インド映画というと、どんなイメージがありますか?

歌って踊って陽気なインド映画!
こんな感じでしょうか?
ところが近年では、歌わず踊らずのハリウッド顔負けのインド映画が数多く発表されているんです。一度観たらハマってしまうこと間違いなしですよ!
今回は特におすすめのサスペンスエンターテインメント「女神は二度微笑む」を紹介します。
作品情報
- 作品名:女神は二度微笑む(KAHAANI)
- 上映時間:2時間8分
- ジャンル:サスペンス
- 製作国:インド
- 公開年:2012年

ちなみに「KAHAANI」はヒンディー語で「物語」って意味だよ!
あらすじ
イギリス・ロンドンに暮らすヴィディヤ(ヴィディヤ・バラン)は、インドへ行ったまま行方不明となった夫のアルナブを捜すためにコルカタにやって来る。しかし、宿泊先や勤務先にアルナブがいた痕跡はなく、やがてアルナブに非常によく似た男が国家情報局に追われていることが判明。ヴィディヤは危険を冒してでも、アルナブの行方を捜そうとするが……。
(引用元:シネマトゥデイ「女神は二度微笑む(2012)」)
こんな人におすすめ!
- 踊る系のインド映画に苦手意識がある
- すべては愛のために――
- じわじわ追い詰め、追い詰められていくスリリングさを味わいたい
- 世の中、強い女性がいたもんだなあ……
スタッフ・キャスト
- 監督:
– スジョイ・ゴーシュ(Sujoy Ghosh) - メインキャスト:
– ヴィディヤ・バラン(Vidya Balan)⇒ ヴィディヤ・バグチヴィディヤ・バグチ(Vidya Bagchi)役
– パランブラタ・チャテルジー(Parambrata Chatterjee)⇒ ラナ(Rana)役
– ナワーズッディーン・シッディーキー(Nawazuddin Siddiqui)⇒ カーン(Khan)役
「女神は二度微笑む」注目ポイント
主人公はインドの映画界の中で長い歴史を誇るフィルムフェア賞を受賞した経験がある、ヴィディヤ・バラン(が演じるヴィディヤ・バグチ)。さすがというべきか、おそろしいほどの美しさです。
にじみ出るハリウッド感
歌って踊って、という以外に、ボリウッド映画といえばなんとなくきらびやかなイメージが付いてくるものですよね。派手な装飾だったり、衣装だったり。
ところが、この「女神は二度微笑む」という作品はコルカタの街にあふれる熱気や雑多な雰囲気はしっかり残しつつ、画自体はいたって質素につくられています。なんでも、ゴーシュ監督自身がコルカタ出身なのだとか。
また、インド訛りではあるものの、所々で英語が混ざってくるのもポイントのひとつ。ハリウッド映画に近い感覚で観られる一作です。
美しき表情の変化
失踪した夫を探しにきた主人公ですから、当然しあわせなわけはありません。加えて、本作では「臨月間近かな?」というほどお腹の膨れた妊婦役。中盤から終盤にかけては、普通に歩くのさえつらそうな気配がします。
いかにも人のよさそうなポリス、ラナが巻き込まれていくのも当然といえば当然のように思えますね(なんといっても美人ですし)。
そんなラナや出会った子どもたちの前で見せる、コロコロ変わる表情の意味とはいったい……?
実は素晴らしい「インド映画×サスペンス」
例えば邦画なら「ホラー」というように、各国の映画にはそれぞれ得意とするジャンルがあったりするものです。インド映画といえば? ……とにかく、サスペンスものを想像する人はあまり多くないのではないでしょうか。
これをうまく組み合わせてくれたのが、ゴーシュ監督。インタビューでは次のように語っています。
最初の発想は、私の妻が最初の子どもを出産したときに、一晩で変わった彼女の姿を見たことがきっかけでした。(中略)突然生まれた責任感、わが子を守ろうとする本能、無条件の愛。(中略)また、主人公のキャラクターについては私の母親がモデルなのです。
こういった経験を通して、何年もかけてあたためたアイデアが「女神は二度微笑む」へとつながったそうです。「インド映画×サスペンス」。意外な組み合わせに感じられますが、構成によっては相性抜群!
主人公に見え隠れする弱さと強さ
表情がコロコロ変わる、というのは先述したとおりですが、膨れたお腹で奮闘する女性の強さは危うさをはらみながらも、なんと美しいことか。
でも、ふとひとりになった瞬間に垣間見せるさみしげな表情に、一気に感情を持っていかれます。ラストに向かって押し寄せる怒涛の展開に、固唾(と涙)を呑みながら画面にかじりつきたくなること間違いなし!
「女神は二度微笑む」を観た感想
いやあ、面白かった。踊らないインド映画。

実は、わたしもインド映画に苦手意識があったうちのひとりでした……。
ただし、「KAHAANI(=物語)」がなぜ「女神は二度微笑む」という邦題になったのかは不明です。作中になにか伏線があったのか、と考えてみてもちょっと不思議な感じ。
とにかく、インド映画初心者や苦手意識がある人には非常におすすめできる作品でした。特に起承転結の結の部分。「きっと日本ならこういう展開にはならないだろうな」と思うからこそ、他国の作品を観るのって面白いんですよね。映画作品の中にも、それぞれの国の色があふれていて。
それにしても、強さと弱さ、冷酷さとあたたかさって当たり前のように共存できるものなんだなと、あらためて感じました。
特にラストは衝撃の展開に涙していいのやら、驚いていいのやら。物語的には淡々と進んでいく割に、最初から最後まであますところなく楽しませてくれます。
インド映画初心者ならまずはここから
インド映画が苦手という人以外にも、「興味はあるけどどこからはじめればいいかわからない」という人にとりあえずおすすめしたいのが「女神は二度微笑む」。
サスペンスというだけに多少入り組んだ構成ではありますが内容はそう難しくなく、イギリスからインドに夫を探しにきた女性が主人公という設定もあいまって、ハリウッド映画からの流れで非常に観やすいのが魅力のひとつです。
最後に、気は弱そう(事実、作中で何度か主人公の言いなりになっている)だけれど人のいい警察官、ラナにも注目してみてくださいね。癒やされます。
※本記事の情報は2020年11月時点のものです。

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