
罪人たち
映画「罪人たち」の感想です。
ホラーかスリラーだと思って見始めたので、中盤あたりまでは「ん? これ、合ってる?」と思う展開が続きました(笑)。
ここが少しばかり長かった印象だけれど、中盤以降の盛り上がりったらありませんでしたね!

映画「罪人たち」の見どころは……
- 恐怖の対象でありながら、魅力的な存在としても描かれたヴァンパイア。
本記事は2026年10月17日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
作品情報
あらすじ
1930年代、アメリカ南部。シカゴから故郷の田舎町に戻ってきた双子の兄弟(スモーク&スタック)は、一攫千金を狙い、ダンスホールをオープンすることに。開店初日、スモークとスタックは旧友や家族を呼び寄せ、歌って踊ってとみんなで楽しむのだが、そこに招かれざる客がやって来て……。
主な登場人物
(以下、敬称略)
スモーク
(演:マイケル・B・ジョーダン)
本名はイライジャ・ムーア。スタックの兄。敵と見做した相手には容赦がない。アニーの夫。
スタック
(演:マイケル・B・ジョーダン)
本名はイライアス・ムーア。スモークの弟。メアリーの元恋人。
メアリー
(演:ヘイリー・スタインフェルド)
スタックの元恋人。母親を亡くし、葬儀を終えたばかり。
サミー・ムーア
(演:マイルズ・ケイトン)
通称プリーチャー・ボーイ。ブルースの才能を持つ。父親は牧師で、ムーア兄弟の従兄弟。
アニー
(演:ウンミ・モサク)
スモークの妻。過去に、スモークとのあいだにできた子を亡くしている。そのことで、スモークとは疎遠になっていた。
パーリン
(演:ジェイミー・ローソン)
歌手。サミーとなんやかんやで盛り上がる。
デルタ・スリム
(演:デルロイ・リンドー)
優れたハーモニカ奏者。ムーア兄弟と旧知の仲で、ダンスホールのオープンに伴い、初日の演奏を依頼される。
グレース・チョー
(演:リー・ジュン・リー)
中国系アメリカ人で、ボーの妻。一人娘がいる。
ボー・チョー
(演:ヤオ)
中国系アメリカ人で、グレースの夫。一人娘がいる。
レミック
(演:ジャック・オコンネル)
アイルランド出身(らしい)。仲間と共にダンスホールを訪ねてくる。
映画「罪人たち」の感想
映画「罪人たち」の感想です。中盤以降、味がしてくるタイプの映画でした。序盤は割と混乱した(笑)。
ありがちなモンスターパニックではない
人間だけで楽しんでいたら、招かれざる客がやって来て……というのは、モンスターパニックとしてありがちな筋書きですが。
本作は、そんなありがちな筋書きから一歩外へ出た作品でした。
面白かった!
正直、中盤あたりまでは「ん? モンスターパニック……か?」と戸惑ったんですけれども、中盤からの怒濤の展開がとてもよかったですね。
黒人差別の歴史と黒人の描かれ方
また、1930年代の話なので、黒人差別の話も登場します。
当然のように、白人至上主義を掲げる「KKK(クー・クラックス・クラン)」の名前が出てきますし。白人専用トイレなんていうものが描写されたのはなかなかに衝撃的。排泄って、人間の尊厳に関わる重要な部分だと思うので、それが自由にできない=人間扱いではないということを想像させられます。
じゃあ、黒人=無垢(完全なる被害者)なのかというとそんなこともなくて。
少なくとも、劇中では、ムーア兄弟はシカゴのマフィアから奪った金を元手としてダンスホールをオープンさせている。これはお世辞にも綺麗な金とは言えない。
当然、片方にも非があるから差別をしてもいいということにはならないんですが、社会的に見れば、ムーア兄弟も「罪人」なんだと思います。たぶん、本作に登場したキャラの多くがなにかしらの罪を犯しているんじゃないかな。
例えば、歌手のパーリン。この人は既婚者でありながらサミーと親しくなった。中国系アメリカ人のグレースなんて、ヴァンパイアを店の中に招き入れた張本人(事情があるとはいえ、こいつ何? と思った)。
他の作品にはあまりない黒人の描かれ方で、興味深かったです。
中盤まで待て!
先述したとおり、中盤までは「ん? モンスターパニック……か?」となります。
最初の1時間ぐらいは黒人差別などの当時あった社会問題やら、ヒューマンドラマやらが細かく描かれるので、妙に肩透かしを食った気分になります。
が、中盤以降、雰囲気ががらりと変わる。
特に、グレースがヴァンパイアたちを店に招き入れてから。もうね、「この人数で、これだけ多くのヴァンパイアに勝てるわけなくない!?」という絶望感がすごかった。
個人的に、最初はヒューマンドラマとモンスターパニックがうまく噛み合っていなくてごちゃごちゃしているなという印象だったんですが、序盤の描写があったことで、終盤のスモークとスタックのシーンに深く感情移入することができました。
最後まで描かれた家族愛
そう、スモークとスタックの家族愛(兄弟の絆)も、本作で描かれたメインのひとつ。
というか、この映画に出てくるヴァンパイアって、話が通じるタイプのモンスターなんですよね。これがまず珍しくて、面白い。人間同士のように会話ができるし、ヴァンパイアにも感情がある。
ヴァンパイア集団のリーダー・レミックが(確か)グレースに「今なら(ヴァンパイアにするのに)痛くしないから、出ておいでよ」的なことを言っているのを聞いて、まあこれは正直、揺れるなと思ってしまった。嘘の可能性も普通にあるけど(笑)、終盤のスタックのスモークに対する態度を見ると、グレースの夫ボーがグレースを愛していれば、本当に痛くしないでくれるかもという希望は持てる。
このグレースがヴァンパイアを店に招き入れたのは娘を思ってのことなので、これも家族愛。スモークとスタックのあいだにあったものも。アニーもずっと亡き娘を深く思っていた。
つまり、家族愛は時に身を滅ぼし、時に身を救うということですね。そして、悲しみにも、怒りにも、喜びにもなる。家族愛は偉大。
音楽は世界の共通言語
あと、音楽は世界の共通言語なんですよ、やっぱり。
国の違いだけではない。種族が違っても通じ合える。たぶん。
ヴァンパイアが大勢で歌い、踊るシーンは圧巻そのもの。リーダーがアイルランド出身のレミックだからか、しっかりアイリッシュ・ダンスになっていましたね。あんなに楽しい光景を見せられたら、正直、「ちょっと混ざりたいかも……」と思うよな(笑)。ヴァンパイアがここまで魅力的に描かれるのも珍しいのではないか?
怖いけど、魅力的。
人間にとって敵なのは間違いないんだけど、「ヴァンパイアにもいい奴はいるんだよ」と言いたくなる。人間にもいい奴、悪い奴がいるように。
純粋なホラーとは言い難いので、ひょっとしたら好き嫌いは分かれるかもしれませんが、私は好きでした。
映画「罪人たち」が好きな人におすすめの作品
映画「罪人たち」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- スクリーム 7(2026)
- ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2(2025)
- バックルームズ(2026)
- オーメン(1976)
映画「罪人たち」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年10月17日)。レンタル(有料)作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | FOD(PREMIUM) |
| × | ○ | ○ | ○ | ○ |
まとめ:格好良いヴァンパイア!
恐怖の対象でありながらも、格好良さも兼ね備えたヴァンパイアたち。
個人的には、もうね、「グレース、お前ー!」ってなりました(笑)。まあ、でも、ここでヴァンパイアたちと戦わなかった場合、町に大量のヴァンパイアが一気に放出されることになるから、これはこれでよかったのか……?
終わり方も最高でした。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 97% Popcornmeter 96%
IMDb
7.5/10
Filmarks
3.9/5.0


