
ヴィジット (字幕版)
「ヴィジット」の感想です。
映画「シックス・センス」(1999)や「ハプニング」(2008)、「ノック 終末の訪問者」(2023)などを手掛けたことで知られるM・ナイト・シャマラン監督によるホラー映画。
ツッコミどころは多々あれど、ジャンプスケアはなかなかのものでした。ただ、怖くはない。どちらかと言えばヒューマンドラマに重きを置いているような?
本記事は2025年12月30日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
顔も知らない祖父母に会いに行ったら様子がおかしい。……とりあえず映画撮ろ!
作品情報
| タイトル | ヴィジット |
| 原題 | The Visit |
| ジャンル | ホラー、サスペンス、ヒューマン |
| 監督 | M・ナイト・シャマラン |
| 上映時間 | 94分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2015年 |
| 公開年(米) | 2015年 |
| レイティング | G |
| 個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
一週間、祖父母のもとに預けられることになったベッカとタイラーの姉弟。祖父母は母と疎遠になっていたため、ベッカとタイラーもまだ一度も顔を合わせたことがない。初めて対面する祖父母だったが、すぐに打ち解けることができた。しかし、そんな祖父母の様子が徐々におかしくなっていき――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
ベッカ
(演:オリヴィア・デヨング)
タイラーの姉で、15歳。母と祖父母のことをドキュメンタリー映画として残すため、常にカメラを持ち歩いている。
タイラー
(演:エド・オクセンボールド)
ベッカの弟で、13歳。趣味はラップ。両親の離婚後に、ストレスから潔癖症を発症。姉に言われ、映画を撮るのに協力している。
ママ
(演:キャスリン・ハーン)
ベッカとタイラーの母親。若い頃、恋人との交際を反対され家を飛び出し結婚。その夫も他の女性と駆け落ちし、離婚するに至った。現在はシングルマザーで、恋人がいる。
祖母
(演:ディアナ・ダナガン)
料理が趣味の気さくな老婆。しかし、夜になると奇妙な行動を取ることも。
祖父
(演:ピーター・マクロビー)
病院のカウンセラーだが、認知症を患っており、時折仮装パーティー(妄想)に出掛けようとする。
映画「ヴィジット」の感想
映画「ヴィジット」の感想です。身内に対する怒りって忘れようとしても、なかなか思うようにいかないよねと。
ジャンプスケアは◎
まず、良かったところと言うと、ジャンプスケアでしょうか。これはなかなかびっくりした。
特に床下でおばあちゃんが追いかけてくるくだりね。四つん這いで全力疾走。「何かに取り憑かれている!」と思いきや、その後平然と去って行く。
ホラー映画で子ども2人がわざわざ床下に入って行くんだから、そりゃあなにかしらはあるのだろうと思っていたけど、あれはさすがに予想外だった(笑)。
あとは、祖父母の様子がいよいよ身の危険を感じるレベルでおかしいとなって、ベッカとタイラーがリビングにカメラを仕掛けた時。そのカメラを見つけた祖母がニュンッと出てくるところ。あれも警戒していたのに「うおっ!」ってなった。
まあ、とはいえ、ジャンプスケアはジャンプスケアですからね。それだけで「怖かった」とはならないのが難しいところ。
タイラーのクソガキ感
ちょっとここはあえて口を悪くしますよ。
はい、タイラーのクソガキ感がすごい。
語弊を恐れずに言いました。ちなみにこれ、褒め言葉です。とても良かったという意味。あの絶妙に生意気な感じはなかなか意図的に出せるものではありません。タイラーを演じたエド・オクセンボールドの演技力はすごいですね。
2001年生まれらしいので、今(2025年時点)はもう20代も半ば? 映画「ワイルドライフ」(2018)や「1918 戦争終結」(2024)などの映画にも出ているようですが、今後の活躍もぜひ期待したいところ。
趣味はラップ
そして、この弟くん、ラップが大好きというなんとも尖った趣味をお持ち。素人的には、ちょっとうまく見えるのがまた面白いんですけど(笑)。
「今から何かを罵るときは女性歌手の名前を使うぜ、チェケラー!」とか言い出すタイラー氏。「クソッ!」って言いたいときに「シャキーラ!」と言うみたいなことらしい。なんじゃそりゃって思うんだけど、この独自ルールを最後の最後まで守っていたタイラーがもはや愛しくすらある。
「シャキーラ!」は言いやすいだろうし、まあ、わかりますよ。でもこの人、途中「サラ・マクラクラン!」とか言っていましたからね。年齢的によく知っているなあというのもあるし、そんな咄嗟に出てくる!? というのもある。それに長い。
極度の緊張を強いられている場面ですら「ケイティ・ペリー」とか言っていて、この子、将来大物になるなって思いました。
母親の迂闊な決定
また、個人的に「なんでそうなったの?」と言いたくなったのが、母親の決定と行動ですね。
そもそも、なぜ子どもたちだけで祖父母に会いに行かせたのか。
この前提が受け入れがたく、終始「あの母親はいったいなんなんだ?」という気持ちになりました。
いえ、わかります。若い頃に家出していて、その理由となった恋人(元夫)と破局したとなれば、顔を合わせづらいのはあるだろうし、でも孫を親に会わせたいという気持ちもきっとあって、しっかりしている子ども2人を複雑な気持ちで送り出したんだろうなということは。
で、劇中描かれてはいなかったけれど、両親とネットを通してしっかり話し合っていたのかなとも思う。子どものことに関しては。
でもですよ。普通、子どもたちが無事に到着したことを確認するとか、一週間よろしくねと伝えるとか、滞在中の子どもたちの様子を聞くとか、この一週間のあいだに保護者としてすべきことがあると思うんですよね。この場合、祖父母と密に連絡を取り合うのが一般的じゃないのかな。子どもたちを送り出した、あとは放置で恋人とのバカンスを楽しむ! って、いや、ちょっとちょっととなってしまう。
危機管理とは、という感じ。
怒りを手放す
人間、ずっと怒り続けることはできません。
厳密には、できるかできないかで言えばできるけど、ものすごい体力と気力が必要だよねという話。相手が身内ともなれば特に。
例えば、母親は両親に怒っていた。恋人との付き合いを否定されたから。やっぱり、自分が好きな人のことは誰だって否定されたくないですもんね。ベッカとタイラーには両親のことを「良い人」と言っているので、おそらく「言う通りにしておけば良かった」と思っているのでしょう。現に、ベッカとタイラーの父親は他の女と駆け落ちをして、母親は捨てられているわけですし。
仮に「言う通りにしておけば良かった」とまでは思っていなくても(そうなるとベッカたちも生まれてこなかったはずなので)、当時の怒りが両親との関係を壊したという自覚はありそう。
自分のために怒る、他の誰かのために怒るって、もちろんそうしなければならないこともあるんだけど、ずっと何かに怒り続けているというのは、やっぱりあまり精神衛生上よろしくないような気がします。怒りというのは強烈な感情で、長く持ち続けられるようなものではないけれど、もし長く持ち続けられるような激しい怒りがあるのだとすれば、他の何かを犠牲にしている可能性もあるのじゃないかなと思う。
少なくとも、過去(すでに起きてしまったこと)に囚われているという意味では、今をおろそかにしているということになるのではないかと。
怒りを手放し、赦しを与えることで、前に進む。そんな家族の物語でもありました。
POVは活かしきれず
あとは、そうですね。
せっかくのPOV形式なのに活かしきれていなかった印象でした。ちょっと残念。
POV形式って手ブレ具合だったり画角が安定しない感じだったりも不安を煽る要素のひとつになっていると思うんですが、そういうのもあんまりなくて。
これならわざわざPOVっぽくしなくても良かったのでは? と思ってしまいました。
POVホラーなら、やっぱり「コンジアム」(2018)とかが天才的にうまかったですよねえ。
映画「ヴィジット」が好きな人におすすめの作品
映画「ヴィジット」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- オールド(2021)
- エスター ファースト・キル(2022)
- ザ・ウォッチャーズ(2024)
- アビゲイル(2024)
映画「ヴィジット」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年12月30日)。レンタル作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:怖くない雰囲気ホラー
ホラーとして怖いか怖くないかで言うと、怖くはなかったです。時たまジャンプスケアにビビるぐらい。なので、どちらかと言えば雰囲気ホラー。陰鬱な空気感を楽しむのは良い。
ただ、一部汚い描写が入るので「ひえーっ!」とはなった。潔癖症のタイラーくんにはかなりしんどかったことでしょう。
全体的には「悪くはないかな」という印象。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 68% Popcornmeter 52%
IMDb
6.3/10
Filmarks
3.5/5.0


