スクリーム2(字幕版)
ホラー映画のクラシック作品「スクリーム」の続編です。
主人公のシドニーはそのままに、ゲイルやデューイ、ランディなど前作で生き残ったキャラクターたちも出てきます。「スクリーム」ファンの求めるものを理解し、期待にしっかり応えている作品です。
本記事は2023年12月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
作品情報
タイトル | スクリーム2 |
原題 | Scream2 |
ジャンル | ホラー、スリラー |
監督 | ウェス・クレイヴン |
上映時間 | 120分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1997年 |
レイティング | R18+ |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
あらすじ
舞台は、あの凄惨な事件から2年後のウッズボロー。シドニーは過去を乗り越え、大学生になっていた。ランディとは良い友人関係を築き、誠実な新しい恋人と共に過ごす日々。2年前の生存者のひとりゲイルは、事件のことを記した本を出版し、それはさらにベストセラーを記録する。「スタブ(Stab)」というタイトルで映画化するほどの人気ぶりである。だが、その試写会の会場で、再び悪夢が蘇る。
登場人物
(敬称略)
シドニー・プレスコット(演:ネーヴ・キャンベル)
2年前に起きた事件の生き残りで、現在は大学に通う学生。
ゲイル・ウェザーズ(演:コートニー・コックス)
シドニー同様、2年前の事件で生き残ったテレビ局のレポーター。事件のことを本に書き、映画化するほどの人気を集める。
デューイ(演:デヴィッド・アークエット)
保安官。2年前の事件の際には、背中を刺されるが奇跡的に生き延びた。
コットン・ウェアリー(演:リーヴ・シュレイバー)
シドニーの母親を手に掛けた犯人だとされ、捕まっていた。事件の全貌が明かされたので釈放されるも、ゲイルを介してシドニーに接触しようとする。
ランディ(演:ジェイミー・ケネディ)
シドニーの友人で、映画オタク。シドニーに片想いしている。2年前の事件の際は、犯人たちに刺されるも生き残った。
ミッキー(演:ティモシー・オリファント)
シドニーたちの同級生で、ランディとは同じ講義を取っている。
デビー・ソルト(演:ローリー・メトカーフ)
「スタブ」の熱狂的なファンとして、ゲイルに付きまとう地元紙の記者。
デレク・フェルドマン(演:ジェリー・オコンネル)
シドニーの新しい恋人。
映画「スクリーム2」の感想
映画「スクリーム2」の感想です。ちょっぴり大人になったシドニーが、前作よりはるかに強くなっています。精神的にも物理的にも。
どんどん強くなっていくシドニー
前作(2年前の事件)では恋人に裏切られるばかりか、犯人が恋人と友人で、自分の手で幕を下ろさざるを得なかったという、シドニーにしてみればかなり悲惨な結末を迎えてしまったので当然と言えば当然ですが。
シドニーが強くなっていく。
まあ、デレク(新恋人)を信じていいかわからない……みたいな精神的弱さはまだあるシドニーですが。
前作の時点では、無垢で純粋な少女らしい一面が大部分を占めているような感じでしたが、凄惨な体験をすると、否応なしに強くなっていくものですね。戦え! みたいな。
そもそも、2年前の事件では恋人(少なくとも本人は心の底からそう思っていた)が自分の命を狙っていたのにもかかわらず、すでに新しい恋人が出来ている時点でメンタルはもともと強め。まあ、個人的には「ランディにしときなさいよ、あーた……」というところですけれども。
突っ込みどころのある犯人設定
ここで犯人を書くとネタバレになってしまうので明言しませんが、犯人に関する設定その他諸々に関しては、突っ込みどころ満載です。
とりあえず、初見で当てるのはほぼ不可能でした。
前作と異なり、傍目に見て首を傾げるほどおかしな行動をする人もいませんし、見るからに怪しい雰囲気を出している人もいない。
そもそも、前作で生き残ったメインキャラクター以外の中心人物はシドニーの新恋人ぐらいしかいないんですよね。もしくは、シドニーの母親を手に掛けたと(誤解)されていたコットン・ウェアリーか。
前作を観た人は、メインキャラクターを容疑者から外すと思うので、そうなると怪しいのは必然的にデレクかコットン……でも、そんな単純な話があるか!? いや、そもそも前作も割と単純な設定だったから、あり得るか……ここは裏をかいて意外と前作の生き残り!? というように迷走します。
なので、犯人がわかったときでさえ「えーっ、そうなの!?」と驚きました。ただ、動機そのものは(シドニーにとって)相変わらず理不尽でも、視点を変えれば納得に足るものです。
そこらへんは良かったんじゃないでしょうか。
愛着が湧き始めるゴーストフェイスのドジっ子感
前作に引き続き、今回のゴーストフェイスも安定のドジっ子炸裂。
素敵です。
もはやここまでくると、なんだか愛着まで湧き始めました。
一般的なスラッシャーホラーだと、犯人が怪物並みに強かったりするものだと思うんですが、こと「スクリーム」に関してはそれがない。
マスクをかぶったただの人間という感じです。
これは前作のとき同様。
一切の慈悲なく相手をぶった切っていく冷酷な存在でありながらも、ときに失敗(?)したり、ときに反撃を食らったりという部分については、かなり人間味を感じさせてくれます。コメディー要素ばっちり。
このあたりも、ホラー映画のセオリーを(良い意味で)茶化す「スクリーム」ならではの演出でしょう。
中の人は違うとわかっているのに、毎回ドジっ子なゴーストフェイスに徐々に愛着が湧いてきます。転んだりするのがめちゃくちゃ可愛い。
ネタにされるホラーあるある
前作でも「ホラー(映画)あるある」を茶化していた「スクリーム」ですが、今回もそれに負けず劣らず(良い意味で)茶化していましたね。
なにより笑ったのは、映画の続編(2作目)が面白かった試しがないというのを、ネタにしているところ。
いや、本当にそうなんです。
どんなに面白い映画でも、続編は失速しがち。
特に、3部作の2作目なんかはその傾向が強いように感じます。この設定を逆手に取って、茶化すことでコメディー要素を盛り込んでいるのだから、その手腕はお見事としか言いようがないですよね。
(日本人にとって)リアリティーがない冒頭部分のどんちゃん騒ぎ
最初の犠牲者が出る冒頭部分。
2年前にウッズボローで起きた事件(ビリーたちが起こしたもの)をもとにゲイルが執筆した本を映画化した「スタブ」という作品の試写会会場で、ゴーストフェイスに紛争した観客が盛り上がりに盛り上がっていたため、本物のゴーストフェイスが目の前で人を刺しても誰も気がつかなかったという設定でしたが。
これ、日本人にはなかなかピンとこないのではないかと感じました。
だって、これが例えば日本だったら、熱狂的なファンが集まっているからといっても、上映中に立ち上がったり口笛吹いたり大声で叫んだり……こんなの、あり得ます?
まあ、確かに海外(国による)の映画館では、要所要所でそれぞれ笑ったりがっかりした声を出したり、日本の映画館よりはるかににぎやかだとは思います。
今回のこれも、海外ならではの設定ですね。
ただし、どんなに騒がしかったとしても、実際に人がめった刺しにされているのに誰も気づかないなんてことあるか……? とは、どうしても思ってしまいます。ここらへんは「スクリーム」ならではのご愛嬌というか、突っ込みどころというか。大目に見ましょう。
映画「スクリーム2」が好きな人におすすめの作品
映画「スクリーム2」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- サプライズ(2011)
- チャイルド・プレイ~チャッキーの狂気病棟~(2017)
- ハロウィン(1978)
- ハッピー・デス・デイ(2017)
まとめ:前作の雰囲気を完全に踏襲した良作
前作の「スクリーム」が好きなら、きっと気に入る作品です。
主人公は変わらずシドニー。こうも短期間で狙われるシドニー(しかもとばっちり)は可哀想ですが、あのか弱い少女のような姿から羽ばたき、どんどん強くなっていく様子を見守るのも醍醐味のひとつです。
負けるな、シドニー!