
八つ墓村
「八つ墓村」。
金田一耕助シリーズの実写版映画というと、石坂浩二さんを思い浮かべがちですが、こちらは豊川悦司さん主演のほうです。
正直、金田一耕助シリーズに詳しいわけではないんですが、これはこれで面白かったですよ! ちょっと淡々としていたけど。
本記事は2025年06月03日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
――この家は呪われている。
作品情報
タイトル | 八つ墓村 |
原作 | 八つ墓村/横溝正史著 |
ジャンル | サスペンス、ミステリー |
監督 | 市川崑 |
上映時間 | 127分 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1996年 |
公開年 | 1996年 |
レイティング | ― |
個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
母を失い、天涯孤独の身となった寺田辰弥は、ある日、自分が資産家である田治見要蔵の遺児であることを知らされる。田治見家の跡継ぎになるように言われ、当惑する辰弥。そして、辰弥の身を案じた弁護士が、村に送り込んできた金田一耕助……。金田一耕助が村に到着した翌日、辰弥の異母兄が何者かに毒を盛られ、帰らぬ人となってしまうのだった――。
主な登場人物
(敬称略)
寺田辰弥
(演:高橋和也)
唯一の身内である母を亡くし、天涯孤独の身となった男。とある資産家の遺児であることを知り、本家のある村を訪ねたところ、思いもよらぬ事件に巻き込まれていくことになった。
金田一耕助
(演:豊川悦司)
探偵。辰弥の身を案じた弁護士が、田治見家のある村に送り込んだ。
森美也子
(演:浅野ゆう子)
未亡人。田治見家の使いとして、辰弥を案内する。
里村慎太郎
(演:宅麻伸)
要蔵の甥で、典子の兄。田治見家の相続権は持つものの、小梅と小竹に疎まれている。
里村典子
(演:喜多嶋舞)
要蔵の姪で、慎太郎の妹。天真爛漫な性格。兄のことを慕っている。
田治見小梅/小竹
(演:岸田今日子)
双子の老婆。一卵性なのでそっくり。要蔵の伯母であり、田治見家では大きな権力を持つ。
田治見要蔵
(演:岸部一徳)
田治見家の先代当主。暴力的な性格で、とある事件を起こした人物。
田治見久弥
(演:岸部一徳)
田治見家の現当主で、辰弥の腹違いの兄。何者かによって毒殺される。
田治見春代
(演:萬田久子)
要蔵の娘で、辰弥の腹違いの姉。
映画「八つ墓村」の感想
映画「八つ墓村」の感想です。思いのほかドロドロ感がなかったサスペンス。豊川悦司さんが素敵でした。
豪華なキャスト
本作の主役である金田一耕助を演じたのは豊川悦司さん。
他にも、浅野ゆう子さんや萬田久子さん、宅麻伸さん、岸田今日子さん、岸部一徳さん、喜多嶋舞さんなどが出演していましたね。
キャストが豪華でした。
豊川悦司さんの金田一耕助
金田一耕助シリーズといえば、石坂浩二さんを真っ先に思い浮かべる人が多いと思うんですが(私もそうでした)、豊川悦司さんの金田一耕助もなかなかのものでしたよ。
少し気になったことがあるとすれば、ちょっと綺麗すぎるっていうぐらい(笑)。
もうね、結構な美男子なんですよね。なんていうか、清潔感があって綺麗な顔をしていて、話し方にも品がある。このあたりは、私が持っていた金田一耕助のイメージとちょっと違っていました。例のごとく、ポリポリ頭を掻いたらフケが落ちる……みたいなのもありましたが、そう不潔そうには見えませんでしたもんね(笑)。
血が……血が……!
あと、血が出るシーン。
あれはもうちょっとどうにかならなかったのかとは思います。当時の撮影技術云々の前に、もう少しできることがあったんじゃないかって。赤い絵の具かペンキをそのまま使ったのかっていうぐらい、鮮明な赤色でしたしね。
まあ、そのおかげで、良くも悪くもグロさは掻き消されていたかな。少しのグロも嫌だという人にとっては、比較的観やすい演出になっていたかもしれません。
物足りないドロドロ感
そして、個人的にはドロドロした感覚がもっと欲しかった(笑)。求ム、ドロドロ!
まず、展開が非常に淡々としていて、誰に感情移入することもできなかった。犯人がわかったあとも「ふうん?」っていう反応になってしまいました(まあ、これが初見ではないんですが)。
たぶん、登場人物が多いのと、映画の尺で纏めなければいけないのとで、登場人物一人一人に対する説明が満足にできておらず、こちらとしてはいまいち物語に這い込めなかったんだと思います。
名家の後継が絡んだ事件だから、もうちょいドロッとしていたほうがむしろ受け入れやすいまである。なにぶん豊川悦司さんが非常に爽やか系美男子な金田一耕助だったもので、ミステリーなのに割と明るい雰囲気になっていたような気がしますね。良くも悪くもですが。豊川悦司さん自体はとても素敵でした。格好良い。
緊迫感も特にない
先述したドロドロ感に加えて、緊張感もやや欠けていた感じがしました。ミステリーってやっぱり緊張と緩和みたいなの、大事ですよねえ。
というか、謎解き要素が薄い。
全部事件が起きてからの後追いで、別に金田一耕助という探偵じゃなくてもこの役はできそうだけど、そのあたり原作だとどうなんでしょう?(ごめんなさい、原作未読なんです……)。
ああ、豊川悦司さんがとにかくひたすらダッシュ! していたのは、これぞ金田一耕助! という感じでとても良かったですよ!
映画「八つ墓村」が好きな人におすすめの作品
映画「八つ墓村」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 犬神家の一族(1976)
- 獄門島(1977)
- 悪魔の手毬唄(1977)
まとめ:スタイリッシュな金田一耕助
当時の豊川悦司さんが美男子なだけあって(今も素敵ですが)、シュッとした印象の金田一耕助でした。金田一耕助のイメージとしては石坂浩二さんだけど、これはこれでアリ! だと思う。
ただ、先述したようにドロドロした感じはほとんどないので、このあたりで好き嫌いに分かれそうだなあと。
Rotten Tomatoes
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IMDb
6.2/10
Filmarks
3.1/5.0