。

映画「クジラに落ちた男」の見どころは……
- 自分の中にいる父親との対話。
本記事は2026年10月29日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
作品情報
| タイトル | クジラに落ちた男 |
| 原題 | Whalefall |
| 原作 | クジラに落ちた男/ダニエル・クラウス 著 |
| ジャンル | スリラー、パニック、アドベンチャー、ヒューマン |
| 監督 | ブライアン・ダッフィールド |
| 上映時間 | 106分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2026年 |
| レイティング | G |
| 好きレベル | ★★★★☆ |
あらすじ
遠くの大学に進学し、疎遠になっていた父の死から1年。一度実家に戻り、姉&母親と家族団らんを過ごすジェイだが、翌朝、ひとりダイビングに出掛ける。しかし、ダイビング中にマッコウクジラに遭遇し、必死の抵抗むなしく、ジェイは丸呑みにされてしまった。クジラの体内で、ジェイは自分にだけ厳しかった父親の言葉を思い出す……。
主な登場人物
(以下、敬称略)
ジェイ・ガーディナー
(演:オースティン・エイブラムス)
アイオワの大学に通う学生。厳しい父親を疎ましく思い、父親から離れることを決意。病を患い、自死した父の死から1年経ち、一度実家に戻ってくる。父の遺骨を拾い上げ、父との過去を乗り越えるべく海に潜ったところ、マッコウクジラに飲み込まれてしまう。
ミット・ガーディナー
(演:ジョシュ・ブローリン)
ジェイの父親。ジェイが幼い頃から、厳しくダイビングを教える。それがゆえにジェイに疎ましがられ、距離を置かれてしまった。病を得たのち、入水自殺。
映画「クジラに落ちた男」の感想
映画「クジラに落ちた男」の感想です。思いのほか怖かったし、ヒューマンドラマとしても見ごたえばっちり!
オースティン・エイブラムスのひとり芝居
ほぼほぼオースティン・エイブラムスのひとり芝居でしたね(父親とのシーンは除く)。すごかった。
クジラの体内というだけあって狭い空間ですし、カメラもそこだけを映すので、表情やその変化がすごくわかりやすく……。かなりの演技力(表情のコントロール)が求められていたはずです。
映画「WEAPONS/ウェポンズ」(2025)では薬物依存者を演じていましたが、いやほんと、まったく同一人物には見えませんもんね。「WEAPONS/ウェポンズ」ではもう少し痩けていて、薬物依存者というだけあって退廃的な雰囲気だった。その一方で、この映画で演じた主人公ジェイはもっと若々しく、つまらなそうにしながらも内に怒りを秘めたイメージで、演技の幅が広い。
しかも同時期に(日本)公開された「バイオハザード」(2026)でも主役を演じているというのだから、本当にすごい俳優さんですね。
クジラに呑まれるまでの流れが自然
なお、そもそもの話として、予告を観た時点では「ひとりでクジラに呑まれるって……どうやって?」と思っていたんですが、これもまた非常に自然な流れでしたね。
病に冒され、自死を選んだ父親。
憎き父の遺骨を持ち帰り、なんとしても父に自分のことを認めさせてやりたい! という思いから、たったひとりで海に潜ることにしたジェイ。で、岸(ビーチ)からそこまで離れていないはずなのに、クジラにバクンといかれてしまうという。
終始怖くてハラハラドキドキ
このクジラに呑まれるか呑まれないかのシーンがとんでもなくハラハラして。
大好き。
あのダイオウイカさえいなければ、ワンチャン逃げ切れていたかもしれないのにね。
で、個人的には「胃なのに……胃液がない?」と戸惑ったんですが、調べてみたところ、クジラには胃が4つあるらしく。人間と同じような体の仕組みを想像していると「え、胃に入った瞬間、消化確定で終わりじゃない? 逃げるもなにも……」ですけどね。
たぶん、ジェイが最初にいたところは1番目の胃(前胃)。消化液はないものの筋肉で獲物を砕く役割を持っているそう。確かにジェイも何度かゴリッてされていた(笑)。で、2番目にあるのが、我々が通常イメージする消化液のある胃(主胃)。
ここも溶けるのが早くてドキドキしました。同じタイミングで呑み込まれたはずのダイオウイカがほとんど溶けているのを見てしまったときの絶望感ったら。
しかし、ビーキーをGETすることもできたので結果オーライ?(違う)
ビーキーと共に!(ジェリーは?)
ただ、個人的に納得いかなかったのは字幕。
ちょいと不親切かなと思った。
手に入れたイカのクチバシを「ビーキー」と名付けたジェイですが、これ、日本語的には「なぜビーキー?」ってなった人もまあまあいるのではなかろうか。これっておそらく、「クチバシ」の英語が「beak(ビーク)」であることから来ているのだと思う。
例えば、英語だと(幼児語のような感じで)「dog(犬)」=「doggy(ワンワン、ワンちゃん)」と言ったり、「pig(ブタ)」=「piggy(ブタさん)」と言ったりするんですが、これと同じような感覚で、親しみを込めて「beak(クチバシ)」を「beaky」と名付けたんでしょう。
でも、日本語だと「beak」=「クチバシ」というのが浸透していないから、「こいつ、突然『ビーキー』って名付けたぞ?」となる。先述したように、ほんの少し不親切かなと思った。まあ、だからといって、わざわざ「※『beak(ビーク)』=クチバシです」だなんて説明が入っても無粋なので、難しいところですけど。翻訳家の方、大変ですねという感想。自分が英語を理解できることと上手に翻訳(通訳)できることは完全に別物なので、心底尊敬。
これは字幕翻訳には関係ないんですが、欲を言えば、ビーキーがいるなら、ビーキー同様活躍してくれたクラゲにも「jelly(ジェリー)」という名前をつけてあげてほしかった(笑)。クラゲは英語で「jellyfish」なので。
トラウマになっている父との対話
なんか、あれですよね。
嫌いだった親が、必ずしも間違えたことばかり言っていたかというとそうじゃないという。
個人的には、ミットのような行動は現代の(日本の?)価値観に照らし合わせて考えてみれば「毒親」と言われても仕方ないような気がするんですけれども。普段から過度に厳しくして、息子が自由に発言できないような環境を作っておきながら、息子が友達と遊びに行くことを言い出せなかったからってネチネチネチネチと、まあ。
なんか、自他境界、曖昧じゃない? と。息子を自分のコピーだと思っているというか。
挙句、危害まで加えようとしているし。「顔に刺青を入れてやるー!」でナイフはあかん(笑)。まあ、あのあとの対処として、ジェイはジェイでもっとうまくやれただろうとは思いますが。
そりゃあトラウマにもなる。
が、劇中の父との対話はよかった。クジラが父親のメタファーになっていて、大きくて勝てないもの、暗いところに引きずり込んでくるもの、というジェイが父親に対して持っているイメージを表しているのかなと思いました。
過去(父親)を乗り越え前に進むジェイ
もちろん、現実的に考えてクジラ=父親であるわけはない。
たぶん、ジェイの心の中にいる父親がこのイメージだったのでしょう。実際、ダイビング仲間? 海の男仲間? には一目置かれる存在だったわけですよね。中には「海で助けてもらったんだ」と恩を感じている人さえいる。
でも、ジェイの記憶にある父親はいつまで経っても「怖い人」「近付きたくない人」だった。
ジェイは、自分の心(の中にいる父親)に打ち勝つ必要があった。
そういう話だったと思います。劇中、クジラが危機的状況に陥った際「仲間を呼べ!」「僕は一緒にいる……」(うろ覚え)と言っていたのは、ジェイが父親に言いたかった言葉なのかも。そうやってきっと、本当はずっと仲良くなりたかったんでしょうね。
終盤は、ちょっとホロリと来ました。
映像もダイナミックでよかったし、面白かったです。
映画「クジラに落ちた男」が好きな人におすすめの作品
映画「クジラに落ちた男」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- バックルームズ(2026)
- デッドマンズワイヤー(2025)
- SISU/シス 不死身の男(2022)
- ロングウォーク(2025)
映画「クジラに落ちた男」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年10月29日)。レンタル(有料)作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | FOD(PREMIUM) |
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まとめ:迫力があって面白い!
映像がいい。
特にクジラに呑まれるところ。
一息にパクンといくわけじゃないあたり、とても演出が凝っていましたね。
そして、スリラーだけじゃなく、ヒューマンドラマにも焦点を当てていました。父親(厳密には自分の心)との戦いがよく描かれていて、主人公を応援したくなる。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 73% Popcornmeter 81%
IMDb
6.6/10
Filmarks
3.8/5.0

