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映画「ラストマイル」あらすじ・感想|ハラハラして面白い!キャストが豪華でテンション爆上がり!

ラストマイル_感想タイトル サスペンス

ラストマイル

「ラストマイル」の感想です。

公開当初、SNS上でよく見かけたタイトル。気になってはいたんですが……なぜだかずっと「ラストスマイル」だと誤って覚えていました。

なんといってもキャスティングがよいですね!

本記事は2025年09月18日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。

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ワンフレーズ紹介

物流業界の課題に――切り込む!

作品情報

タイトルラストマイル
ジャンルサスペンス
監督塚原あゆ子
上映時間129分
製作国日本
製作年2024年
公開年2024年
レイティングG
個人的評価★★★★☆

あらすじ

アメリカに本社を持つ巨大なショッピングサイト「DAILY FAST(略:デリファス)」の日本支社、西武蔵野ロジスティクスセンターのセンター長に着任した舟渡エレナ。その日の夜――ブラックフライデーの前夜。西武蔵野ロジスティクスセンターから発送された荷物が爆発するという事件が起きた。責任者でもあるエレナは、着任早々事態の収拾に追われることになるのだが、それは連続爆破事件の始まりにすぎず――。

主な登場人物

(敬称略)

舟渡エレナ

(演:満島ひかり)

西武蔵野ロジスティクスセンターのセンター長として、福岡からやって来た女性。勝気な性格で、会社の利益を優先に考えることがある。

梨本孔

(演:岡田将生)

西武蔵野ロジスティクスセンターのチームマネージャー。暴走しがちなエレナとはなにかとぶつかる。

五十嵐道元

(演:ディーン・フジオカ)

エレナ直属の上司。「DAILY FAST JAPAN」の統括本部長。

佐野昭

(演:火野正平)

「佐野運送」の経営者で、「羊急便」の委託ドライバー。

佐野亘

(演:宇野祥平)

昭の息子で、見習い運送ドライバー。真面目なのはいいが、羊急便にいいように使われがちな父には複雑な思いを持っている。

八木竜平

(演:阿部サダヲ)

西武蔵野ロジスティクスセンターと契約している運送会社「羊急便」の関東局局長。

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映画「ラストマイル」の感想

映画「ラストマイル」の感想です。正直、あまり期待していなかったんですが(キャストが豪華すぎるだけに!)これがまた、結構面白かった。

ラストマイル=ラストワンマイル

「ラストマイル」。

このタイトルを知った時、あらすじは前もってチェックしていたので「ふんふん、つまり最後のマイル(距離)が何か重要な要素になってくるわけだ」と「マイル」を物理的な距離として捉えていたんですが。

どうやらこの「ラストマイル」は物流用語で「最終拠点からエンドユーザーまで商品を届ける物流の最後の区間」のことを指しているらしい。「ラストワンマイル」とも言うのだとか。ひとつ賢くなりました。

物流業界の課題

で、本作を観て「うわ、すごいなあ!」と思ったわけなんですけれども、それはなぜかというと、物流業界がまさに今直面している課題に真っ正面から切り込んでいたように見えたから。自分は物流業界の人間ではないですし、そこに触れたこともないので、どこまで差し迫った課題であるのかは実感を持っては言えないんですけれども。

と、その前に。

いや、もう本当に無知で申し訳ないんですが、まず日本には「2024年問題」というものがあったんですね。

曰く、

 トラック事業においては、2024年4月から働き方改革関連法施行により時間外労働の上限(休日を除く年960時間)規制等が適用されます。この規制は、「2024年問題」と称され、とりわけ他の業態よりも労働時間が長いとされるトラック事業については、労働時間が制限されることで、①1日に運ぶことができる荷物の量が削減、②トラック事業者の売上げ・利益の減少、③ドライバーの収入の減少、④収入の減少による担い手不足などが懸念されているところです。

(引用元:物流の「2024年問題」とは|東北運輸局

とのことで。

調べてみたら、2030年には約35パーセントの運送能力が失われる試算になっているみたい(何も対策をしなかった場合)。

今や複数のショッピングサイトが取り扱っている「翌日配送!」とか、便利だからたまには使っていたけれど、考えてみれば、あんなの誰かがどこかで相当な無理をしていないと成り立たないシステムだったのかもしれない。時間外労働、ドライバーの高齢化、安い賃金。運送業のそういった過酷な労働環境はさすがに耳にしたことはあったけど。

便利になった世の中だからこそ、思った通りの時間に届けられないとクレームにもつながる。便利すぎるのも考えものですね。便利は不便。

ちなみに、脚本家の野木亜紀子さんが脚本を書いている段階では、この「2024年問題」の話は出ていなかったそう。まるで未来を言い当てたかのようなお話になっていました。

劇中では、まさに先述した時間外労働、ドライバーの高齢化、安い賃金が描かれていました。特に安い賃金。委託ドライバーの佐野親子に払われているお金は、ひとつの荷物に対して150円。たったの! 150円! 自販機でジュースでも買ったらなくなってしまう、そんな金額。しかも、配達しに行って、配達先の人に受け取り拒否をされた場合は0円(まあ、劇中では「爆発物を届けた会社の荷物は受け取りたくない」という特殊な状況ではあったものの)!

なんだそりゃー! ってなりますよね。これは。

これをね、火野正平さん演じる佐野父みたいな年齢の人が昼食を食べる間も惜しんでせっせと頑張っているわけですよ。そりゃあ、息子である亘の苛立ちも複雑な気持ちもわかるというものです。次代の人間にとっては「いいように使われているのになぜ怒らないんだ!」もあるでしょうし、自分の父を搾取している上の人たちへの憤りもあるでしょう。そのうえ、父のもとで見習いドライバーをしている亘にとっては、父の姿は未来の自分の姿でもある。「こうはなりたくない」と思うのが自然なことのように思えます。

ちなみに、劇中ではこのあたりも解決に近付いてはいくのですが、着地点が非常にリアルでした。「ああ、そう。そうだよね……」みたいな。本当にこの脚本はすごい。

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リアルかと言えばちょっと微妙

とはいえですよ。

展開的には、一部リアルさが欠けている部分はありましたね。

まず、配達された商品が配達先で爆発したら、普通は即座に「一時出荷停止!」ってなるだろうし、それこそひとまずなにかしらの声明は出すでしょうね。会社として。でも、エレナはそうしない。警察をうまく利用して出荷を続ける。

エンターテインメント性のある内容ではあったので、違和感こそありませんでしたが、リアルかと言われるとこの辺はちょっと微妙なところだと思います。

搾取する側と搾取される側

一見すると、エレナや五十嵐は搾取する側で、佐野親子や八木は搾取される側……なんですが、見ようによっては、エレナや五十嵐も搾取される側にもなり得るんですよね

現に、五十嵐はアメリカ本社から厳しい目を向けられたりしていますし、エレナはエレナで、センター長に着任したばかりであるにもかかわらず、責任を求められている。搾取する側も、そのさらに上から搾取されている。そんな構造が明らかになっています(これで「私着任したばかりで何もわからないのですけど!? 責任!? なんで!?」とか言わないエレナは偉いよ……)。

歯車がスムーズに回っていない状態で強引に「効率化」を図ると、結局どこかで無理が出るということでしょうね。

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過酷な状況での心の疲弊

もうひとつ思ったのは、人は「簡単に逃げられなくなる」ということ。

こういうブラック企業に勤めてしまったとき、周りの人は割とすぐに「やめたらいいじゃん」「逃げたほうがいいよ」などと口にします。新卒なんかだと、以前は「3年は務めたほうがいいよ」なんていう話も聞きましたが、最近の風潮的にこれは少なくなってきていると感じる。ここ数年の間だと、やべー会社は本当にやべーからさっさと逃げるべし! っていう感じかな?

でも、新卒でブラック企業に勤めて心身疲弊した経験がある身としては、人間、心が追い詰められると、逃げるという選択肢が浮かばなくなるものなんだなあって。頭がうまく働かなくなっているということだと思うんですが。

本作にも、そうして追い詰められた人というのが描かれていました。でもね、そのあとのことがとてもリアルだった。その人がいなくなっても、世界は回る。同じように、会社も回る。誰かが苦しみ、追い詰められていたとしても、世界が、会社が急に優しくしてくれるなどということはない。

劇中に登場する「追い詰められた人」は、まるで過去の自分を見ているようで少し苦しかったかな。今、過酷な労働環境で苦しむ人がいたら、きっとこの人には特に感情移入したのではないかと思う。

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エレナは強いが強くない(逆もしかり)

ちなみに、強い女っぽい感じで出てくる舟渡エレナですが。

たぶんあれは、強い人間ではないと自覚があるからこそ、強いふうに振る舞っていたのだと思う。でも、そんなエレナだからこそっていう映画ではありましたね。おそらく真に「つえー(冷徹な)女」なら、こううまく立ち回れなかっただろうから。まあ、そもそも相手(上司)がアメリカにいる人間だったりもするわけで、弱さを見せたらつけ込まれるみたいなところもあるんだとは思いますけれど。

でも、逆もしかりで、エレナには強い部分も確かにあった

そうでなければ、あんなふうに大立ち回りなんてできなかったでしょうしね。人のある一面だけを見て「この人は強い」「この人は弱い」と断定するのは愚かなことだと改めて感じました。人には弱い部分もあれば、強い部分もあるのが普通だと。

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大人気ドラマと世界観を共有

あとは、そう。

大人気ドラマと世界観を同じくしているのがとてもよろしゅうございました。

具体的には「アンナチュラル」と「MIU404」の2作品。両者とも、塚原あゆ子監督と野木亜紀子さんが関わっていて、「金曜ドラマ」枠で放送されたものですね。

注目すべきはキャスト陣の豪華さ!

チョロっとですが、石原さとみさんや井浦新さん、市川実日子さん、ずんの飯尾和樹さん、松重豊さん、窪田正孝さん、綾野剛さん、星野源さん、大倉孝二さん、などが出演されています。

正直、ストーリー上必要だったかと言うと「特に……」なんですが(この人たちである必要はないよなという意味で)、いかんせん、どちらものドラマを見ていた人間としてはテンション爆上がりでした(笑)。またあのメンバーが見られるなんて! ってな具合に。

変わるには時間がかかる

と、まあ、いろんな意味で楽しめた映画だったんですが、物流業界に限らず、物事を変えるのには多くの時間が必要なのだろうなと感じさせられました。何事も一朝一夕にはいかない。そしてその裏には、劇中の登場人物たちのように頑張ってくれている人たちがいる。

いつかと思うだけでなく、行動に移してくれる人たちがいる。

物流業界と言うと、個人的にはあまり縁のない業界という感じがしていましたが、本作は「いやいや、あなたも当事者のひとりですよ」と訴えかけてくるような映画でした。

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映画「ラストマイル」が好きな人におすすめの作品

映画「ラストマイル」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

まとめ:質の良いサスペンス映画

鑑賞後「かなり質の良いサスペンス映画を観たな……」という感想を持ちました。サスペンスとして良質で、そのうえ、社会問題にも言及している。

絶妙なモヤモヤ感含め、しばらく余韻が楽しめる映画でもありました。

Rotten Tomatoes
Tomatometer ―% Popcornmeter ―%
IMDb
6.6/10

Filmarks
4.0/5.0

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