
ムーン・ウォーカーズ [DVD]
映画「ハリー・ポッター」シリーズ(2001~)のロン役で一躍有名になり、「ノック 終末の訪問者」(2023)にも出演したルパート・グリント主演の作品です。
正直、好き嫌いに分かれそうな映画だなあという印象ですが、私は好きでした。世に出回っている都市伝説(陰謀論)が良い感じのブラックコメディーに仕上がっています。
本記事は2025年04月22日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
みんなで映像制作したらとんでもないことに。
作品情報
タイトル | ムーン・ウォーカーズ |
原題 | Moonwalkers |
ジャンル | コメディー、スリラー、アクション |
監督 | アントワーヌ・バルドー=ジャケ |
上映時間 | 94分 |
製作国 | フランス、ベルギー |
製作年 | 2015年 |
公開年(仏) | 2015年 |
レイティング | R15+ |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
時は1969年。月面着陸がなかなか成功しないことにもどかしさを感じていたアメリカ政府は、月面着陸成功の映像を捏造することに。その任務を命じられたCIA諜報員のキッドマンは、スタンリー・キューブリック監督に映像の作成を以来するためロンドンに向かった。しかし、エージェント・オフィスに偶然居合わせたジョニーに、制作費を騙し取られてしまう。自らが騙されたことに気がついたキッドマンは、ジョニーのもとへ向かうのだが――。
主な登場人物
(敬称略)
ジョニー – Johnny(演:ルパート・グリント)
とある売れないバンドのマネージャーをしている借金まみれの男。金を工面するために知人のエージェント・オフィスを訪ねたはいいものの、色よい返事はもらえず困っていたところ、大金を持ったキッドマンが現れたので騙し取ることに。
キッドマン – Kidman(演:ロン・パールマン)
ベトナム戦争を経験したCIA諜報員。上からの命令で、キューブリック監督に映像制作を依頼するためロンドンに降り立つ。エージェント・オフィスに居合わせたジョニーを映画プロデューサーだと勘違いし、制作費として用意していた大金を渡してしまう。
レオン – Leon(演:ロバート・シーハン)
ジョニーの相棒的存在。キッドマンと依頼の話をする際に、スタンリー・キューブリック監督に成りすます。
映画「ムーン・ウォーカーズ」の感想
映画「ムーン・ウォーカーズ」の感想です。ルパート・グリント主演の作品ということで観てみたのですが、これが思いの外面白かった!
ベースはあの都市伝説
本作は「月面着陸映像が、実はスタンリー・キューブリック監督が作った映像だった」という都市伝説をベースに作られたブラックコメディー×アクションです。
アポロ11号の時なんて全然生まれてもいなかったので、いまいちピンと来ていなかったというか、「へえ、そんな都市伝説あったんだ……まあ、SF映画といえばみたいなところあるもんな」とぼんやり思う程度だったんですが、まさかこのような形でお目にかかることになろうとは。
スタンリー・キューブリックといえば「2001年宇宙の旅」(1968)。アポロ11号の月面着陸成功(つまりこの物語)が1969年のことなので、記憶に新しいキューブリック監督というアイデアが出てきたんでしょうね。
頼りになるのかならないのかできる男風のキッドマン
ベトナム戦争帰りのCIA諜報員キッドマンを演じたのは、映画「ロスト・チルドレン」(1995)や「ヘルボーイ」(2004)で知られるロン・パールマン。
この人が強いんだか弱いんだかな感じで(笑)。いかにも「最強!」というふうに登場するんですが、ベトナムでの経験がトラウマになっているようで、よく幻覚のようなものを見ている(人として理解はするし、本当に大変そうだとも思うけれど、こんな重要な任務は任せないでやってよな気分)。
しかも、ジョニーみたいに口もたいしてうまくない奴にすーぐ騙される(笑)。
なお、キッドマンのトラウマはストーリーにほぼほぼ関係ありませんでした。「関係ないんかーい!」と思わずツッコんでしまいましたよ。
三つ巴!……三つ巴?
結局、ごっちゃごちゃになってようわからん状態になるのも好きでした。
借金取りチーム×CIAチーム×撮影チームの三つ巴。いやあ、入り乱れていましたねえ。たぶん、みんな誰が誰だかわかっていなかったんじゃないかな。というか、ジョニーたち以外は互いに「誰!?」状態で戦っていたはず。
この「意味わからんけどとりあえずやっちゃえ!」みたいなカオス具合が◎。
最推しはレオン(これで決まり)
ちなみに、私がぶっちぎりに好きだったのはレオンくんです。最推し。
映画のことなんてまったく詳しくないのに、ジョニーに言われてスタンリー・キューブリック監督っぽく変装したら、すっかり映画監督の気分になってしまい、ジョニーに与えられた任務を忘れてしまうというお茶目な男。
緊張したら良くないお薬をやってしまうというオマケつき。
あるシーンでジョニーに対し「ジョニーの顔がタンジェリン(みかん)サイズに見える! 体は普通(サイズ)なのに!」と騒ぎ、どうしようもない男ジョニーにさえ呆れられていたのがおかしすぎて。なんか、すべてに悪意や悪気がなく、可愛いわってなる。憎めないというか。
これはあれですね、「この人は私がいなきゃ駄目なんだわ!」と思わせるタイプ。そう、ダメンズ。でもやっぱり可愛い。
血は飛ぶけどグロくはない(謎)
あとは、そうですね。
血は飛び交います。というか、首が飛び交います(?)。キッドマンとか、あんなに抜けているのにやっぱり強くて容赦なし。雰囲気だけは「自分、任務を遂行するだけですから(キリッ)」みたいな感じです。
だけど、謎の爽やかさでグロさをカバー! あまり生々しくなく、ここら辺も(ブラック)コメディー味があるので、見ていて嫌な感じはしませんでした。そんなにグロ耐性がなくても大丈夫なんじゃないかな。
映画「ムーン・ウォーカーズ」が好きな人におすすめの作品
映画「ムーン・ウォーカーズ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- バイオレント・ナイト(2022)
- ハロウィン・キラー!(2023)
- ジョジョ・ラビット(2019)
- ヴィーガンズ・ハム(2021)
まとめ:ちょっと下品だけど
賛否に分かれるだろうなと思った理由として、ちょっと下品だったというのが挙げられます。面白かったけど、なんていうか、品はない。普通に。
でも、まあ、ルパート・グリントを堪能するなら良いかも。個人的には、想像していたものより(期待値が低かったからか?)面白く感じました。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 42% Popcornmeter 43%
IMDb
6.1/10
Filmarks
3.2/5.0