
28週後… (字幕版)
「28週後…」の感想です。
映画「28日後…」(2002)の続編。主人公は異なるので、まあ、単体で観てもなんとなく意味はわかるような気がします。個人的には前作のほうが圧倒的に好きだけど、アクションシーン多めが好きな人にはこちらのほうが向いているかもしれない。
ただし、登場人物にはもれなくイライラします!(笑)約2名を除き!
本記事は2025年06月19日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
感極まって愛情を示そうと思っただけなのに。
作品情報
タイトル | 28週後… |
原題 | 28 Weeks Later |
ジャンル | ホラー、スリラー、ヒューマン、パニック、ゾンビ |
監督 | フアン・カルロス・フレスナディージョ |
上映時間 | 104分 |
製作国 | イギリス |
製作年 | 2007年 |
公開年(英) | 2007年 |
レイティング | ― |
個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
レイジウイルスの感染者が続出し、一時は壊滅的な状況に陥ったものの、生存者たちが暮らす保護区域内では復興が進められていた。隠れていたところを感染者に襲われ、追い詰められた妻を見捨てるようにして逃げ出してしまったドンも生存者のひとりだ。そこに、修学旅行でスペインを訪れていたことで危機的状況を逃れた2人の子どもたちが帰ってくる。再会を喜ぶ家族だが、ドンはどうしても子どもたちの母親を見捨てたことは言えなかった。しかし、そんなドンのもとに「妻(子どもたちにとっては母親)が見つかった」という連絡が入り――。
主な登場人物
(敬称略)
ドナルド・ハリス
(演:ロバート・カーライル)
通称「ドン」。妻や他の生存者と固まって隠れていたが、感染者に襲われ散り散りに。妻が寝室に追い詰められたところを、見捨てるようにしてひとり逃げ出してしまう。
アリス・ハリス
(演:キャサリン・マコーマック)
ドンの妻で、タミーとアンディの母親。感染者に襲われた際、寝室に追い詰められドンに助けを求めるが見捨てられてしまう。
タミー・ハリス
(演:イモージェン・プーツ)
ドンとアリスの娘で、アンディの姉。「(死んだはずの)母親の写真がない」と言う弟のために、保護区域外にある自宅に戻る。
アンディ・ハリス
(演:マッキントッシュ・マグルトン)
ドンとアリスの息子で、タミーの弟。姉と共に自宅に戻ったところ、実は生存していた母親を見つける。
スカーレット・ロス
(演:ローズ・バーン)
少佐で、主席医務官。感染しながらも凶暴化しなかった「保菌者」であるアリスと血のつながった子どもたちに可能性を見て、最優先で守りながら行動する。
ドイル
(演:ジェレミー・レナー)
軍曹で狙撃手。狙撃の天才。子どもを守りたいという優しさを持っている。
フリン
(演:ハロルド・ペリノー)
ヘリコプターの操縦士で、ドイルの親しい友人。凄まじい運転技術を持つ。
映画「28週後…」の感想
映画「28週後…」の感想です。前作の良さを踏襲しつつも、前作ほどではなかったかなという印象でした。
ぐらぐらするカメラワーク(酷い)
ちょっとね、本作は「あ、これ駄目だ」って思ったところがあって。
それはカメラワーク。
なんだか緊張感のあるシーンにおいては、常にぐるぐるしていた感じでした。私の場合はなんですけど、元々三半規管があまり強くなくてすぐ乗り物酔いをするタイプなので、このぐわんぐわんした感じは苦手でした。ちょっと気持ち悪くなりそうだった。
あと、カメラが揺れすぎて何が起こっているかわからなかったというのもあります。
BGMがややしつこい
先述したカメラワークにも同じことが言えますが、何事にも程度って大事だなと思うんです。使いどころは考えたほうが、より効果的に見せられるのではないかとも思う。
でも、ぐるぐるしたカメラワークは何度もあったし、前作でも使われていたあの印象的なBGM(テーマ曲?)を多用しすぎていて「もういいって!」ってなる。ここぞというときに流れるなら、より緊張感がある演出になっていただろうけど。
このあたりは、少ししつこさを感じてしまったところです。
異種間では感染しない?
っていうかね!
私が何かを見落としているだけかもしれないんですが、本作では「異種間では感染しない」と断言されていました。
……はて? 「28日後…」の冒頭では、サルから人に感染したはずでは……? サルと人も一応異種ですよね!? と。あの元凶(すべての始まり)はいったいなんだったのか。
それとも、あの現場にいた人間が全滅したと考えると、始まりを知っている人はおそらくいないので、その後動物や虫に感染した事実が確認できなかったからそう思われているということなのか。その辺の説明が圧倒的に不足していましたね。単なるミスということも考えられなくはないけど、あの冒頭って割と衝撃的だし、かなり重要な部分だと思う。
この家族、とにかく元凶
あと、全体的な印象としては「なんて迷惑な家族!」でした。
いや、本当、イギリスのみならず、大陸にまで被害をもたらしたのはこいつらが原因だよ、と。それでいて、誰にも悪気はないからまた質が悪いというね。
まず、パパ(ドン)。
感染者たちに襲われた際に、ママ(アリス)を見捨てるという決断をした。口コミを見ると、想像した通りというかなんというか、まあまあ評判が悪い(笑)。でも、実は、個人的にはそこまで嫌いじゃなかったキャラ。なぜかというと、あの状況では仕方なかったと思えるから。
まあね、確かに「ドン!」と助けを求められて、そのうえで見捨てたということに関しては後味悪いなと思うんですが。でも、あの状況でドンが割って入っても、一緒に食い千切られるぐらいのことしかできなかったと思いますよ。「愛しているなら一緒に死んで!」ということなのかもしれないけど、それができる人ってあまり多くないような気がします。
普段から夫婦は一蓮托生だと思っているような人でも、凶暴化した人間(ほぼゾンビ)が襲いかかってくれば、恐怖心が優位になってしまってもおかしくない。その後、ドンはずっと気に病んでいるようですし、人間くさいという意味では嫌いになれませんでした。
ドンは元凶のひとりではありますが、そもそもドンのようなしがない中年男性にどこにでも入れるキーを渡してしまった軍のミスでもある(笑)。あと、隔離している女性に人のひとりもつけないで放置していること自体がもうおかしい。
悪びれない子どもたち
ただ、私がカメラワーク以外で「あ、これ駄目だ」と思ったのは、子どもたちですね。
今までの記事でも何度か書いているんですが、私自身、割と聞き分けの良い子どもだったということもあって、明らかに問題になりそうな身勝手な行動をする子どもがちょっと苦手で。ちなみに、私は単純に良い子だったというより、大人に怒られるのを極度に恐れていたというだけなんですが(笑)。
理由を説明されたうえで、保護区域外には出るなと指示されているのにもかかわらず、「パパに気付かれる前に戻って来られるから!」と抜け出す子どもたちに「なんでそんなことするの!?」となってしまいました。そこで母を見つけたのも、お手柄だけど、同時にはた迷惑でもあったというか(笑)。
まあ、アリスが再発の原因だと子どもたちは知らなかったのでしょうから、仕方ないと言えば仕方ないんですが、それを踏まえても、勝手な行動をする割に一度も謝らなかったりして、ちょっと共感できない部分が私には多すぎましたね。
唯一の良心はジェレミー・レナー(癒やし)
登場人物に感情移入できない、そんな中。唯一の良心はドイル軍曹を演じたジェレミー・レナーでした。彼は良い。本当に良かった。
映画「ピーターラビット」(2018)に出演していたローズ・バーン演じるスカーレットも、良い人と言えば良い人なんですが、地下鉄のシーンではまず「アンディ! アンディ!」と呼んでいることから、ウイルスに感染しても発症しない「保菌者」になり得る可能性がある子のほうを優先して守ろうとしているように見えるし、やっぱりそこには少なからず損得勘定(私情ではなく、国の得になるという意味)があったと思う。いざとなったらタミーよりアンディを優先させるのだろうなと。
単に「子どもだから」と守ろうとしてくれたドイル軍曹だけが、本物の良心という感じで癒やしでした。格好良い。
ただ、ドイル軍曹に対しての軍の行動は謎すぎましたね。
映画「28週後…」が好きな人におすすめの作品
映画「28週後…」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- YUMMY ヤミー(2019)
- ザ・デッド インディア(2013)
- 新感染 ファイナル・エクスプレス(2016)
まとめ:前作よりアクション寄り
ヒューマンドラマ色が濃かった前作と異なり、本作はどちらかと言えば、アクション寄りの内容だったと思います。なので、好き嫌いには分かれそう。
前作と同じものを求めている人は「ちょっと違うかも」と思うだろうし、アクション重視のゾンビ映画が好きな人は「好き!」となる気がします。
個人的には、前作のほうが好きでした。そして、ジェレミー・レナーは格好良い。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 72% Popcornmeter 66%
IMDb
6.9/10
Filmarks
3.4/5.0