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映画「母性」あらすじ・感想|怖いって本当?母の愛情とは?イヤミスの女王・湊かなえの最高傑作が原作

母性_タイトル ミステリー

母性

イヤミスの女王と呼ばれた湊かなえ先生の同名小説が原作になった「母性」。

「告白」や「リバース」「贖罪」など、湊かなえ先生の小説が原作になった作品はいくつもありますが、「これが書けたら、作家を辞めてもいい」とさえ言わしめた作品です。

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作品情報

タイトル母性
ジャンルミステリー、ヒューマン
監督廣木隆一
上映時間115分
製作国日本
公開年2022年
おすすめ度★★★★★

あらすじ

女子高生が自宅で死亡する事件が世間を賑わせている。女子高生の母親は「愛あたう限り、娘を大切に育ててきました」とコメント。発見したのは母親だが、事故なのか自殺なのかは定かではない。ルミ子と清佳の歪な親子関係とは。

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登場人物

(敬称略)

ルミ子(演:戸田恵梨香)

清佳の母親。自身の母親には愛されて育ったものの、娘のことは愛せなかった。

清佳(演:永野芽郁)

ルミ子の娘。どうしたら母親の興味を引けるのか、愛してもらえるのかを模索している。

田所哲史(演:三浦誠己)

ルミ子の夫で、清佳の父親。ルミ子とは絵画教室を通して知り合った。

佐々木仁美(演:中村ゆり)

ルミ子の親友で、田所の元同級生。ふたりとは同じ絵画教室に通っていた。ルミ子に「田所との結婚は考えたほうがよい」と忠告する。

ルミ子の義母(演:高畑淳子)

田所の母親で、ルミ子の義母。田所夫妻(哲史・ルミ子)と清佳と同居することになる。

田所律子(演:山下リオ)

田所の妹でルミ子の義妹。清佳にとっては従姉にあたり、「りっちゃん」と呼んでいる。社会人。

中谷亨(演:高橋侃)

清佳の同級生で、交際相手。

ルミ子の実母(演:大地真央)

ルミ子の愛すべき母親。ルミ子を大切に育ててきた。

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映画「母性」の感想

まさにイヤミスの女王・湊かなえ先生らしい作品でした。「イヤなミステリー」というよりは、かなりリアルなヒューマンドラマ仕立てのミステリー。

すごすぎる圧巻の演技

まず、映画「母性」を見て思ったこと。

それは、俳優さんたちの演技がすごすぎるということ。

みんなすごかったんですが、特に戸田恵梨香さんの息を呑むような迫真の演技が見事でした。

戸田恵梨香さんといえば、私は「野ブタをプロデュース」のとき……つまり10代のころに初めて知ったわけなんですが、まさかこんなにも多彩な演技ができる俳優さんだったなんて! と驚きです。

同じ仕草、同じセリフなのに、声のトーンや表情だけで伝えたいことがこんなにも変わるものなんですね。

考察がはかどりそうな内容

「映画 母性 考察」などで調べると数々のサイトやブログがヒットするように、本作は実に考察がはかどりそうな内容となっていました。

特に、予告編にもある「私が間違っていたのです」というルミ子のセリフ。

このセリフの解釈により、映画「母性」が総じてどんな内容であったかが決まります

「私が間違っていたのです」

清佳を産んだことが? 娘を愛せなかったことが? それともルミ子自身が……いやはや、なんとも考察しがいのある一言ですね。

母性とはいったいなにか?

女性は、子を産んだからといって必ずしも『母』になれるわけではない。ルミ子はまさにそんな『母性を持たない母親』でした。

目に見えた虐待をしていたわけではないけれど、やはりそういったやや歪な家庭環境のもと育った子どもは、なんとなくそれを察してしまうんでしょうね。

母親に愛されて育ってきたルミ子と、生まれながらにして母親の愛情を得られなかった清佳。生まれ育った環境はほとんど正反対と言ってもいいのに、なぜか同じように『母の愛情を求める』ように成長してしまうなんて、とんだ皮肉です。

愛されて育ったからといって真っ直ぐ育つとは限らない。子育てって難しい。

ただ、作中で清佳はルミ子の実母(祖母)について『無償の愛』だと言っていたけれど、私は一心に注がれる祖母の愛情にも違和感を抱きましたね

こう……綺麗すぎて、なんだか気持ち悪いというか。

ルミ子のことはなんでも肯定する姿勢。あと、人のことを決して悪く言わない聖母感?

娘の前で悪口を言いたくないというのはなんとなくわかるんですが、無理矢理ポジティブに変換しようとしているというか。なんでもかんでも受け入れるから、ルミ子も「もっと、もっと……」となったのではないか、と思うんですよね。

それを考えると、ルミ子の母親の愛情からすでにどこか歪であったのではないかと。

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信用できない語り手

ラスト以外は、ルミ子の視点清佳の視点に分かれています。

なので、ルミ子が『優しく言った』『愛情を持って接していた』つもりでも、清佳にとってはまったくそうでなかったりするんですね。

これが面白いところ。

ルミ子と清佳はそもそも歪な愛情を持っている人なので、どちらの主観も実際にそうだったのかは不明です。どちらかが正しいかもしれないし、どちらも正しくないかもしれない。ただ、大事なのは、主観ではどちらも正しいということ。

これほどまでに信用できない語り手はなかなかいないでしょう。

だいたいはルミ子の視点から清佳の視点というふうになっているのですが、この流れで見ると、「ルミ子はおかしい! 本当はこうだったんだ……」とつい清佳の感性を信じてしまいたくなります。

でも、歪んでいるのは清佳も同じなので、必ずしもそうとは限らないんですよね。個人的には、ルミ子よりはだいぶマシだと思っていますが。

ただ、清佳は清佳で、ルミ子があまりに『正しく、潔癖に』育ててしまったがゆえに、『正しくないことを見過ごせない。つい口に出して言ってしまう』という、空気が読めなすぎて他人もビックリの空回り系生真面目人間になってしまったのは、やはりその人の生育環境は個人の人格形成に深く影響するのだなと感じました。

終盤にかけて統一感がなくなる内容構成

先述した通り、序盤はルミ子の視点・清佳の視点とふたりそれぞれの視点で話が進んでいくのですが、終盤はなぜかふたりの視点がごちゃ混ぜになっていました

正直、すごくわかりづらかった。

いや、あとあともう一度同じシーンがあったりしたので、それで「あ、さっきのはルミ子の視点だったのね」とはわかるわけなんですが……序盤から中盤にかけてが明確に画面上でそう表記されていた分、「んんん?」と首をひねってしまいました。

余分なことを考えると、ふと現実に引き戻される感じてしまうので、もう少し統一感が欲しかったというのが正直なところです。

対比として描かれたルミ子の義母

ルミ子にとっての『母親』と言えば、ルミ子の実母と義母でしょう。

このふたりが、まあ、正反対

ルミ子の実母はまるで聖母のような人柄で、誰に対しても平等で優しく、決して他人のことを悪く言わない愛情たっぷりの人。対して義母は、実の娘や幼いころの清佳は可愛がるものの、例えばルミ子のような自分が認めたくない人にはとことんキツく当たる人。いわゆる『嫌な姑』ですね。

普通に考えれば、実母のほうがよいんじゃないかと思うところ。

ところがどっこい。

なぜか私は、義母のほうに『人間味がある』と感じてしまったんです。自分が気に食わないからと嫁いびり。やっていることはもちろん駄目なんですが、人間であるからには、怒ったり悲しんだりっていうのは持ち合わせて当然の感情なのではないでしょうか。

おそらく、作中で実母が感情的になるシーンが一点を除いてはほとんどなかったので、常に精神が安定しているだとか作中だけでは判断できないだとか言われたらそれまでなんですけれども、その聖母さながらの笑みに違和感を覚えてしまったんだと思います。

でも、そのどちらにも好かれようと頑張るルミ子。

実母が愛してくれているから努力していたわけではない……ということですよね。つまり『母親に愛されたい』というよりは『愛される娘でありたい』と願っていたのではないかと推察します。

説明感のあるナレーション

ほとんどが回想シーンのようなものなので、仕方ないと言えば仕方ないんですが、特に序盤から中盤にかけては主要人物のナレーションで進んでいくので、どうしても説明感が出てしまっていました

説明的なストーリーが苦手な人には、ちょっと向かないかも。

テンポは良いけれども、淡々とした雰囲気で進んでいきます。

ミステリーらしくないミステリー

イヤミスの女王・湊かなえ先生の作品ということもあって、ジャンルとしてはミステリーとされている本作ですが、あまり謎解き要素はありません

長澤まさみさん主演の「MOTHER マザー」や、柳楽優弥さん主演の「誰も知らない」のような作品のほうが似ているように感じました。

作中の謎(ミステリー)と言えば、清佳が台風の中どう助かったかということぐらいだと思いますが、清佳本人が忘れているだけで、見ているほうはルミ子視点の話の中ですでにわかっていますしね

描かれる現実味の無さ

父親(田所)と母親(ルミ子)、娘(清佳)の3人で暮らし、頻繁にルミ子の実母が訪ねてきていた家のことを、清佳は『夢の家』と表現していました。

まさにその通りの家で、彼らが住んでいたのは、周囲の光景が広く描写されているわけではないけれども、森のような場所にポツンと建てられた小屋(コテージ)のような家。これにはどこか現実から隔離されているような印象を受けました。

また、その家自体もふんわりとした優しい色合いになっています。そう、まるで童話に出てくるようなおうち

いつまでも母親の娘でいたい、母と娘(自分)だけの世界でありたいルミ子にぴったりです。

そこがルミ子の世界で、すべてだったんだろうなと思わずにはいられません。擦れていないと言えば聞こえはいいけれど、優しくすべてを受け入れてくれる母親から有り余る愛情を受けて育ったばかりに、他を全部排除してしまった。

本当に子育てって難しい(二度目)。

ルミ子の実母について、ここでもうひとつ「えー!?」と思ったことがあるんですが、いくら心配だとはいえ、普通、結婚した娘の家(夫もいる)にそう頻繁に行きますか? え、もう少し気を遣わない?

さぞ、田所も居心地悪かっただろうなあ、とは思うわけですよ。

ただ、ルミ子にとっては夫となった田所でさえ、まあどうでも良かったのでしょうけれどもね。実際、作中でも必要最低限の会話しかしないという感じでしたし。

そんなこともあるので、ルミ子の実母もどこか現実離れした(常識に欠けた)人なんだろうなと感じました。

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映画「母性」が好きな人におすすめの作品

映画「母性」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

  • 「MOTHER マザー」(2020)
  • 「誰も知らない」(2004)
  • 「きみはいい子」(2015)
  • 「子宮に沈める」(2013)
  • 「空白」(2021)

まとめ:湊かなえさんファンは絶対に好き

正直、湊かなえさんのものとしては少し毛色が違う作品かなと感じました。

ただ、湊かなえさんらしい人間描写は相変わらず。湊かなえ作品ファンならこの世界観にのめり込むこと間違いなしです。

賛否両論あるようですが、個人的にはかなり好きでした。

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