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NEW!小説「縞模様のパジャマの少年」読書感想文|映画より生々しくて悲しい……少年たちの友情

縞模様のパジャマの少年(小説)_感想タイトル ヒューマン

縞模様のパジャマの少年

小説「縞模様のパジャマの少年」の感想です。

映画「縞模様のパジャマの少年」(2008)の原作になった小説。

大枠はだいたい一緒という感じですが、個人的には、小説のほうが描写が細かく、生々しさがあるように感じました。こちらのほうがきつかった。

すみれ
すみれ

小説「縞模様のパジャマの少年」の見どころは……


  • シュムエルとブルーノの関係。
  • 2人が生まれ育った環境の違いを感じさせる生々しい描写。
  • 戦争の残酷さ。

本記事は2026年08月02日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。

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作品情報

タイトル縞模様のパジャマの少年
著者ジョン・ボイン
ジャンルヒューマン
出版社岩波書店
ページ数234ページ
発行日2008年09月12日
好きレベル★★★★★
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あらすじ

父親の仕事の都合により、ベルリンから引っ越してきたブルーノ。見知らぬ土地には友達もおらず、暇を持て余していたが、そんなある日、フェンス越しに縞模様のパジャマを着た少年シュムエルと出会い……。

主な登場人物

ブルーノ

ドイツ人の少年。引っ越しに不満を抱いており、一刻も早くベルリンに戻りたがっていたが、ある日を境にフェンス越しに出会ったシュムエルと友情を築いていく。

シュムエル

ユダヤ人の少年。人の目を盗んでブルーノと交流を続ける。

グレーテル

ブルーノの姉。コトラー中尉に淡い恋心を抱いている模様。

ラルフ

ブルーノの父親。強制収容所の管理を任される立場にある。

リスト

ブルーノとグレーテルの家庭教師。

パベル

ユダヤ人で、もともとは医者だった。ブルーノ宅で働いていることが多い。

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小説「縞模様のパジャマの少年」の感想

小説「縞模様のパジャマの少年」の感想です。個人的には、映画よりこちらのほうが生々しい描写が多くて好きでした!

残酷さUP

まず、先述したとおり、映画より小説のほうが生々しい描写が多かった。

例えば、ブルーノとシュムエルの生年月日がまったく一緒だとか

当人たちは「なんたる偶然!」とばかりに喜びを露わにしているんですが、作中で、2人が生きてきた環境を比べる描写もあるので、同じ年、同じ月、同じ日に生まれた2人なのに、人種が違うというだけのことでフェンスのこちら側と向こう側に振り分けられてしまうという事実を、否応なく想像させられます。

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友達な2人

ブルーノは(おそらく違和感を覚えながらも)純粋にシュムエルを友達だと思っているので、対等に話してしまうのも残酷ですよね。いや、「対等に話してしまう」というと語弊があるかもしれませんが。

ブルーノとシュムエルは「ここにいるのがつらい」と思っていて、互いに共感し合ったりするんだけれど、この「つらい」があまりに乖離しすぎていて。ブルーノは田舎でやることがなく、遊び友達がいないことを嘆いている。それに対して、シュムエルはフェンスの中に押し込められ、兵士たちに怒鳴られ、いつも腹を空かせ……そういったことをつらいと感じている。

もちろん、ブルーノはブルーノで本気で悩んでいるんだけど、やっぱり残酷だなと思うのです。

ブルーノの頭にシラミが湧いて坊主頭にされたとき、「シュムエルに似ている!」というのにも複雑な気持ちになりました。悪気がないだけに切なくなる。

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踏み込まないブルーノ

ただ、ブルーノが純粋に、けれども無神経に思ったことすべてを口に出すのかというとそんなことはなく。

中には「なんとなく言わない(聞かない)ほうがいいような気がした」というような感じで、口をつぐむ選択肢のある子でもあるんですよね。無知ではあってもそれは教育の問題で、ちゃんと賢いんだよなと。

まあ、今後、この環境で教育を受け続けるとしたら「ユダヤ人は悪魔だ!(人間じゃない)」というものなので、シュムエルやパベルを知ってしまったブルーノからしたら苦痛でしかないでしょうが。

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戦争の犠牲者

と、教育だなんだと言っても、結局は大人の始めた戦争で子どもが犠牲になるという構図は変わらず。

先に映画を観てしまったので、話が先に進めば進むほど暗い気持ちになっていく。でも、目を逸らしてはいけない現実(話自体はフィクションみたいですけどね)。

大人たちに揉まれながら、ブルーノが「帰りたい」と不安になっていく様子があまりにリアルで、子ども2人の無力さが心臓に痛かったです。そういえば、ラストの描写は映画とちょっと違いましたね。

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シンプルで読みやすい文章

あと、この物語はブルーノ視点で語られることが多いので、難しい話などもほとんどなく非常に読みやすかったです。小学生ぐらいの子どもでも読めそう

本当はいいことなんだけど、ブルーノの場合、人から聞いた話より、自分の目で見たものを信じるタイプだったのもこの結末につながる原因になったという感じで、それがまたきつかったですね。でも、誰かに言われたからといって「そうか、ユダヤ人は人間じゃないのか!」と納得できるなら、それはもうブルーノではないし。そういう時代は二度と訪れてほしくないと願わずにはいられません。

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まとめ:読了後の後味の悪さは世界一

本作は、けっして「面白かった!」となるタイプの小説ではありません。

正直、ブルーノとシュムエルが人の目を盗んで交流できること自体「そんなことある?」でもあるんですが、戦争は駄目だ、と当然のことを改めて認識するきっかけにはなります。

そして、映画では高圧電流が流れていたフェンスですが、小説ではただのフェンスでした。

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