YUMMY/ヤミー(字幕版)
正直、今まであまりベルギー映画というものに触れてこなかった人間なんですが。
SNS上でおすすめしていただいたので、ベルギー産のゾンビ映画を初めて観てみました。
……いやあ、面白かった。B級映画らしさはあるものの、結構しっかりゴアゴアしているし、ストーリーもブラックユーモアって感じでとても良かったです。
俄然、他のベルギー映画にも興味が湧いてきますね!
本記事は2024年07月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
明るくポップなゴア!
作品情報
タイトル | YUMMY ヤミー |
原題 | Yummy |
ジャンル | ホラー、スリラー |
監督 | ラース・ダモワゾー |
上映時間 | 88分 |
製作国 | ベルギー |
製作年 | 2019年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
昔から、胸が大きいことにコンプレックスを感じていたアリソン。そんなアリソンは、乳房縮小手術を受けるために、他の手術を受ける実母、そして恋人ミカエルと共に東ヨーロッパにある病院を訪れた。しかし、その病院にはなにやら秘密があるようで――。
登場人物
(敬称略)
アリソン(演:マイケ・ネーヴィレ)
子どもの頃から、自身の大きな胸にコンプレックスを抱いていたため、胸を小さくする手術を受けるために人里離れた病院を訪れる。
ミカエル(演:バート・ホランダース)
アリソンの恋人。無事に手術が終わったら、アリソンにプロポーズをする予定。
シルビア(演:アニック・クリスティアンス)
アリソンの実母。アリソンとは別に、脂肪吸引の手術を受けようとしている。
映画「YUMMY ヤミー」の感想
映画「YUMMY ヤミー」の感想です。人におすすめしてもらったので、最初からある程度は期待していたんですが、その期待をさらに超えてくる面白さでした。
胸を小さくする手術
珍しいというか、他にはないであろう設定。
胸を小さくしに来たら、ゾンビに襲われた――。
「え?」という感じかもしれませんが、これがまた実際にある施術なんですよね。
小さい胸にコンプレックスを抱いている人もいれば、大きい胸にコンプレックスを抱いている人もいる。悩みは人それぞれということです。どちらがいいとかではなくて、すべては本人の気持ち次第。
胸が大きすぎると、場合によっては悪目立ちするし、走ると痛かったり、普通にしていても肩が凝ったりする。なにより、例えば結婚式にお呼ばれしたときなんかでも、市販のドレス(特に背中で閉めるタイプのやつ)だと胸の部分でつかえてしまって、入らないことが多いんですよね。かといって、胸に合わせると、今度は肩幅や腰回り、丈が余ってしまうようになるので、結局は選べるドレスがめちゃくちゃ少ないという。
……なんて、愚痴のようになってしまいましたが、個人的には、アリソンの気持ちにちょっぴり共感しました(笑)
「胸を小さくしても変わらず愛してくれるか」と問いかけるアリソンに、「君が何カップでもかまわない」と言いつつも、ちょっと微妙な顔をするミカエルがリアルだなあと思いつつ。
展開自体は王道
なお、先述したように、やや特殊というか、コメディー寄りの設定ではあるんですが、そこからの展開はゾンビ映画としては王道です。
「あ、コイツ絶対やられるわ」みたいなのは、割とセオリー通りのイメージ。
なんですけれども、意外とヒューマンエラーが多かったのには、さすがに笑ってしまいました。これぞブラックユーモアという感じで好き。
美容整形外科ならではの痛々しさ
映画で珍しい設定を採用したときによく起こりがちなのが、その設定を活かしきれないということ。そうなると、「せっかくベースはいいのに……」みたいなことになりかねないんですよね。
その点、本作は美容整形外科(病院)であるという設定をかなり上手に使っていました。
ゾンビで一騒動起きている間も、そりゃあ手術中の人はいたわけで。病院中がパニックに陥る中、手術中に放置された患者が大変なことになったりとかですね。
それ以外にも、男性のアソコについて結構わちゃわちゃやっているのも面白かった。男性(のアソコ)が痛い目に遭うゾンビ映画なんて他にあるかしら、と。
この、絶妙に「痛い」ラインを突いてくるのがとてもうまかったですね。
割としっかりしたグロ
上で述べたことからもわかるように、グロというか、ゴア表現が割としっかりしています。
笑えるんだけど、痛々しい。
でも、全体的に明るくポップな雰囲気なので、精神的にキたりはしませんでしたね。痛々しく、キツめの描写も多いんだけど、ギリギリ面白いが勝つという感じ。
ヒーローは不在
ちなみに、ゾンビ映画でありがちな「なんかやたらと強いヒーロー(ヒロイン)」みたいな人はいませんでした。
「ザ・デッド インディア」(2013)と同じ。ヒーロー的なポジションにいる(はずの)ミカエルだけれど、基本的には冴えないタイプの男性で、運動神経が良さそうとか、腕っぷしが強そうとか、そういうこともない。
例えば「新感染 ファイナル・エクスプレス」(2016)のように、主人公が普通の人間でも、最終的には大活躍するパターンの作品もありますが、本作のミカエルは終始冴えない感じでした。でも、それがまたいい。こっちのほうがリアルといえばリアルなので。
あ、余談ですが「新感染 ファイナル・エクスプレス」でヒーローと言えるのは、間違いなくマ・ドンソクが演じたユン・サンファです。超クール。
本作に関しては、コメディーな部分を除けば、結構泥くさい内容だったんじゃないかと思いますね。
映画「YUMMY ヤミー」が好きな人におすすめの作品
映画「YUMMY ヤミー」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ソウル・ステーション パンデミック(2016)
- 新感染半島 ファイナル・ステージ(2020)
- ブラックシープ(2006)
- ゾンビーワールドへようこそ(2015)
まとめ:気軽に楽しめるB級ゾンビパニック
あまり気負わず、軽く楽しめるコメディー寄りのゾンビ映画でした。
普段、ベルギー映画というものをなかなか観る機会のない私にとっては、結構新鮮な気持ちで楽しめる作品だったと思います。
とはいえ、割としっかりしたグロであるうえに、胸糞な展開もあるにはあるので、そこら辺のバランスがとても良かったように感じましたね。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 71% AUDIENCE SCORE 35%
IMDb
5.9/10