プラットフォーム(字幕版)
前作「プラットフォーム」(2019)の続編です。
さらに難解になって登場! という感じでした。でも、個人的には微妙というか、普通という感想に落ち着いてしまいました。
施設内でルールができていたのは、まあまあ面白かったけれども!
本記事は2025年01月24日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
誰かが決めたルールで生きる厳しさ。
作品情報
タイトル | プラットフォーム2 |
原題 | El Hoyo 2 |
ジャンル | スリラー、SF、サスペンス |
監督 | ガルダー・ガステル=ウルティア |
上映時間 | 99分 |
製作国 | スペイン |
製作年 | 2024年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
謎の縦型施設に放り込まれた女性ペレンプアン。その施設では、独自に決められたルールをもとに人々が過ごしていた。そのルールとは、自分が指定した食べ物以外を食べては駄目というもので――。前作の前日譚的ストーリー。
登場人物
(敬称略)
ペレンプアン(演:ミレナ・スミット)
主人公の女性。芸術家。過去に何かあったようだが……。
ザミアティン(演:ホヴィク・ケウチケリアン)
ペレンプアンと同室(同じ階)の男性。
ザハバト(演:ナタリア・テナ)
ペレンプアンと同室(同じ階)になった女性。片腕を失っている。
ダギン・バビ(演:オスカル・ハエナダ)
ロイヤリストのリーダー的存在。盲目。
映画「プラットフォーム2」の感想
映画「プラットフォーム2」の感想です。前作にも増して、「意味わからんなぁ……」と思える内容でした。でも、個人的には嫌いじゃない。
前作の状態を説明
本作は、(一応、たぶん)前作の前日譚にあたるお話。
はっきりそうだと明言しているわけではないんですが、なんといっても、前作で退場したはずのトリマガシが登場するしね。そう、あの「明らかだ」おじさんが!
いよっ! お久しぶり! という感じでした。
で、前作でなぜああも無法地帯と化していたのか、ということが、本作で明らかになります。こうなる前に、一応はちゃーんとルールに基づいて生活しようとしていた時期があったんですよ、と。
しかも、トリマガシが生きている時期だから、割と最近の話。
グロさ&生々しさUP
そして、本作を観て後悔したことがひとつ。
それは、食事中に観たこと。
本作は、前作に比べてグロさ&生々しさが格段にUPしていますので、食事中などに観ることはあまりおすすめしません。
中でも、ペレンプアンが圧倒的な暴力にさらされるシーンは「ひえぇぇぇっ」となりました。グロ描写が特別苦手なわけじゃない私でも、まあまあ引く。
今回はおそらく共産主義
前作は、資本主義や格差社会について描かれたものなのかなと思ったものでしたが、それに対して、本作は共産主義について描かれているようでした(個人的な考察ですが)。
先述したように、ほとんど無法地帯と化していた前作。
それに対して、本作では厳格なルールが定められていました。
- 自分が指定した食べ物以外を口にしてはいけない。
- もし同室の人物が命を落とした場合、その人物が指定した食べ物には口をつけず、捨てること。
- ルールを守らない者には、厳しい罰が科せられる。
主には、このような感じ。
正直、ハチャメチャに厳しいです……し、厳しい罰というのが、厳しいというのを飛び越えてグロすぎる。
ちなみに、このルールとは、施設の運営側の人間が考えたものではなく、施設内にいる人間が独自に考えたローカルルールです。
私はこれを「共産主義っぽいな」と感じました。
財産(=食料)をみんなで平等に分け合おう! 貧富(食べられる人と食べられない人)の差をなくさなければ! だから不正は良くない! みたいな。
共産主義を掲げると独裁的になりがちだよねという。
この理想を徹底して守り通すには、人々を従わせられるリーダーが必要で、下々の人たちをしめつけなくてはならない……。みんながみんな「ルールを正しく守る」人たちばかりではないし、なにより、追い詰められた状況ですしね。
そうすると、どうしても人権が軽視されがちになる。
共産主義と独裁なんて、それこそ相反する理念からなった事柄っぽいのに。
世の中、うまくいかないものです。
ほんの少しの宗教色
あとは、このロイヤリスト(リーダー)の見た目が、もろ「宗教の人」っぽい。
それにしては、宗教描写がいまいち中途半端だったので、「結局どういうことなん……?」とはなってしまうんですけれども。
考察するにしても、ヒントが少なすぎて……。
というか、共産主義だけで十分だったんじゃないかなぁと思うわけですね。いろいろ盛り込めばいいよというわけでもないと思いますし。
いや、宗教色が入り混じっているから「訳わからん」という感想になるのかも。
謎すぎる原理
また、個人的に謎に思ったのは、終盤のシーン。
1カ月に一度、プラットフォーム(穴)がリセットされる時。
死んだ振り(なのかな?)を見事に成功させたペレンプアンですが、次に(リセット時に)目を覚ますと……なぜだか無重力空間。
……どゆことー!?
ここはさすがに「んん!?」と思いながら観てしまいました。
宇宙みたいな無重力の中を泳ぐ運営側のスタッフたち。それに倣うペレンプアン。いやでも、呼吸は普通にできているようだし、と思ったら、ゆっくり動いているはずなのに、ゆーっくり頭をぶつけて普通に負傷している。
一応、ここはもうそういうものとして観たんですが、原理が謎すぎて終始首を傾げることになりました。唯一、階替えをしているときは、このようになっているのねとは思ったけれども。
ということで、トータルで見ると、普通という印象になってしまったかな。
映画「プラットフォーム2」が好きな人におすすめの作品
映画「プラットフォーム2」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ブラック・フォン(2022)
- パラドクス(2014)
- エスケープ・ルーム2:決勝戦(2021)
- メイズ・ランナー(2014)
まとめ:前作鑑賞後に!
主人公は違うといっても、話自体は前作に関わってきます。
もともと説明が少ない作品でもありますので、前作を鑑賞してから観ることをおすすめしたいところですね。(先述しましたが)トリマガシも登場しますよ!
――明らかだ!
※ちなみに、本作にパンナコッタは登場しません。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 35% AUDIENCE SCORE 25%
IMDb
4.9/10