グレムリン [Blu-ray]
クリスマスに見たい映画のひとつ「グレムリン」。
コロンとした愛らしいフォルムに、少しは意思疎通ができる賢さを持った生き物に、胸を撃ち抜かれること間違いなしの作品です。
現実でも、こんなペット(友達)が欲しくなりますね!
本記事は2023年11月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
作品情報
タイトル | グレムリン |
原題 | Gremlins |
ジャンル | ホラー、ファンタジー、コメディー |
監督 | ジョー・ダンテ |
上映時間 | 106分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1984年 |
レイティング | G |
おすすめ度 | ★★★★★ |
あらすじ
クリスマス。発明家の父親が、息子ビリーのために不思議な生き物のモグワイを連れて帰ってきた。箱の中からひょっこり顔を出す、賢い生き物モグワイ。その歌声に、ビリーは一瞬で心を掴まれた。モグワイを「ギズモ」と名付け、愛情を注ぐビリーだったが、ギズモを飼うにあたって3つの注意事項があった。しかし……。
登場人物
(敬称略)
ビリー(演:ザック・ギャリガン)
主人公の青年。クリスマスプレゼントとして、父親からモグワイを譲り受ける。
ケイト(演:フィービー・ケイツ)
ビリーが気になっている女の子。
ランダル(演:ホイト・アクストン)
ビリーの父親で、発明家。クリスマスプレゼントとして、モグワイを家に連れ帰ってくる。
リン(演:フランシス・リー・マッケイン)
ビリーの母親。グレムリンが暴れ出した際には、果敢に立ち向かう。
骨董屋の主人(演:ケイ・ルーク)
モグワイがいた骨董屋の主人。
映画「グレムリン」の感想
何度見ても、やはりクリスマスシーズンにはもう一度見たくなる作品です。ホラーとコメディーが良い具合で融合しています。
めちゃくちゃ強いビリーママ
まず、なんといっても……
ビリーママがめちゃくちゃ強い。
家で暴れるグレムリンたちを、咄嗟の機転で倒すママ。
電子レンジでチンしたり、ミキサーでぐっちゃぐちゃにしたり。結構エグいことをします。
いや、まあ、確かにそれぐらいしないとどんどん増殖する危険があるわけなんですけれども、でもなかなか思いつくやり方じゃないですよね。
画面の前で、思わずフフッと笑ってしまいました。強すぎる。
ギズモが可愛すぎて胸キュン
ギズモが可愛い。
映画「グレムリン」の魅力は本来、この一点につきます。
モグワイにギズモと名付け、心の底から愛情を注ぐビリー。
音に合わせて、身体を揺らしながらキューキュー鳴いているギズモが本当に可愛い。胸キュンの連発です。たまに喋っているらしいのも、ただひたすらに可愛い。
可愛いは正義。
特に「ビリー」と呼ぶシーンなんか、ズッキューンとします。
▼ギズモのぬいぐるみ▼
▼ギズモのフィギュア▼
ことごとく破られるルール
そんなギズモを飼うにあたり、店主(の孫)から注意されていたことが3つありました。
- 水を与えないこと
- 明るい光に当てないこと
- 夜中(12時)を過ぎたら、どんなに乞われても食べ物を与えないこと
なのに、速攻で水をかけちゃうし、光も当てちゃうし、騙されたとはいえ夜中過ぎにガッツリごはんだってあげちゃうし。
ことごとくルール破るやん?
水をかけたのはビリー本人ではないにしろ、少し注意散漫だったよねという感じがします。あと、ビリーパパがこの3つのルールを聞いたとき、その理由まで一緒に尋ねておけば良かったはずなんですけれども。
光に当てたらどうなるか……は、なんとなく予想が付くとして、水を与えてはいけないだとか夜中を過ぎたらどんなに乞われてもごはんを与えてはいけないだとか、普通に聞いていたら結構不思議に感じそうなルールです。
それに、個人的には、(強い)光を当ててはいけないというのが、生き物を飼ううえで厳しいルールであるように感じました。
太陽光だけでなく普通のライトでも、眩しかったら駄目なんでしょ?
なら、部屋の電気もつけられないし、カーテンも開けられない。グレムリンやギズモがテレビや映画を見ていたことから、どこまでがOKなのかも判定が微妙です。
骨董屋の店主であるおじいさんが、ギズモを売り物ではないと言ったのもわかるような気がします。本当の家族のように飼い犬を愛しているビリーのような人でも、ギズモみたいに繊細な生き物をキープするのはなかなか難しい。
コメディーはコメディーでもブラックコメディー
ギズモが愛らしくて、思わずクスッとしてしまう作品ではあるんですが、コメディーはコメディーでも、ブラック要素が強いのもこの映画の特徴です。
例えば、嫌われ者のディーグル夫人が、ビリーに対して「犬を渡せ。保健所に連れていく」と詰め寄ったり、繭からグレムリンが生まれる様子が妙に生々しかったり(まるでエイリアンが孵化するときのような感じ)。
この、グレムリンが生まれるときの描写は、大人でも結構気持ち悪いと感じました。だからこそ、フワフワで可愛いギズモとの対比がまたいいんですが。
逆に、ギズモが可愛いからこそ、このブラック感が映えているとも言えます。
クリスマスが嫌いな人に向けた映画
作中でケイト(ヒロイン)が放った言葉。
「クリスマスが嫌い」
そして、その理由を尋ねるビリーに、自分のトラウマを話したうえで「クリスマスは自ら命を絶つ人が多い」みたいな話をほんのり。
なんとなくわかる気がします。
こう、全員が全員幸せなわけはないと知りながらも、周りが浮かれた雰囲気だからこそ自分ひとり取り残された感覚になるというか。悲劇のヒロインではないですが、なんで自分だけがと惨めな気分になるんですよね。
道行く人、みんなが幸せそうに見えて仕方がない。
でも、そのへんケイトが共感してくれるので、クリスマスが苦手な人にも観やすい映画だと思います。
ペットに対して持たなければならない責任感
ギズモに限らず、生き物を飼ううえで大事なのは責任感だということがよくわかる作品です。
今回、骨董屋の店主自身はギズモを売るつもりはなかったものの、その孫はビリーパパに、ギズモを飼ううえで忘れてはいけない3つのルールをしっかり伝えていました。
でも、結局なにひとつ守れなかった。
それであのような騒ぎになったわけですから、ペットを飼うならルールを守れ、責任を負えないならペットを飼うな、ということですね。
いまでも、責任を持てないのに気軽な気持ちで犬を飼う人とか結構いますし。あれは本当によくない。周囲に迷惑をかけるだけでなく、犬(ペット)も可愛そうです。
意外と可愛いグレムリン
繭から生まれる瞬間がエイリアンみたいなので、思わず「うわあっ」と引いてしまうんですが、徐々に可愛く見えてくるから不思議。
行動的には、エイリアンというよりギャングに近い。
パブでカードゲームをしていたり、煙草をふかしていたり……外見がぬいぐるみみたいな感じだから、なんとなく子どもが粋がっているように見えて面白いです。
あと、ファミリー映画を観て一緒に歌っちゃうのが最高にキュート。
わかりやすく倒さなければならない悪役でありながらも、視聴者からすれば憎み切れない可愛さがあるというのが映画「グレムリン」の魅力でもありました。
▼グレムリンのフィギュア▼
CGを使わずしてこのクオリティー
映画「グレムリン」は80年代の作品ですから、当然、いまのようにCGを使うわけにはいきません。
なら、どのようにしてギズモやグレムリンを撮影したのか?
これはなんと、ぬいぐるみやワイヤーロボットを使っていたんだそうです。
曰く、
本作でグレムリンをデザインしたクリーチャーデザイナー&特殊メイクアーティストのクリス・ウェイラスがアノマリー映画祭の取材で、「頭だけが電動で動く人形を3体作り、それをいくつものグレムリンの体に差し込んで撮影を行い、恐らく75~125体の人形を作った」と語っている。さらに動きの激しい人形には68もの配線を使って動かしていたとも。また、グレンムリンが電子レンジ内で爆発をしたり、とろけたりするシーンでは風船が大活躍をしたそうだ。人知と手作業がグレムリンに命を与えていたのだ(同時に奪ってもいるが)。
(引用元:VOGUE JAPAN – 知れば『グレムリン』愛がさらに増す!? 映画を成功に導いた6つの真実)
とのこと。
主人公を務めたザック・ギャリガンは、そこら中ワイヤーだらけだったと話しています。CGなしであそこまで高いクオリティーの作品が作り上げられるのですから、本当にすごいですよね。
映画「グレムリン」が好きな人におすすめの作品
映画「グレムリン」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ベートーベン(1992)
- チャイルド・プレイ(1988)
- エイリアン(1979)
- ゴーストバスターズ(1984)
- ホーンテッドマンション(2023)
まとめ:クリスマスに家族で観るなら
クリスマスに家族でムービーナイトを過ごすなら映画「グレムリン」がおすすめ。
ブラックコメディーでありながらも、ギズモの可愛さに胸を撃ち抜かれること間違いなしです。ギズモが可愛い。これこそが正義。