
死霊館のシスター(字幕版)
「死霊館のシスター」の感想です。
コリン・ハーディ監督によるホラー映画。タイッサ・ファーミガ主演。
映画「死霊館」ユニバースの5作目にあたる作品です。全作品の中で、時系列的にはこれが一番最初になるのかな。ラストまでしっかり面白かったです。
本記事は2025年11月23日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
とあるシスターの自殺を調査するために送り込まれた2人が今、悪魔と対峙する。
作品情報
あらすじ
1952年、ルーマニア。とある修道院でひとりの修道女が自ら命を絶った。彼女の死に不可解な点が多いと判断したバチカンは、バーク神父と見習いシスターのアイリーンを派遣し、調査することにした。自害した修道女の第一発見者である青年のフレンチーと共に、2人は悪魔ヴァラクと対峙することになる――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
アイリーン
(演:タイッサ・ファーミガ)
見習い修道女。バーク神父と共にルーマニアの修道院を訪れる。
バーク
(演:デミアン・ビチル)
神父。アイリーンと共にルーマニアの修道院に派遣され、自殺した修道女についての調査に乗り出す。
フレンチー
(演:ジョナ・ブロケ)
自殺した修道女の第一発見者。アイリーンとバークを修道院まで案内する。
ヴァラク
(演:ボニー・アーロンズ)
シスターの形をした悪魔。
オアナ
(演:イングリッド・ビス)
修道女。修道院の中で、アイリーンに修道院の歴史にまつわることを明かす。
映画「死霊館のシスター」の感想
映画「死霊館のシスター」の感想です。これは最後まで観て「え、あ、あー!」ってなるやつ(なった)。
主演タイッサ・ファーミガ
本作で主人公アイリーンを演じたのはタイッサ・ファーミガ。
「死霊館」ユニバースとして一作目から連続して通しで観ていたので、キャストとかあまり気にしていなかったんですが、最初から「なーんかどこかで見たことあるような……?」と思っていたんですよね。で、鑑賞後にキャストをチェックしたところ、これまたやっぱり「なーんかどこかで聞いたことあるような……?」と。
タイッサ・ファーミガ、「死霊館」シリーズのウォーレン夫妻(ロレイン・ウォーレン)を演じたヴェラ・ファーミガの妹なんですね! どうりで似ているわけだ。
姉妹で「死霊館」ユニバースに出演するなんてすごい。
ルーマニアには行ったことがない
ここからは内容的なお話になりますけれど、バチカンに「ルーマニアの修道院で自殺した修道女について調査を頼む」と言われたバーク神父。
同様に「ルーマニア出身で、現地に土地勘のあるシスター・アイリーンを連れて行くように」と指示され、アイリーンに会いに行くわけですが。いざ対面してみたら、アイリーンは修道女ですらなく(見習い)「え、ルーマニアには行ったこともありませんが……?(困惑)」というあのシーン、ちょっと待ってくれー! となりました。
バーク神父曰く、バチカンがすることだから意味があるのだろうみたいな感じでしたが、その前にもう一度確認してほしくない? って。本当に勘違いや手違いで、アイリーンじゃない別の人を送ろうとしていたかもしれないじゃん? アイリーンとしても不安になるわーと思いながら観ていました。
でも、時代的にも「上の言うことは間違いない(疑問を呈するのは許されない)」というのはあったのでしょうね。
悪魔の格好の標的
悪魔は人間の心の弱い部分につけ込んでくるということでしたが、この点においてはバーク神父もアイリーンも、どちらに取り憑かれてもおかしくない過去がありましたね。
このあたりもツッコミどころ満載で……まあ、過去についてというよりか、「絶対何かあんじゃん!」と思ってしまうシーンがあったということなんですけれど。昔、幼い少年を助けられなかったことを悔やんでいるバーク神父が、その少年が目の前に現れてうっかりついて行ったところ、掘られていた墓穴の中にスポーンと嵌まってしまうという。
いかにも悪魔が出そうなこの場所で、死んだはずの人間が現れたらそりゃあ何かヤバいことが起きるに決まっているでしょうにね。バーク神父、うっかりすぎる。
ほぼほぼ個人プレイ
それから、ほぼほぼ個人プレイに終始してしまったのはちょっと物足りないなと思う部分でもありました。
なんかね、こう、もっとね。バーク神父、アイリーン、フレンチーの協力プレイがあっても良かったんじゃないかと。アイリーンはひたすら祈っているし、バーク神父はたいして活躍しないし、フレンチーは戻ってきたはいいけど結局何したっけ? という感じだし。
雰囲気は好きだったし、ヴァラクについてもなるほどねえと納得(理解)はしたので、そこら辺を楽しむタイプの映画でした。
味方でも普通に怖い
あと、中には「生きていると思っていたのに実は死人だった!?」みたいな展開もあるんですが、割とサラッと流されていて、でもよく考えるとめっちゃ怖いな!? と思ったりしています。
敵、味方にかかわらず幽霊って怖いよねという話。
よく、近しい人が亡くなって「幽霊でもいいから会いに来てくれないか……」というようなことを口にしている描写(漫画なり小説なり創作物で)があったり、実際に人がそう言っているのを耳にしたことがあったりもするんですけれど、個人的には「幽霊は嫌だよ……」と思ってしまう。ビビりなので。どんなに愛していた人でも、幽霊になって現れたら超絶ビビりまくる自分しか想像できない。ホラー映画は好きだけどビビりなので!(二度目)
自分がこの「生きていると思っていたのに……(略)」みたいな状況になったら、あんなに落ち着いていられないと思う。
十字架を引っこ抜くフレンチー
フレンチーのあのシーンも爆笑ものでしたね。
「魔除けだ!」とか言って、墓地に立てられている十字架を引っこ抜き(笑)、脇に抱えて去って行くところ。予想外すぎる行動。信心深いか否かは置いておいて、十字架を引っこ抜くってだいぶ躊躇われる行動であるはずだけど、フレンチーはそれを平然とやってのける。
実際、町までは戻れたんだから一定の効力はあったのかな。
あのシーンには思わず「嘘だろ!?」とツッコんでしまいました(笑)。面白すぎる。
でもあれって、考えてみれば興味深いところでもあったなと。フレンチーはたぶんそんなに信心深い人ではなくて、そんな人なのに「魔除けだ!」と十字架を持って行く矛盾(その前に怖いことや不可解なことがあったから多少信じる気になったのか)。しかし、多少信じる気になったのだとしたら、死者のために立てられた十字架を持って行くなんて行動はできるはずもなく、やっぱり矛盾している。
ちなみに、フレンチーだけが神頼みしようとするシーンも好きでした。神様って願えば願っただけ何かを叶えてくれる都合の良い存在じゃないですもんね。行動するより先に「神頼み」が出てくるフレンチーはまさしく聖職者とは違うということだと思います。
アイリーンとロレイン
というか、特殊能力を持っている点について、アイリーンとロレイン(ウォーレン妻)はやっぱり何かしらのつながりがあるんでしょうかね。
ここに姉妹のヴェラ・ファーミガとタイッサ・ファーミガを起用したのも意図したものなんじゃないかと思ってしまいます。気になる!
映画「死霊館のシスター」が好きな人におすすめの作品
映画「死霊館のシスター」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- インシディアス(2010)
- シックス・センス(1999)
- ヴァチカンのエクソシスト(2023)
映画「死霊館のシスター」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年11月23日)。レンタル作品等も含まれます。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:怖くはないが面白い
たぶん、自分がエクソシスト系ホラーに恐怖をあまり感じないタイプだからなんでしょうが、怖さレベルはそこまでという感じでした。
でも、雰囲気は好きだし普通に面白い。ヴァラクも良い。あの存在感、素晴らしいですよね。さすが死霊館のスピンオフになるだけのことはあります。
ツッコミどころも含め、楽しめる作品でした。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 24% Popcornmeter 35%
IMDb
5.4/10
Filmarks
3.4/5.0

