
パージ
映画「パージ」の感想です。
国に定められた時間のあいだなら、あらゆる犯罪を犯しても罪に問われない……。
設定が斬新で面白かったです。ただ、登場人物には少しばかりモヤモヤしたかなと。全体的に綺麗事が多かった印象。

映画「パージ」の見どころは……
- パージ法に賛同し、積極的に取り組む面々の動機。
本記事は2026年10月13日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
作品情報
あらすじ
アメリカでは、一年に一度、夜7時~朝7時の12時間、あらゆる犯罪が合法になる法律「パージ法」が設けられた。このあいだは、警察や消防などの機能も一時停止する。家族と共に富裕層の居住区に住むジェームズ・サンディンは、自宅でのセキュリティーを万全にして危険な夜をやり過ごすことにするが、息子が見知らぬ黒人を家に招き入れてしまい……。
主な登場人物
(以下、敬称略)
ジェームズ・サンディン
(演:イーサン・ホーク)
メアリーの夫で、ゾーイ&チャーリーの父親。セキュリティー会社のセールスマン。
メアリー・サンディン
(演:レナ・へディ)
ジェームズの妻で、ゾーイ&チャーリーの母親。
ゾーイ・サンディン
(演:アデレイド・ケイン)
ジェームズ&メアリーの娘で、チャーリーの姉。両親には年齢差のある恋人との交際を反対されている。
チャーリー・サンディン
(演:マックス・バークホルダー)
ジェームズ&メアリーの息子で、ゾーイの弟。ラジコン人形を操る。
ホームレスの男
(演:エドウィン・ホッジ)
何者かに追われて逃げていたホームレスの黒人男性。
映画「パージ」の感想
映画「パージ」の感想です。設定は斬新ながらもシンプルなストーリー展開で、面白く観られました。
あらゆる犯罪が合法になる12時間
一年に一度、殺人含むあらゆる犯罪を合法にすることで、国民のガス抜きをする。
倫理観はともかく、この発想自体はまあ理解できますね。
劇中の設定としては、これをすることによりアメリカの失業率&犯罪率が劇的に下がったそう。映画ではまあまあいいように説明していましたが、これ、ホームレスなどの最下層にいる人間たちが真っ先に狙われるからというのが一番大きそう。
現に、サンディン家に逃げ込んできた男は、ホームレス&黒人という最下層を象徴したようなキャラでしたし(※私が黒人=最下層と思っているということでなく、アメリカにいまだある差別構造を誇張して描いているイメージ)。
完璧なセキュリティーは要塞になり得る
あと、サンディン家のセキュリティーには、最初から危うさを感じました。
だって、セキュリティーをオンにする前に誰かが家の中に入り込んでいたらどうするの? 家族を蹂躙し放題にならない? 怖すぎィ……と。
劇中、ホームレス男性を追ってきた男たち(パージャー)がサンディン家を脅した際、メアリーがこのセキュリティーを打ち破れるのかと不安がっていたけど、考えてみれば、完璧すぎるセキュリティーって逆に怖くないんですかね。
中に敵が潜んでいた場合、簡単に逃げられない要塞と化しそう。
家族は防衛に反対だけど……
個人的に、第一のモヤモヤポイントは家族のジェームズに対する態度。
逃げ惑うホームレス男性を、セキュリティーを解除して家の中に招き入れたチャーリー。この時点で「え!?」と驚きはしたんですけど、まあ、子どもならではの正義感と言われればわからないでもない。「人を傷付けていい世の中なんて間違っている!」というのは確かに正しいんだけれども。
自衛手段としてホームレス男性を排除しようとしたジェームズに対して、まるで酷いことをしているかのような態度を取る家族にはモヤッとしてしまった。
これに反対するなら、代替案を出さないとフェアじゃないよなと。
ホームレス男性を引き渡さないと家族ごと殺すとパージャーは脅しをかけてきているわけで、父親に抗議したところで状況は変わらない。家族(メアリー&ゾーイ&チャーリー)の言うことに従うとしたら、つまりはホームレス男性を引き渡さない=パージャーたちと戦うということになるんだけど、誰もここについて言及しないので、解決策を父親に丸投げしているように見えてしまった。
最悪なのは、徹底抗戦の構えでいく場合、家族の顔ぶれ的に(体力も力もある男の)父親が一番前に出る必要があるだろうと容易に想像できてしまうことなんですよ。終盤を見たら、母メアリーもまあまあ強かったけど、パージャーのリーダーも男ですしね。
ホームレス男性を引き渡すことに家族が反対する=ホームレス男性を引き渡さない決断=パージャーたちと対峙する必要がある=父親が前に出なければならない、という構図。率直に「この人たち、ホームレス男性が傷付くのを見たくないから(倫理的に問題があるから)ジェームズに命をかけろ」と言っているのだなと感じました。
先述したように、普通は「人を傷付けていい世の中なんて間違っている!」なんですが、そもそもこの状況自体普通ではないので、平時の倫理観を当て嵌めるのは、それはそれで正しくないような。自分はそれでよくても、相手がそうしてくれるとは限らないし。
中間層の上澄みあたりが残りそう
そして、先述したとおり、まずはホームレス男性のような、いわゆる最下層に所属するような人たちが狙われると思うんですよね。次に、家をセキュリティーで固められない中間層の下に位置する人たち。
で。
個人的には、その次はサンディン家のような程良い富裕層が排除されると思っている。
セキュリティー会社のセールスマンであるジェームズも「完璧なセキュリティーなどない」(うろ覚え)と言っていたことですし、知恵や人数を集めれば、頑丈なセキュリティーを突破することも不可能ではない。そのうえ、終盤の展開でもわかるように、わかりやすい富裕層って周囲の嫉妬を集めやすいんですよね。
結果として、とんでもない富裕層と中間層の上澄みあたりの人たちだけが残りそうに思うけど、どうなんだろう?
正義感ではなく優柔不断
なお、メアリーの決断にも違和感を覚えました。
えー? 何それ? って。拍子抜け。がっかりしちゃったよ。
いや、あの、隣人の女性をガツンとやってくれたのはスカッとしたんだけども(笑)。にしても、子どもたち同様、最後まで綺麗事。ホームレス男性に対する最後の問い掛けにもモヤッとしてしまった。
それは正義感でなく、優柔不断というものなのではないの? という疑問。
子どもたちを守りたいなら、あの場で全員排除しておくべきだったと思うけどな。一年に一度ということは来年もこの機会は来るわけで、あの対応で誰にも不満が残らなかったとは思えない。資産はあるだろうし、引っ越すのかね? なんか「うーん、このあとどうするの?」となるラストでした。
結論。
富裕層とはいえ「パージ法」は一般人を幸せにしない(当たり前)。
映画「パージ」が好きな人におすすめの作品
映画「パージ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- スクリーム 7(2026)
- バックルームズ(2026)
- ロングウォーク(2025)
- 28年後… 白骨の神殿(2025)
映画「パージ」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年10月13日)。レンタル(有料)作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | FOD(PREMIUM) |
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まとめ:アイデア自体は面白く見ごたえがある
と、まあ、違和感をつらつら並べましたけれども、アイデア自体は非常に面白かったと思います。
にしても、現実にこんな日が一年に一度もあったら、自分は真っ先にやられそう(笑)と思いました。運動神経も悪いし、富裕層でもないので。
Rotten Tomatoes
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IMDb
5.8/10
Filmarks
3.2/5.0

