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映画「グリーンランド ―地球最後の2日間―」あらすじ・感想|イライラする?『そういうとこだぞ』連発の作品

グリーンランド_タイトル アクション

グリーンランド―地球最後の2日間―(字幕版)

ドキドキハラハラが連続するディザスター・ムービーです。

アメリカらしいパニック映画が見たい人におすすめ。ただし、人によってはかなりイライラする場合があるので、そのつもりで見ましょうね。

たぶん、感想は人によるところがかなり大きいのではないでしょうか。

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作品情報

タイトルグリーンランド ―地球最後の2日間―
原題Greenland
ジャンルアクション、パニック、スリラー
監督リック・ローマン・ウォー
上映時間119分
製作国アメリカ
アメリカ公開年2020年
おすすめ度★★☆☆☆

あらすじ

ある日、パーティーのために買い物をしていた建築家ジョン・ギャリティのもとに「大統領アラート」が届く。それは避難命令だった。彗星クラークの破片が隕石となって、地球に落ちるというのだ。ジョンたちは「選ばれし人間」として、避難するために空軍基地に向かうが、息子のネイサンは病を患っているからと搭乗拒否されてしまう。ジョンとはぐれたアリソンは、ネイサンと共に父デイルのもとに向かうことにするが……。

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登場人物

(敬称略)

ジョン・ギャリティ(演:ジェラルド・バトラー)

建築家。夫婦関係はうまくいっておらず、妻とは別居中だった。

アリソン・ギャリティ(演:モリーナ・バッカリン)

ジョンの妻。夫婦関係はもともとうまくいっていなかったが、あることがきっかけで別居をすることになる。

ネイサン・ギャリティ(演:ロジャー・デイル・フロイド)

ジョンとアリソンのひとり息子。糖尿病を患っている。

デイル(演:スコット・グレン)

アリソンの実父。

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映画「グリーンランド ―地球最後の2日間―」の感想

おおまかなストーリーとしてはよくあるディザスター・ムービー。ただ、理由付けや設定などの作り方はちょっぴり下手だなと感じました。

描きたかったのはきっと家族の絆

内容自体は、家族が主役のディザスター・ムービーによくありがちなものでした。

全体を通して、描きたかったのはおそらく「家族の絆」でしょう。ここらへんは、まあ、わかりやすくてよいですね。

ありがちとは言いましたが、結構好きです。こういうの。

ジョンがヒーロー然としていて、頼りになる父親、頼りになる夫という感じ。なにがあっても妻子だけは守り切る! みたいな。

素晴らしいです、ほんと。

真に怖いのは切羽詰まった人間という話

人は、追い詰められたときほど本性が出ると言いますが……個人的には、それは本性というわけではないと思うんですよね。

だって、精神的に余裕がなくなったら、誰だって攻撃的になったり無関心になったりするものでしょ? それを本性と一言で言うのは……ねえ?

つまり、もともと優しい人だって非情になれるんですから、こういった有事の際に人々が荒ぶり、町が荒廃していくのは仕方ないことだと思うんですよね

ただ、この作品においての荒ぶり方というのが、ザ・アメリカン

軍人に詰め寄ったり、過激な暴動を起こしたり、お店を襲撃したり、誘拐を目論んだり。いざ地球が滅亡するかもしれないとなっても、日本人ならこうはならないんじゃないかと思いましたね。

「どうあっても死ぬ確率のほうが格段に高い。っていうか、普通の人ならたぶん死ぬ」となれば、生き残ったあとの世界を想像したり、むやみに人を攻撃したりするのではなく、諦めて「人生の最期をどう過ごすか」を考える人のほうが多いのではないかと。綺麗ごととかじゃなく、だって無理なんだもん。無理。

それなのに、一緒にパーティーをしていた近所の友人たちは、そこまで攻撃的になることなく行かせてくれるという不思議。統一感がなかったのも、違和感を覚える原因のひとつだったかもしれません。

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驚きを通り越してイライラする自分勝手な妻

まず、妻に言いたいこと。

それは……

戦犯はお前だ。

ということ。

いや、夫婦関係がうまくいっていないのは、まあ、しょうがないとして。

作中では夫(ジョン)とはぐれたと言っているけれど、お前が自分勝手に動かなかったら、きっとジョンとは問題なく再会できていたんや……。迷子のときは、その場から動くなと教わったやろ!(え?)

それがどうして「よし、パパ(実父)のところに行こう!」となるのか。避難用の飛行機に乗れなかったとしても、同行を許されていない、おそらく家にいる父親のところになんて行ったってどうしようもないし。そもそも父親が大人しく家にいるかもわからないし。

死ぬ前に父親に会いたいってことだったんですかね。

でも、それにしたってあまり死を覚悟した感じではないような気がする。

それはともかくとして、ジョンと(自称)はぐれたあと……なんならその前の行動も、自分勝手に次ぐ自分勝手

「病気の人間は搭乗できない」と連れ出されたときも、ごねにごねて、そこまではわかるんですが、選ばれし人間しか避難できないとすでにわかっているのに「(息子が病気ではないと)誤魔化してよ! 自分の家族だったらそうするでしょ」云々。

……あのねえ、図々しいにもほどがあるって。

この非常事態にルールを守れとか言っているんじゃないんですよ。そう言いたくなる気持ちもわかる。息子だけは守りたい。気持ちとしては、まさに母親の鑑ですよね。

だけど、当然そう訴えかけている軍人さんの家族は「選ばれなかった人間」だし、そもそも選ばれなかった人のほうが圧倒的に多い中、自分の家族は死ぬのにボランティアで選ばれし人間たちの救出活動をしています。にもかかわらず、「ルールを無視しろ!」と声を荒げる自分勝手なアリソン。

なんとしても息子を助けたかったんですよね、わかる。

でも……そういうとこやぞ、とも思う。

こう、息子を第一に考えているのを表現するための描写なのかもしれないけれど、もうちょっとうまいやり方があったような気がします。

まあ、言っても緊急事態で誰もが冷静になれない状況なので、ここまではまだ良しとしましょう。

それなのに、その後も自分中心な行動が続くせいで、もともとそういう人だったのでは? という気持ちが強くなっていきました。だいたい、何度も言いますが、なぜジョンとはぐれたあとに少しも待たず、遠方の実父のもとへ行こうと思ったのか……。

アリソンはジョンがどこにいるかわからない状況だった。

ただ、「ジョンはきっと飛行機のほうに戻っているだろう」と容易に想像できるわけで。この場合、自分たちを置いてひとりだけ避難してしまうか、自分たちがいないと気づかずひとりで搭乗してしまうか、もう一度戻ってくるかの3択に絞られると思うんですよね。

前者2つのどちらかだと思ったなら何も言わず実父のもとに行けばいいし、後者なら待てばいいだけの話。

「もしかしたら自分たちのことに気づかないで搭乗してしまったかもしれないけれど、戻ってくる可能性もゼロではない。しかし、暴動が起きている中、戻ってくるかどうかもわからない人をずっと待ち続けるのは危険だ。どうしていいかわからないし、父親の安全も気になるからひとまず行動しよう」

勝手に想像したアリソンの行動原理はこんな感じ。

映画作品の中で、視聴者に対し、比喩や行動などにより登場人物の気持ちを想像するよう働きかけるのはよくある話ですが、対して必要でもない部分にいろんな考察ができてしまうのってしんどいですね。それが考察ありきのシーンならまだしも。

パニック映画史上もっとも共感できないヒーロー

以前紹介した「カリフォルニア・ダウン」のように、うまくいっていない夫婦が、危機を乗り越えて絆を再確認するみたいな話はよくありますよね。

本作もその中のひとつにカウントできるとは思います。

ただ、なぜ夫婦関係がうまくいかなくなったのかって、物語上、意外と重要なところだと思うんですよ。

現実では「なんとなく性格が合わないな……」というように、徐々に疎遠になっていくパターンもあるにはあると思うんですが、映画だと、だいたいなにかしらきっかけがあって離婚やら別居やらになっていることがほとんどですよね。

この映画ももちろんそうなんですが、その理由が明らかになったとき、

ちょっ、おま……っ!

と、飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになりました。

そのあとはもう、いくら活躍しても「そんなこと言ってますけどもね、この人実は……」とナレーションが頭の中に流れるし。共感できないな設定付けちゃダメですね、映画には。

少なくとも私には、挽回不可な理由でした。

つまり、この旦那あっての、この妻だなと。お似合い夫婦。

ヒーローに共感できないって、物語として結構致命的じゃないですか?

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映画「グリーンランド ―地球最後の2日間―」が好きな人におすすめの作品

映画「グリーンランド ―地球最後の2日間―」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

  • ジオストーム(2017)
  • カリフォルニア・ダウン(2015)
  • ノウイング(2009)
  • 2020 世界終焉の日(2019)

まとめ:たぶん賛否両論

個人的には「ヒーローもヒロインもいけすかねえ!」という感じだったんですが、全体を通して見ると、まあまあ面白い部分もあり。

たぶん、そこらへん賛否両論なんじゃないかなって思いますね。

ディザスター・ムービーが好きな人にはおすすめです。

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