
プレゼンス 存在 [DVD]
映画「プレゼンス 存在」の感想です。
一言、不思議な映画。
面白いとか面白くないとかじゃない。面白いかと言われればそんなことはないけど、じゃあつまらないのかと言われればそれもしっくりこない、みたいな。
静かで、不思議な映画でした。

映画「プレゼンス 存在」の見どころは……
- 視点が幽霊。
- 崩壊寸前の家族を見守るしかない無力感。
- 家族という存在。
本記事は2026年02月23日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
作品情報
| タイトル | プレゼンス 存在 |
| 原題 | Presence |
| ジャンル | ホラー、ヒューマン |
| 監督 | スティーヴン・ソダーバーグ |
| 上映時間 | 84分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2024年 |
| 公開年(米) | 2025年 |
| レイティング | PG12 |
| 好きレベル | ★★★☆☆ |
あらすじ
息子を溺愛する母親に、悪友とつるむ息子、母親の決定にすべて従ってきた父親、そして、親友を亡くしたばかりの娘。今にも崩壊しそうなある家庭を見つめる視線がひとつ――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
クロエ
(演:カリーナ・リャン)
一家の娘で、タイラーの妹。知人を立て続けに2人も亡くし、そのうちのひとりが親友だったことから、塞ぎ込みがちになっている。
タイラー
(演:エディ・メデイ)
一家の息子で、クロエの兄。普段、クロエのことを鬱陶しがっているところもあるが、嫌いなわけではない。母親から溺愛されている一方で、クロエに対する態度には疑問を抱いている。
レベッカ
(演:ルーシー・リュー)
一家の母親で、バリキャリ。一家の決定権を握っていた。クロエのことはそっちのけで、タイラーのために引っ越しを決意するなど、息子のことを溺愛している。
クリス
(演:クリス・サリヴァン)
一家の父親で、穏やかな性格。リーダーシップを発揮するレベッカを好ましく思い結婚したが、息子ばかりを溺愛するレベッカに疑問を抱き始めている。
ライアン
(演:ウェスト・マルホランド)
タイラーの悪友。レベッカとの距離も徐々に近付いていく。
映画「プレゼンス 存在」の感想
映画「プレゼンス 存在」の感想です。面白いのは面白いというか、アイデアは良いけど、期待したほどじゃなかったかなという印象。
幽霊視点で展開
本作は、基本的に幽霊視点で展開していきます。
幽霊POV。
一言も「幽霊がいる」という言葉は出てこないのに、登場人物の視線や行動、カメラワークなどでそれがわかるようになっている演出はすごいと思います。わりとすぐ「あ、これ幽霊的な何かがいるんだ」って察しましたもんね。
なかなか斬新なアイデアです。
ただ、これ一本で押せ押せ! みたいな感じなので、正直、つまらないとまではいかないまでも、途中からマンネリ化してしまった感じがしました。
見守るしかない無力感
なにぶん、本作は幽霊POVですので、この幽霊にできることは多くありません。できたとして、多少物を落としたり照明をチカチカさせたりすることぐらい。自分の家で同様のことが起きたら「ポルターガイストだー!」ってなる感じの。
ということで、鑑賞中に覚える無力感は半端ないです。
母親のレベッカが息子タイラーを溺愛し、娘のクロエをぞんざいに扱っていても。タイラーが悪友とつるんでいても。父親のクリスがなにやら思い悩んでいる様子だったり、レベッカと険悪な雰囲気になったりしていても。クロエが悪い道に引きずり込まれようとしていても。
それをただ見守るしかない。
と、同時に、この幽霊がポルターガイスト現象を引き起こすタイミングなどを見るに、悪いものなどではなく、むしろ一家の手助けをしようとしているのだろうということも察せられます。特にクロエのことを注視している感じ(まあ、クロエが一番危うい感じでしたしね)。
覚醒する父親
崩壊しかけていた家族をギリギリ引き留めたのは、やっぱり父親のクリスだったと思う。
序盤では頼りなく、レベッカの決定どおりに従っていたクリスが「俺たちの子どもは2人だぞ」と主張したときには「そうだそうだー!」と援護したくなりました。たぶん、幽霊も同じ気持ちだったと思う。
もうね、母親が完全に(今で言う)毒親なんですよ。
息子のことを溺愛していて、息子はたぶん水泳で結果を出しているのかな? トレーニングに丁度良い学校の近くにある家だからって、家の購入を即決。夫はほんのり反対していたけど、結局「息子のためだから」と聞く耳持たず。それに対して、おそらく意味もなく大きく環境が変わるであろう娘に対しては「それが人生よ」みたいにサラッと流すだけ。
友人を亡くして塞ぎ込んでいる娘を心配した父親が「カウンセラーを……」と提案しても、「時間が解決してくれるでしょ」と言うぐらいで、何もしない選択をする。これが息子だったら必死になって最良のカウンセラーを探し出しただろうなと想像できてしまうだけに、つらい。
溺愛されている息子本人が「でもクロエは?」と疑問に思うほどですからね。圧倒的に息子を優先していて、それを母親自身自覚していながらも、特に直すつもりがなさそうなのもグサッときました。
面白い隠れ場所
あと、話の本筋には関係ないのですが、この幽霊の隠れ場所が面白すぎました。
この幽霊、誰かに見つかりそうになったり(実際には見えないので見つからないんだけど)、誰かが気配を感じ取ったりすると、クロエの部屋のクローゼットに逃げ込むんですよね(笑)。そこが落ち着くのかい? と毎回思っていました。
まあ、劇中登場した霊能者の話では、幽霊自身戸惑っているみたいな話だったので、びゃっ! とビビったら暗くて狭いところに駆け込んでしまうということなのでしょう。でも面白かった。
過去も未来もない
ちなみに、この霊能者が言うには、人間以外のプレゼンス(存在)は
過去も現在も同じで“今”が分からない。
とのことなので、時の概念が人間とは違うということなんでしょうね。
で、この言葉が幽霊の正体につながっているわけですが、できる限り大きなネタバレは控えたいので、ここで詳細を語ることはしません。
ただ、この言葉のおかげで、ラストのあの描写に謎が残ることもなくスッキリ終わったというのはあります。正直、若干ミスリードは甘かったかなと思わないでもないけれど。
血のつながりを感じる
ライアンが、クロエに対して「君に決定権をあげるよ」と何度か口にして、クロエがちょっとうれしそうなの、毒親であっても血のつながりは否定できないんだなと感じました。
というのも、クロエの母親レベッカも「自分に決定権がある状態を好ましく思う人間」なんですよね。父親であるクリスは、それを好ましく思って結婚した。堂々としている人って格好良く見えますし、気持ちはわかる。特にクリスの場合、自分にないものに憧れたというのはありそう。
あとは、苦手としていた自分の母親もどちらかと言えば支配的な人だったっぽいし、なんだかんだ言って、親と似たタイプの人を選んでしまったという線もある。
そういうふうに、クロエも母親のことを好ましく感じていたわけじゃないと思うけれど、同時にうっすら憧れもあって、結局自分も「そちら側」に立ちたいと思ってしまったのだとしてもおかしくはありません。家族の物語としては、まあ面白かったかな。
でも、幽霊POVは静かすぎて物足りない部分もあったという感じ。それよりも、このあとの一家がどうなるのかがちょっと気になります。
映画「プレゼンス 存在」が好きな人におすすめの作品
映画「プレゼンス 存在」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ヴィジット(2015)
- シークレット・オブ・ハロウィン(2016)
- イマジナリー(2024)
- HERE 時を越えて(2024)
映画「プレゼンス 存在」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年02月23日)。レンタル(有料)作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD(PREMIUM) |
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まとめ:アイデア自体は面白い
アイデアが面白い。
これに尽きる映画でした。
面白いのかそうじゃないのかすら判断しづらいような、不思議な雰囲気があったりもして。物足りなさがありつつも、空気感はなかなかに楽しめましたね。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 88% Popcornmeter 52%
IMDb
6.1/10
Filmarks
3.4/5.0

