
エム 絶望の世界
映画「M(エム)絶望の世界」の感想です。
子どもたちが主人公のアポカリプス映画!
正直、観る人は選びそうだなあと思ったけど、私は好きでした。ただし、スッキリするかと言われればそんなこともない(笑)。でも、なぜかちょっと泣けた。

映画「M(エム)絶望の世界」の見どころは……
- 子ども2人のロードムービー的ストーリー。
- 考察しがいのあるヒントの少なさ。
- マルコの成長。
本記事は2026年04月20日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
作品情報
| タイトル | M(エム)絶望の世界 |
| 原題 | M |
| ジャンル | SF、ホラー、ヒューマン、ゾンビ、パニック |
| 監督 | バルダン・トジヤ |
| 上映時間 | 103分 |
| 製作国 | 北マケドニア、コソボ、クロアチア、フランス、ルクセンブルク |
| 製作年 | 2023年 |
| 公開年(日) | 2025年 |
| レイティング | 不明 |
| 好きレベル | ★★★★☆ |
あらすじ
森の奥深くで父親と2人きりで生活している少年マルコ。マルコは父親から「森の外に出てはいけない」と厳しく教えられていた。そんなある日、マルコは母親と暮らしている少年ミコと出会う。ミコと母親を見たことで、会ったことのない自分の母親に思いを馳せるマルコ。しかし、ある出来事をきっかけに、マルコはミコを連れて森を離れることになる。外の世界に出た2人を待ち受けていたのは――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
マルコ
(演:マテイ・シバコフ)
厳しい父親と共に森の中で暮らしている少年。あることがきっかけで、ミコを連れて森から出ることに。
ミコ
(演:アレクサンダル・ニコフスキー)
森の中で母親と一緒に生活している少年。マルコと出会い、友情を育む。あることをきっかけに、マルコと共に森を出ることになった。
父親
(演:サスコ・コチェフ)
マルコの父親。過去に妻と娘を失い、残された息子を守るために厳格に振る舞っている。
映画「M(エム)絶望の世界」の感想
映画「M(エム)絶望の世界」の感想です。感情がいろんな方向に飛びまくった映画でした(笑)。でも好き!
アポカリプスな世界観
一応、アポカリプス世界を描いたお話ではありました。
が、ゾンビ(感染者)は添え物程度の扱いでほとんど出てこないというか、主人公マルコたちにはあまり絡んでこないので、ゾンビパニックだと思って観るとちょっと肩透かしを食った気分になるかも? でした。
感染の始まりや、ここに至るまでにどんな経緯があったかというようなことは一切語られませんし。
どちらかと言うと、ヒューマンドラマに近い印象。森の中に閉じ込められたマルコが、外の世界に出て、危険な目に遭いながらも成長し……という。かと思ったら、終盤、突然メッセージ性の強いシーンが出てきて「おお!?」となるシーンもあります。
突然の強いメッセージ
突然メッセージ性の強いシーンが出てくるとは先述したことですが、言葉通りに読み解くなら、感染者(悪党?)=難民ということなのかなと思います。「あいつらは我々の文化や社会、家庭などに入り込んでくる侵略者だ!」みたいな発言もありましたね。
未来の世代を破壊している! 子どもを守らねば! 的な。
だとしたら、マルコ=国民という構図? 単なる国民というだけでなく、国民であり、その国の子どもたちを象徴しているのかな。そういった情報から隔離されてきたマルコは悪党に侵略されたとは思っていなそうですし。ただ、自分にとって適当な庇護者を求めて彷徨い続けてはいる。マルコの旅はこれに終始する。
難しすぎる。
それまで泣けるシーンが間々あっただけに、このシーンにはスンッ(真顔)となってしまった(笑)。
メッセージが悪いわけじゃないんですよ。国にはそれぞれ問題があるでしょうしね。ただ「え、そういう話?」と思ってしまったというか。まあ、この辺は、ゾンビもの(厳密にはゾンビとして出てくるわけではありませんが)でメッセージ性が強い作品に慣れていなかったからこその違和感かもしれません。
マルコ父の支配
また、マルコは父親と2人で、森の中で暮らしています。
物語が進めばわかるとおり、これはパンデミックですでに荒廃した世界。なので、マルコ父はマルコを守ろうとしているわけですね。けれど、このやり方が支配に近い。外からの情報を意図的に遮断し、マルコを怒鳴りつけたりして、恐怖で行動を制限するという。一応、「外には悪党がいる」とは教えているみたいでしたけど。
マルコ父はやり方が圧倒的に下手だなと思うわけですが、確かに少年マルコの扱いも難しくて、悪党がいったいなんなのかを具体的に教えてしまうと、好奇心だけはある無知な(小さな)人間は「どれどれ」と見に行ってしまう可能性があるんですよね。で、ミイラ取りがミイラになったと言わんばかりに、悪党たちに取り込まれてしまうことも考えられる。それは決別を意味している。
それならはなから興味を持たせないというのが、マルコ父のやり方だったということでしょう。失敗に終わったけど、マルコ父なりの愛情の示し方だったということ。
こういうのも、終盤のメッセージさえなければエンタメとして楽しめたのに、悪党(感染者)=難民みたいな構図が提示された以上、好きに考察するにも、やっぱりその情報がノイズになってしまう。
特別な存在
あと、個人的に気になったのは、ミコがこの世界でどんな存在だったのかということ。
中盤、特別な存在として語られていたあれはなんだったのか。いや、(あえてこの言い方をしますが)他と違うという見方は理解できるんですよ。
でも、この世界では何をもってして特別とされているのか、いまいちわかりませんでしたね。ミコのような人たちの血から、感染に対抗できるワクチン的なものができるとか? ……まあ、一緒にいた「普通に見える子ども」のマルコを排除しようとするような野蛮な人たちですし、そんな理性的かつ合理的な解決法を持っているとは思えないけど。
いやしかし、それで言うと、父親以外の人間を知らずに育ってきたマルコにとったら、ミコも自分と同じ存在でしかないんですよね。私たちはミコの見た目で「そういうことか」となるけど、マルコにとったらただの友達。
というか、そもそも子どもの頃はみんなマルコであるはずなのに、いつの間にかいろんなものを色眼鏡で見るようになってしまうのかもしれない。なんだか考えさせられました。
守る者へと成長していくマルコ
でね、そんなマルコですが、いつしか、同じ存在(友達)として認識していたであろうミコを守るべく行動しだすんですよね。自分も怖いはずなのに。
「水が飲みたい」「探してくるから待っていて」
このやり取りにね、もう、もう、「もーう!」ってなりました(?)。このシーンがあったからこそ、終盤、堰を切ったように泣き出すマルコに胸が痛くなるというか。確かに外の世界は、マルコにとってつらいことが多すぎるのかもしれないとまで思ってしまう。
それにしても、マルコとミコ。
マルコは、母親に(わかりやすく)愛情たっぷりに育てられたミコを羨んでいたようだけど、ミコ自身は警戒心こそ持っていても、戦う術を知らなかったのだろうと思わされました。皮肉なことに。マルコに必要だったのはハグ、ミコに必要だったのは戦う術。
決してスッキリする終わり方とは言えないし、突然の強いメッセージにスンッ(真顔)となってしまったりもしましたが、私はとても好きな映画でした。
映画「M(エム)絶望の世界」が好きな人におすすめの作品
映画「M(エム)絶望の世界」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- デイ・アフター・トゥモロー・ウォー(2021)
- ブレス(2024)
- アースフォール JIU JITSU(2020)
- 28年後…(2025)
映画「M(エム)絶望の世界」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年04月20日)。レンタル(有料)作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD(PREMIUM) |
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まとめ:観る人は選びそうだけどかなり好き!
アポカリプスな世界観ということで、ゾンビ映画として観ようとすると「えっ」となりそうなSFパニック。子ども2人のロードムービー的なお話で、ヒューマンドラマ要素のほうが強いです。
でも、いろいろ考えさせられるし、考察したい人にとってはけっこう面白いかも。
雰囲気も好きでした!
Rotten Tomatoes
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IMDb
―/10
Filmarks
2.7/5.0

