突然ですが、私はB級映画が好きです。
実験的な作品が多く、大作にはなかなかない斬新な内容のものも多いですしね。チープさはあるものの、それさえも魅力だったりします。
というわけで、今まで観てきたB級映画の中から、おすすめをいくつか選んでご紹介します。
本記事は2025年08月07日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
【洋画】やっぱりこれ!チープさもある意味魅力なB級映画のおすすめ8選
チープささえも魅力へと変えてしまうB級映画! 自分の好みから外れたものに当たっても「逆に面白い(笑)」と楽しめるのが◎。ちなみに順不同です。
ハウス・バウンド(2014)

ハウスバウンド
個人的に「一番好きなB級映画は?」と聞かれて、パッと頭に思い浮かぶのがこちらの作品です。
ニュージーランド発のホラー映画。映画「M3GAN/ミーガン」(2022)を手掛けたジェラルド・ジョンストン監督の長編デビュー作だそうです。
いや、長編デビュー作でこれはだいぶクオリティー高いな……と思った作品。
ただ、前半はとにかく耐えろ! な作品でもあります(笑)。後半からは勢いを増して面白くなってくるんですけれども。
で、基本的に登場人物はみんなどこか変です。周囲にいたら「あの人、悪い人ではないんだけどね……」とか言われるタイプ。序盤はイライラする人物ばかりなんだけど、そのうちなんだか愛着が湧いてくるというか、憎めないようになっていくんですよね。このあたりの演出は見事。
とりあえず、母親がラジオ番組に「うちに幽霊が出るみたいなの……」と電話していたらどうする? っていう感じのお話。ハウスホラーですね。最後には「なるほど、新しい……(笑)」ってなってしまいました。
映画「ハウス・バウンド」のあらすじ&感想はこちらからどうぞ >>>
タイトル:ハウス・バウンド
製作年:2014年
製作国:ニュージーランド
ジャンル:ホラー、サスペンス、コメディー
監督:ジェラルド・ジョンストン
キャスト:モルガナ・オレイリー、リマ・テ・ウィアタ、グレン=ポール・ワル、他
ジーパーズ・クリーパーズ(2001)

ジーパーズ・クリーパーズ(字幕版)
23年に一度、23日間人々が消えるという都市伝説にまつわるホラー映画。
都市伝説をモチーフにした映画は数多くありますが、本作はクリーチャーものですね。「おま、余計なことしなければ……」な展開が多く、サラッと観るのにおすすめ。好奇心は身を滅ぼす。ちなみに、主人公姉弟はまあまあの他責思考なので、その辺は妙にイラッとします(笑)。
でも、そのせいで行く先々の人々をぜーんぶ道連れにしていくので、それはそれで面白かったりする。
個人的にはクリーチャーのビジュアルがとても好きでした。
映画「ジーパーズ・クリーパーズ」のあらすじ&感想はこちらからどうぞ >>>
タイトル:ジーパーズ・クリーパーズ
製作年:2001年
製作国:アメリカ
ジャンル:ホラー
監督:ヴィクター・サルヴァ
キャスト:ジーナ・フィリップス、ジャスティン・ロング、他
ザ・ハント(2020)

ザ・ハント (字幕版)
混沌とした感じが非常に面白い。
見知らぬ場所で目覚めたと思ったら、銃声が響き、次々と――というお話。序盤「主人公、誰?」状態になるのがさすがすぎる演出でした。「あ、主人公はこの人か」と思ったら脱落し「え、じゃあこの人?」と思ったらこれも違う、みたいなカオス状態が、まさに登場人物たちの「何が起きているの?」を表しているようで。
戦う強い女性が好きな人におすすめ。映画「ハンガー・ゲーム」(2012)とか。あれよりもだいぶ泥臭い雰囲気ではあるけど。
ちなみに「エマ・ロバーツの無駄遣い!(褒め言葉)」ってなりました。
映画「ザ・ハント」のあらすじ&感想はこちらからどうぞ >>>
タイトル:ザ・ハント
製作年:2020年
製作国:アメリカ
ジャンル:ホラー、スリラー
監督:クレイグ・ゾベル
キャスト:ベティ・ギルピン、ヒラリー・スワンク、エマ・ロバーツ、他
キラー・ナマケモノ(2023)

キラー・ナマケモノ
もうね、アルファが可愛すぎる。
映画「コカイン・ベア」(2022)や「ドラッグ・ゲイター」(2023)などをはじめとするアニマルパニックものの作品です。タイトルから想像できるように、メインはナマケモノ。
本作のナマケモノはなんとパペット! 名前は「アルファ」。
アニマルパニックものの映画というと、CGが多用されているイメージが強いですが、あえて人力のパペットにしたそうです。その分愛嬌なんかが強調されていて、怖い存在でありながらも「可愛いー!」ってなってしまうんですよね。
このアルファ、SNSは使いこなすし、車の運転もします(笑)。賢くて可愛い。
このアルファを女子寮に招き入れてしまったがために、しっちゃかめっちゃかになるというお話でした。でも、最後まで観てもやっぱりアルファは可愛い。
ちなみに、人間サイドで言うと、謎に日本刀を所持している主人公の親友ゼニーが好きでした。
映画「キラー・ナマケモノ」のあらすじ&感想はこちらからどうぞ >>>
タイトル:キラー・ナマケモノ
製作年:2023年
製作国:アメリカ
ジャンル:ホラー、スリラー、コメディー、パニック
監督:マシュー・グッドヒュー
キャスト:リサ・アンバラバナール、シドニー・クレイヴン、ビアンカ・ベックルズ=ローズ、オリヴィア・ルーリエ、他
ハロウィン・キラー!(2023)

ハロウィン・キラー!
Amazon Prime独占配信だった作品。
映画「ハッピー・デス・デイ」(2017)や「ザ・スイッチ」(2020)とかが好きならハマるかもしれないホラー。
母親の命を何者かに奪われた主人公が、母親の高校時代(80年代)にタイムスリップして――というお話。
本作において、個人的に興味深いなと思ったのは、80年代の文化や習慣が批判的に描かれているところ。今の社会は、昔に比べて良くなったところも悪くなったところもあると思うんですけれども、そのダメなところをわざわざ指摘する作品ってあまりないような気がするんですよね。
うっすら示唆するようなものはあっても、本作のようにわかりやすく「これ、完全にアウトだったよね」と否定するような。
例えば、主人公が男の子に触れられそうになった時には「Unwanted touch!」と言って拒否しています(正確な言い回しは忘れてしまったけど)。「それは不本意な接触です」と明確にNOを示す。80年代は「これぐらい」と見逃されてきたことでもあるのかもしれないなと感じます。
こういう「昔は良かったと言う人もいるけれど、ダメなところから目を逸らしてはいけないよ」みたいなメッセージ性がとても良かったです。
っていうか、今の母親がそのまま若くなった姿を想像していたら、人物像がまったく違うのは面白い(笑)。こうなると、自分の親の学生時代がどんなふうだったのかもちょっと気になりますね。
映画「ハロウィン・キラー!」のあらすじ&感想はこちらからどうぞ >>>
タイトル:ハロウィン・キラー!
製作年:2023年
製作国:アメリカ
ジャンル:ホラー、スリラー、コメディー
監督:ナーナチカ・カーン
キャスト:キーナン・シプカ、ジュリー・ボーウェン、オリヴィア・ホルト、ニコラス・ロイド、他
コカイン・ベア(2022)

コカイン・ベア (字幕版)
先にタイトルだけ出てしまいましたが「コカイン・ベア」(2022)も本当に好き。
クマをモチーフにしたアニマルパニックものですね。タイトルからなんとなく想像できるかもしれませんが、コカインを飲み込んでしまったクマさんが大暴れするお話。
ちなみに、本作のエリザベス・バンクス監督は「ピッチ・パーフェクト2」(2015)を手掛けた人でもあります。うーん、振れ幅がすごい(笑)。
終盤のクマさんの登場シーンがとてつもなく格好良いです。
定期的に観たくなる映画。ストーリー自体はフィクションであるものの、実際に起きた事件から着想を得たということらしいです。B級アニマルパニックと言えば! みたいなところある。
映画「コカイン・ベア」のあらすじ&感想はこちらからどうぞ >>>
タイトル:コカイン・ベア
製作年:2023年
製作国:アメリカ
ジャンル:スリラー、コメディー
監督:エリザベス・バンクス
キャスト:ブルックリン・プリンス、クリスチャン・コンベリー、ケリー・ラッセル、他
ゾンビーバー(2014)

ゾンビーバー [DVD]
サメ映画同様、もはやひとつのジャンルとして確立しているゾンビ映画ですが。
本作は(タイトル通り)ゾンビがビーバーになっちゃった! というやつです。
NOスマホ、NO男子をルールに、湖の近くのコテージで女子キャンプを開催しようとしていたところ、友人の男子グループが合流してきて――というお話。まず「この人ら、なんでこの雰囲気でキャンプしようと思ったの?」と言いたくなるようなギスギス感が面白い(笑)。
ゾンビーバーに噛まれると、ゾンビ人間、もといゾンビーバー人間に。
ゾンビ人間になら通じるであろう手も、ゾンビーバーには効かなかったりする。ポストクレジットがあって、エンドロールのあとまで楽しめる系の作品になっています。
映画「ゾンビーバー」のあらすじ&感想はこちらからどうぞ >>>
タイトル:ゾンビーバー
製作年:2014年
製作国:アメリカ
ジャンル:ホラー、パニック、ゾンビ
監督:ジョーダン・ルビン
キャスト:レクシー・アトキンス、コートニー・パーム、レイチェル・メルヴィン、他
YUMMY ヤミー(2019)

YUMMY/ヤミー(字幕版)
ベルギー発のゾンビ映画です。
正直、ベルギーにはあまりゾンビ映画の印象がなかったんですが、意外としっかり作り込まれているなという印象でした。
まず、主人公が胸が大きいことにコンプレックスを持っていて、胸を小さくする美容手術を受けるために病院を訪れるという設定からして斬新で、面白い。送ってきてくれた恋人が「本人が悩んでいるんだから……」と賛成しつつ、実はちょっとやめてほしそうなのも面白い。
でも、女性としては割と切実な悩みでもあると思う。好きな洋服を着ると太って見えてしまったり、特に若いうちは異性にからかわれたり。走ったり激しい動きをしたりすると痛いなんていうこともある。
で、この病院が実はヤバいことをしていて、ゾンビが発生してしまう――というお話ですが。ゾンビにやられるパターンはもちろんありますが、思いのほかヒューマンエラーが多くて笑ってしまいます。
ゴア的表現が丁寧な印象でした。
映画「YUMMY ヤミー」のあらすじ&感想はこちらからどうぞ >>>
タイトル:YUMMY ヤミー
製作年:2019年
製作国:ベルギー
ジャンル:ホラー、スリラー、ゾンビ
監督:ラース・ダモワゾー
キャスト:マイケ・ネーヴィレ、バート・ホランダース、アニック・クリスティアンス、他
まとめ:B級映画の可能性は無限大!
いや、ほんと。
観れば観るほど「B級映画の可能性は無限大だな」って思いますよね。世の中にはこんなにたくさんの映画があるのに、アイデアを尽きることなく出せる人たちがいる。
例えばサメ映画みたいに、「いい加減、もうネタも尽きるだろう」みたいなジャンルでも、やはり次から次へと新しい作品が登場しますもんね。そうして頑張っている人たちに感謝したい気持ちでいっぱい!