
PLANET OF THE APES/猿の惑星 (字幕版)
「PLANET OF THE APES 猿の惑星」の感想です。
オリジナル「猿の惑星」(1968)のリメイク……ならぬ、リ・イマジネーション版作品ということらしいですね。本作を手掛けたのは「チャーリーとチョコレート工場」(2005)などで知られるティム・バートン監督。
賛否両論あるようだけど、面白かった!
本記事は2025年08月25日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
探査ポッドで不時着した先は猿が支配する世界。
作品情報
タイトル | PLANET OF THE APES 猿の惑星 |
原題 | Planet of the Apes |
ジャンル | SF、アクション、アドベンチャー、ファンタジー |
監督 | ティム・バートン |
上映時間 | 114分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2001年 |
公開年(米) | 2001年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
西暦2029年。宇宙の探査活動に従事していた宇宙飛行士の面々は、近くに磁気嵐が発生したのを確認する。調査に向かうため、チンパンジーのペリクリーズを探査ポッドに乗せ送り出すことにするが、途中で交信が途絶えてしまった。飛行士のレオは、自身もポッドに乗り、ペリクリーズを追いかけて行くことに。磁気嵐に吸い込まれ、レオの乗るポッドが不時着したのは、レオの知らない未知の惑星だった――。
主な登場人物
(敬称略)
レオ・デイヴィッドソン
(演:マーク・ウォールバーグ)
大尉。心優しい人物で、実験動物だったチンパンジーのペリクリーズのことを、トレーナーとして、友人のように大切に思っている。
アリ
(演:ヘレナ・ボナム=カーター)
サンダー議員の娘。人間を奴隷のように扱うことに対して否定的な意見を持っている。レオには協力的。
セード将軍
(演:ティム・ロス)
猿の軍を率いる指揮官。差別的で陰険な性格。サンダー議員の娘であるアリに言い寄っている。
リンボー
(演:ポール・ジアマッティ)
奴隷商人。レオに脅され、行動を共にするように。憎めない性格。
デイナ
(演:エステラ・ウォーレン)
人間の女性。レオと共に猿たちに捕まったが、アリの機転で助けられる。以降、レオと行動を共にするように。
映画「PLANET OF THE APES 猿の惑星」の感想
映画「PLANET OF THE APES 猿の惑星」の感想です。内容より何より「特殊メイクすごー!」という感想がまず先に来る映画でした。
ティム・バートン監督作品
まず、先述したように、本作を手掛けたのは「チャーリーとチョコレート工場」(2005)や「シザーハンズ」(1990)、「スリーピー・ホロウ」(1999)などの作品で知られるティム・バートン監督です。
口コミなどを見ると「ティム・バートンらしくない!」と言っている人もちらほらですが、個人的には、リ・イマジネーション版、(一応)元ネタがある作品としては、なかなか上手に作られていると思いますけれどね。というか、ティム・バートン味もある程度はあったような気がしています。常連(ヘレナ・ボナム=カーター)もしっかり登場していたし(笑)。
キャストが◎!
ヘレナのほかにも、主人公のレオ役にマーク・ウォールバーグ、人間の女性デイナ役にエステラ・ウォーレンなどが出演していて、キャストはとても良い感じでした。
エステラ・ウォーレンの美しさったらもうね。すごいですよ。
シンプルかつ原始的(?)な格好をしていても、なんだかキラキラ輝いて見えました。同性として憧れる美しさ。
マーク・ウォールバーグに関して、個人的イメージとしては「テッド」(2012)だったので、「わっかー!」ってなりました。あ、そう言えば「ラブリーボーン」(2009)にも出ていたかもしれない。パパ役で。
迫力ある特殊メイク
あとは、個人的に抱いた本作の第一印象は、「特殊メイクすごー!」というところですかね。特殊メイクアップ効果は、かの有名なリック・ベイカー氏によるもの。……と、実は私もあまり詳しくはないんですけれど、ジム・キャリー主演「グリンチ」(2000)のメイクにも参加した方だった。確かにメイクの雰囲気がちょっと似ているかもしれない。
っていうか、先述したヘレナ・ボナム=カーター。
映画「チャーリーとチョコレート工場」(2005)をはじめ、ティム・バートン監督作品の常連と言えばこの人! みたいなところがありますが、さすがにアリは誰がやっても良かったのではと思ってしまった(笑)。特殊メイクすぎて。これ、「グリンチ」の時には「ま、言うてもあのコミカルかつシニカルな演技はジム・キャリーじゃなきゃできなかっただろうけどね!」と思えたんですけれど、今回は鑑賞後にキャストの欄を見るまでヘレナが出演していることに気がつきませんでした。無念。
なお、
ベイカーに師事したカズ・ヒロ(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』『スキャンダル』でオスカーを獲得した日本人アーティスト)が、本作でもベイカーの右腕として腕を振るっている。
(引用元:第1作から最新作『猿の惑星/キングダム』まで。SF映画の金字塔、視覚効果56年の変遷をたどる|MOVIE WALKER PRESS)
とのことで、カズ・ヒロ氏も携わっているとのこと。世界で活躍している日本人を見るとちょっとわくわくしますね。
立場が逆転する皮肉
また、劇中で、レオの住む世界の猿の扱いについて言及するシーンがありました。「動物園にいる」みたいな感じだったかな?(まず「動物園とは何か」を聞かれていたけれど)
そこで(正確な言い回しは忘れてしまったんですが)「檻に入れるなんて!」というようなことを言い返されていましたが。皮肉的だなー! と思いましたね。
動物園云々は抜きにして「檻に入れる」ことだけに焦点を当てると、それはまんまこの世界の猿が人間にしていたことと同じだし。そういう視点で見れば、アリって動物愛護過激派みたいなものだから、確かに一般人(一般猿?)には煙たがられることも多かっただろうと思う。
「猿は喋らない」と言うレオに「喋れない振りをしているだけよ」と言っていたのは可愛かったけど。可愛くもあり、うっすら背筋が寒くなるようなセリフでもありました。この世界の猿は総じて人間たちを見下していて、まさかレオのように反抗してくる奴がいるとは思わなかっただろうし、いたとしても簡単に押さえ込めるとしか思っていなかったはず。それなのに、現実は結構良い感じに対抗してきている。
と考えると、リアル世界で猿が集団で暴れ出す可能性もなくはないんじゃないかって。アリの言うように「猿がもし本当は喋れたら(そして喋れない振りをしているだけなら)……」と考えるのは、ロマンであり、怖いことでもありますね。こういうのを考えるの、割と好きです。中には「くだらないとわかっているのに考えてしまう!」みたいなこともあるけど(笑)。
ご都合主義もまあまあ……
ちなみに、ご都合主義はまあまああります。これを納得できるかできないかで、本作の評価が分かれてくるのではないかと。
たぶん、一番気になるのはラストの展開。
個人的には好きな内容、展開の作品でしたが、終盤については「え、え、えー!?」ってなりました(笑)。「待って、それは、えー!? それでええのん!?」って。
っていうか、チンパンジーのお友達が大事なのはわかるけど、「レオよ、これはお前が始めた物語だろ」ともなりましたね。宇宙に集団行動ができない人を連れて行ってはいけないという教訓かもしれない。上司の命令に逆らい、勝手な行動をした挙句、周囲を危険に巻き込むという。
ご都合主義というより、主人公補正みたいなものもあるのかも。
グリスリーズが可愛すぎる件
ああ、でも、宇宙に放たれたチンパンジーのグリスリーズはめちゃくちゃ可愛かったです。いや、本当に。衝撃的な可愛さ。
親指をグッとするのとか。
それだけに、上司の命令で探査ポッドに乗せられ、何もわかっていない感じのまま宇宙に放り出されるあのシーンは「やめて……やめてやってよ……」ってなりました。その点はレオに共感。「これは人間の仕事だから」とグリスリーズを追いかけていくのにも。
ただ、同じ勝手な行動をするのにも、もうちょっとうまくやったら良かったねなどとは思いました。
映画「PLANET OF THE APES 猿の惑星」が好きな人におすすめの作品
映画「PLANET OF THE APES 猿の惑星」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- キングコング:髑髏島の巨神(2017)
- アイ・アム・レジェンド(2007)
- オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014)
- モンスターハンター(2020)
まとめ:これはこれで面白い!
オリジナル「猿の惑星」が好きな人の中には、本作を「いまいち」「ご都合主義」「ティム・バートン味が足りない」と評価する人も一定数いそうですが、個人的にはこれはこれとして、単体で観ればなかなか面白い作品だなと感じています。
ヘレナ・ボナム=カーターが最後まで全然わからなかったの、今になってちょっとじわじわ来ています。あんなに特徴的かつ魅力的な方なのにね。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 43% Popcornmeter 27%
IMDb
5.7/10
Filmarks
3.2/5.0