
バービー
「バービー」の感想です。
実際に鑑賞したのは結構前なんですが、諸々思い出しながら感想を書いていきたいと思います。
ポリコレ自体は嫌いじゃないのに、ポリコレ臭が強すぎて少し苦手だなあって思った記憶。まあ、これはこれで思惑のうちかもしれないんですが(極端な思考はいけないよっていうね)!
本記事は2025年06月07日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
ポップでキュートな完璧な世界へようこそ!……え、これがすべてじゃない?
作品情報
タイトル | バービー |
原題 | Barbie |
ジャンル | コメディー、アドベンチャー、ロマンス、ヒューマン |
監督 | グレタ・ガーウィグ |
上映時間 | 114分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2023年 |
公開年(米) | 2023年 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
夢のような世界「バービーランド」でハッピーに暮らすバービー。しかし、ある日、自分が完璧な存在ではないことに気がついてしまう。そこで一風変わったバービーに相談したところ、現実世界でバービー人形を持っている子どもに何かあったのかもしれないと教えられる。バービーは現実世界に行ってみることにしたが、そこにボーイフレンドのケンもついて来てしまい――。
主な登場人物
(敬称略)
バービー
(演:マーゴット・ロビー)
「バービーランド」で幸せに暮らすバービー。ある時から、かかとが地面につくなど、バービーとしては完璧な存在でなくなってしまい、変わり者バービーの助言に従って現実世界へと旅に出る。
ケン
(演:ライアン・ゴズリング)
バービーのボーイフレンド。バービーに好意を寄せているが、バービーは軽くあしらっている。バービーが現実世界へと向かう際に同行する。
変てこバービー
(演:ケイト・マッキノン)
変わり者のバービー。主人公であるバービーに相談を持ちかけられた際に、現実世界のことを伝えた。
サーシャ
(演:アリアナ・グリーンブラット)
現実世界でバービーを所持している10代の少女。人形遊びをする年齢は過ぎ、今はバービーに対して嫌悪感を持っている。
グロリア
(演:アメリカ・フェレーラ)
サーシャの母親。
映画「バービー」の感想
映画「バービー」の感想です。世界観自体はとても可愛らしく、まさにバービー! という感じだったのですが、私にはあまり刺さらなかったかなあ。
ピンクでキュートな世界観
まず、バービーらしいピンクでポップな世界観。
ただひたすらに陽気で、「しーんぱーいないさー!」という声が聞こえてきそうな(笑)感じでした。これはとても好きだった。
私自身は、バービーと遊んだことはないのですけど、それでも小さい頃から知っていたバービー人形。想像していた通りの世界で、ちょっとわくわくします。
ライアン・ゴズリングはやっぱりすごい
あと、本作で大きな存在感を放っていたのは、やはりライアン・ゴズリング(バービー役のマーゴット・ロビーにも負けず劣らず)。
これは2023年の作品ですから、ライアン・ゴズリングももう40歳を越えているはずですよね。それであの腹筋。素晴らしい肉体。いや、もう……すごいです(語彙力)。
ライアン・ゴズリングと言えば、個人的には「ラ・ラ・ランド」(2016)とか「きみに読む物語」(2004)とかの、割としっとりした役柄のイメージが強かったんですが、ちょっとコミカルな役もだいぶイケますね。これは。ケン役もなかなか様になっていて素敵でした。
ザ・ポリコレ(※ポリコレが駄目とは言っていない)
先述したように、世界観は好きだったけど。そう、けど、って感じでした。
めちゃくちゃポリコレだった。
別にポリコレ自体が悪いと言っているのではなくて。むしろ、適度なポリコレならそれはまあ良いよねって思うし。なんていうか、本作の場合、押しつけがましさを感じたんですよね。「これ以外の意見は認めません」的な。なので、少し「おおっ……(引)」となってしまった。
たぶん、主張が強すぎたからだと思います。
個人的に、劇中に登場するキャラクターにセリフとして主張を全部言わせてしまったのが「押しつけがましいな」と感じた原因のひとつだったかも。考察する系映画は好きんですが、セリフとして全部一気にバーッと言われると、それ以外の主張は認めません! と言っているように感じてしまう。
多様性が謳われる今だからこそ、何を主張するかぐらい自分で選ばせてくれよ、みたいな。
女として、男としての生きづらさ
とはいえ。
確かに、私は女ですし、女としての生きづらさみたいなものは理解できます。
過去を思い返してみると、生きてきた中で一番衝撃を受けた言葉があって。
学生時代の男友達に、「なんでそんなに勉強するの? 俺が女だったら、さっさと結婚して楽するわ」と。……え? いや、え? なんですよ。対等に付き合っているものだとばかり思っていたし、その人にもまったく悪気がなさそうだったので、びっくりして「結婚して楽できるとは思えないけどね……」としか言い返せなかった(悔やまれる)。
こう、女という生き物をうっすら下に見ているのだな、と思ったのですよね。
他にも、私はあまり記憶にないけど(だから言われていなかったのかもしれない)、小さい頃に「女の子なんだから言葉遣いに気をつけなさい」「女の子なんだから足を開いて座らないの」みたいなことを言われたことがある人は多いと思います。中には、兄や弟には何も言わないのに、女である自分にだけ「(料理を)手伝って!」と台所に呼ばれたことがあるという人もいるんじゃないでしょうか。
もうこの時から女の生きづらさは始まっているんですよね。
だけど、当然そこには男の生きづらさもあるはず。
例えば「男なんだから泣かないの」とか。泣いたっていいじゃんって思うけどね。泣くのに男も女も関係ないよって。涙に関することなら、女だと逆に「女はいいよな、泣けば済むと思っている」なんて言われることもあったりするし。
本作では、バービーランドが女性優位、現実世界が男性優位の社会として描かれていました。こう、客観的に見るとどちらも「ひでえや……」って思いますね。
有害な男らしさ
で、本作で初めて知った言葉がありまして。
それは「有害な男らしさ(トキシック・マスキュリニティ)」というもの。初めて聞いた時は「なにそれ!?」って思いましたよ。
まあ、文字通りの意味で、男らしさは男らしさでも、有害な方面での男らしさということらしいですね。
例えば、かつての日本では一家の大黒柱というと、多くの場合、男性でした。男性はリーダーとして家族を引っ張り、女性はそれに従い、補佐する存在であるというイメージが強かったと思います。でも、男らしくリーダーシップを取るだけでなく、家族を支配する(家族より優位に立つ)ためにそこに暴力が加わってしまったら。
たぶん、そういうのが有害な男らしさ(有害な男性性)というものなのだろうと、私は理解しました。
正直、いまいちだなあなんて観ていたんですが、こういう新しい言葉との出合いがあったのは良かったですね。
ジェンダーの平等を謳うにはちょっと……
と、まあ、女性優位、男性優位の社会、両方を見せてくれた本作でしたが、正直、ジェンダー平等を謳うにしてはちょっと深みが足りなかったような気がします。
その辺、物足りなかったかな。
たぶん、バービーの世界観が非常にポップだったことが原因だと思うので、仕方のないことかもしれないんだけど。どうしても表面をなぞっているように見えてしまって、個人的にはそこまで共感はできませんでした。
映画「バービー」が好きな人におすすめの作品
映画「バービー」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ロシュフォールの恋人たち(1966)
- ピッチ・パーフェクト(2012)
- キューティ・バニー(2008)
- ドント・ウォーリー・ダーリン(2018)
まとめ:キャストは最高!
ストーリー的には、いまいち私には刺さらなかったんですけれども、キャストは素晴らしかったです。ライアン・ゴズリングといい、マーゴット・ロビーといい、素敵な俳優さんが勢ぞろい!
何も考えず、ただ観ている分にはとても良い作品でした。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 88% Popcornmeter 83%
IMDb
6.8/10
Filmarks
3.6/5.0