
Rv
映画「ジュマンジ」(1995)などで知られるロビン・ウィリアムズ主演の作品です。
「RV」。
個人的には、面白いよりちょっぴり不快感が勝ってしまった映画。でも、ロビン・ウィリアムズだからこそ演じられた役柄であったとも思いました。
本記事は2025年05月11日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
キャンピングカーは万全の状態で貸し出してください(切実)。
作品情報
タイトル | RV |
原題 | RV |
ジャンル | コメディー、ヒューマン |
監督 | バリー・ソネンフェルド |
上映時間 | 99分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2006年 |
公開年(米) | 2006年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
子どもたちが幼い頃は感じられていた家族の絆も、今やバラバラ。当初予定していたハワイへの家族旅行が、会社の都合でなくなり、上司の命令でコロラドへ向かわなければならなくなったボブ。家族に失望されたくないボブは、仕事の都合であることを隠して、家族にキャンピングカーでのコロラド旅行を提案するのだった――。
主な登場人物
(敬称略)
ボブ・マンロー – Bob Munro(演:ロビン・ウィリアムズ)
マンロー家の大黒柱。家族の絆を取り戻すため、キャンピングカーでのコロラド旅行を提案する。
ジェイミー・マンロー – Jamie Munro(演:シェリル・ハインズ)
ボブの妻で専業主婦。ハワイ旅行を楽しみにしていたが、結局コロラドについて行くことに。
キャシー・マンロー – Cassie Munro(演:ジョジョ)
ボブとジェイミーの娘。反抗期に入り、父親のことを邪険にしがち。
カール・マンロー – Carl Munro(演:ジョシュ・ハッチャーソン)
ボブとジェイミーの息子で、キャシーの弟。思春期真っ最中ではあるものの、キャシーに比べると父親寄りの立場。
映画「RV」の感想
映画「RV」の感想です。ロビン・ウィリアムズ主演ということで鑑賞しましたが、正直、あまり刺さらなかった……かもしれない!
ロビン・ウィリアムズのコメディー作品
ロビン・ウィリアムズといえば、やっぱりコメディー映画! 「ジュマンジ」(1995)とかもそうでしたね。
本作も、一応ヒューマンドラマではありつつも、コメディーに全振りしたという感じでした。ただ、正直、かなり好き嫌いには分かれると思う。
私にはあまり刺さらなかったなあ。残念。
でも確かに、ロビン・ウィリアムズ以外には演じられなかった役柄ではあるかもしれない。
不快感がちょっぴり勝る
なんていうか、やりたいことはわかるんだけど、面白いより不快感がほんのわずかに上回る感じの出来でした。やっぱりこのあたりのバランスって難しいのでしょうね。
海外作品だと特に、めちゃくちゃ際どいところ攻めてくるなあみたいな演出も多いし。これ、一歩間違えれば炎上騒ぎやで、みたいな。
本作は家族の絆を取り戻すために頑張るお父さん! がメインとなっていましたが、あまりにメインにしすぎて(?)お父さんがちょっと可哀想だった。胸が痛くなった。味方がゼロすぎて「もうちょっとお手柔らかに……」と言ってあげたくなる。ところどころ、可哀想すぎて観るのをやめたくなるレベルのものもあったし(頑張って観た)。
というのも、ほぼほぼお父さん視点でしか語られないので、こんなに頑張っているお父さんを邪険に扱う家族という構図になってしまっていたんですよね。百歩譲って、娘と息子は思春期や反抗期なのだとしても、奥さんはちょっとねと。
幼い頃の仲睦まじさから、今の状態に至るまでにどんな経緯があったのかをもう少し語ってくれたら、単純に「頑張れ、お父さん!」という気持ちになれたかもしれないのに。それか、奥さんや娘、息子視点を増やすとか。
ありふれた家族の形
でも、こういう家族の形はありふれているんだとも思いました。本作での家族は、まあ、やりすぎな部分もありましたが。
誰にとっても完璧で平等な家族って、そりゃあ理想ですけど、ファンタジーの一種ですものね。誰かがちょっと多めに愛していたり、ちょっと多めに頑張っていたり、ちょっと多めに理不尽を受けていたり。それが全部同じ人物であるとは限らないし、お父さんである必要も当然ないのですが。そうした不安定な要素を持ちながらも、なんだかんだでうまくバランスを保っているのが家族というものなんだと思います。
だから、崩れるときは一瞬なんだとも。
それを考えたら、崩れてしまう前に気付いて、手放したくないと足掻くことができたボブはまあまあやる男です。
煽られる警戒心
また、劇中に登場したゴーニキー家も、絶妙に嫌な感じを出していてとても良かったですね。
特にあのお母さん。
私も昔、あんな感じでネットワークビジネスに誘われたことがある(しかも超強引だった)ので、反射的に「この人苦手!」と思ってしまいましたが。結果的には良い人そうでした。
ゴーニキー父も、彼らの子どもたちも全員怪しく見える……と思いきや、息子はかなり優秀っぽかったし、人は見た目や主観的な印象だけで「こういう人」だと決めつけてはいけないということでしょうね。確かに、善意100%なのだとしたら、マンロー家のほうがだいぶ失礼なことをしている(笑)。
でも、第一印象ってやっぱり大事というか、すべてだよねとも思う。就活をしていた時にも、面接対策の授業で習いましたし。第一印象は見た目(視覚情報)で決まるから、身なりはしっかり整えておきなさい。第一印象は3~5秒で決まるよ、と。
別に清潔感がないとかそういうわけじゃないのに、「なんかわからんが怪しい……」と思わせるゴーニキー家。このあたりの描写は実に絶妙で、素晴らしかったです。
食事中にはおすすめしない
ちなみに、食事中に鑑賞するのはおすすめしません。いや、食事中でなくとも「うわあ……」とはなったのですけれど。うん(ピー)の描写があります。あるというか、長い。あのくだり、そんなに必要? と思うほど、長い。
どうだろう。幼稚園児とか小学生とか。子どもなら喜ぶのかな、あれ。
私は子どもの時、そういうワードではしゃいだりはしなかったんですが、そういう子って結構いますもんね。
家族のためと言いながら……
本作での主人公は、仕事第一で家族のことを疎かにしてきてしまったお父さん、という設定(たぶん)。普通なら「じゃあ、ある程度邪険にされても仕方ないよ」というところではあるんですが、その描写がほとんどない&すべてはボブ視点なので、どうしても「こんなに馬鹿にされて可哀想(涙)」になってしまうわけです。
仕事も家族も失いたくない! 一心で、旅行先で資料を作成したり、こっそり会議に出席したり。それだけで、酷いブラック企業に勤めていたことがわかります。
仕事を失えば、家族を養えなくなる。家族を養うには、必死に仕事をしなければならない。そんな板挟みの中、いつしか仕事仕事になって、仕事と家族の関係が逆転していることって、現実にも間々あることな気がします。家族を失ってから、「あれ、なんであんなに頑張って仕事をしていたんだっけ?」って気がつくみたいな。
ボブの場合は、自分が捨てられる前に気がつけた。良かったね。
映画「RV」が好きな人におすすめの作品
映画「RV」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- キンダガートン・コップ(1990)
- ミラクル・ニール!(2015)
- ロジャー・ラビット(1988)
まとめ:好きな人はたぶん好き
個人的には、面白さより不快感が微妙に勝ってしまったところはありましたが、好きな人はたぶん好きなんだろうなと思わされる内容でした。
なにより、ロビン・ウィリアムズにしかこの役は演じられなかったと思う。エンドロールまで楽しめるのも良かったです。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 23% Popcornmeter 46%
IMDb
5.6/10
Filmarks
3.4/5.0