
THAT/ザット ジ・エンド(字幕版)
「THAT/ザット ジ・エンド」の感想です。
内容もさることながら、「このタイトル(邦題)の付け方は酷いよー!」となる映画。
B級映画を世に送り出し続けているアサイラムの作品です。アサイラム発の映画でも好きなものはありますが、これは「うーん?」と思わずがっくりしてしまうクオリティーでした(でも観た!)。
本記事は2025年12月01日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
フェスに向かおうとしていた若者たちが、お化け屋敷的な何かでわちゃわちゃするだけ。
作品情報
| タイトル | THAT/ザット ジ・エンド |
| 原題 | Clown |
| ジャンル | ホラー、スリラー、B級映画 |
| 監督 | エリック・フォースバーグ |
| 上映時間 | 88分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2019年 |
| 公開年(米) | 2019年 |
| レイティング | 不明 |
| 個人的評価 | ★☆☆☆☆ |
あらすじ
1994年、ネバダ州にあるとある町をサーカスの一団が訪れた。しかし、司祭が彼らを悪魔の化身と断じたことにより、町人たちの手で団員が皆殺しにされてしまう。それ以降、町には人ひとり住んでいなかった。が、事件から25年が経ったある日、フェスに向かう若者たちが町に迷い込む。若者たちは、町にあったファンハウス(お化け屋敷)に入ってしまい――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
オースティン
(演:アダム・エルシャー)
先陣を切って弟デイヴィを捜す。勇敢で、友人たちを励まし続ける。
サリー
(演:オードリー・ギッブス)
サラの妹。ゴーディと共に行動する。
サラ
(演:ミカヴリー・アマイア)
サリーの姉で、はぐれたサリーのことを心配している。
ゴーディ
(演:サム・ラザルス)
ふくよかな体型の青年。サリーと行動中、足を負傷。
ジリアン
(演:カミーユ・ワームサー)
眼鏡の女性。友人が入るならと、一緒にファンハウスに突入。
デイヴィ
(演:テイラー・ワトソン・スーペル)
オースティンの弟。砂漠での休憩中、ひとりでその辺を探索しているうちにファンハウスに辿り着く。
ピエロ
(演:デイヴ・クレック)
オースティンたちに襲い掛かるピエロ。
映画「THAT/ザット ジ・エンド」の感想
映画「THAT/ザット ジ・エンド」の感想です。「アサイラムー! やってくれたなー!」という映画でした(笑)。
アサイラム、やってんな!
あー! 騙された!(笑)
思わずそう言ってしまいたくなる映画でした。
いやね、そもそも私、これを完全に「THAT/ザット」(2016)の続編だと思って観始めたんですよね。まあ、そもそも「THAT/ザット」自体、明らかに「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」(2017)を意識した邦題ですけれど。米国公開は「THAT/ザット」(2016)のほうが早いんですが、B級映画なので日本ではまあDVDスルーで、DVDになったのが2018年とかだったと思う。
なのに、冒頭、画面に浮かび上がる「アサイラム」の文字。
「う、嘘だろー!?」ってなりました。それでもなお観進める。やはり内容も雰囲気もまったく違う。中盤ぐらいまで観てやっと「これ、続編じゃないな!?(確信)」とがっくりしました(遅い)。
アサイラム、やってんな。
とは思いましたが、邦題をつけたのはたぶんアサイラムじゃないと思うので、邦題つけた人、ちょっとダメでしょこれー! って感じでした。
なぜ!?が続く
基本的に、登場人物たちの行動が一切わかりませんでした(笑)。
まず、フェスに向かう途中で休憩しているだけなのに、散策というにはあまりに遠くまでふらりと行ってしまうデイヴィ。そしてなぜだかファンハウスに入ってしまう。
続いて、デイヴィを捜しに来た兄オースティンをはじめとした仲間たち。たいして周りをチェックしていないのに「ここ(ファンハウス)にいると思う! 入ろう!」と自信満々に入っていく。
全体的に謎。
デイヴィの行動がなければ話が始まらないのはわかっているんですが、もし自分がこの中にいたらと想像したら「なんなんだ、こいつは!?」となる。この状況でフェスに遅れそうというのが一番嫌だ。
なぜそんなことに!?(なぜそんなことを!?)というのがひたすら続くような映画でした。
ピエロのバックボーン
「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」や「THAT/ザット」とは異なり、本作に登場するピエロはちゃんと人間でした。別にネタバレでもなんでもないので言ってしまいますが。
もうね、最初は完全に「THAT/ザット」に引きずられていたので、「さすがB級。ピエロなのに普通に人間の男が暴れているみたいだわー」と思っていたのですが(笑)、れっきとした人間でした。「プー あくまのくまさん」(2023)とか、B級映画ならではのチープさゆえに、人外がマスクを被ったただの大男に見えてしまうみたいなことかと思ったんですけどね。
ただ、このピエロは今までどうやって生活してきたのか。謎すぎます。
ピエロと化してしまった理由は劇中で語られますが、そもそもあんな場所にそうそう人は訪れなさそうだし。人を襲うのに慣れていなかったからこそのあの不器用さなんですかね。オースティンたちが邪魔しなければ、ひっそりと狂い死んでいくだけの命だったのかも。
ワンチャン逃げられそう
ピエロから逃げている時、おそらくほとんどの人がしたであろうツッコミ。
これ、壁板突き破ったら出られるんじゃない!?
いや、みんななんかお行儀よく出口を探していましたけどね、こちらにはアメフト部員も重量がありそうな男子も、マッチョな男子もいたわけで、いっせいに体当たりでもすればワンチャン逃げられたのでは? と思ってしまう。それを試してさえいなかったのが違和感でしたね。
アメフト部員2人が「俺らはアメフト部だ!」「ピエロに攻撃すればワンチャンいけるだろ!」とビビりながらも意気込んでいるシーンなんて、「違う! 先に壁をぶち破ってみるのです!」と助言してあげたくなりました。隙間だらけの板張りの壁ですからね。
っていうか、ピエロが人間である以上、人知を超えた力が働いていたとは考えにくく(実際、オースティンたちを襲う際も自力で攻撃してきているし)、あの壁さえぶち敗れれば逃げられたはず。悲しい。
ワンチャン勝てそう
これ、敗因はたぶん全員してビビっていたことで、そうじゃなかったら普通に無事に帰還できた案件だったと思うんですよね。
というのも、先述した通り、このピエロは生身の人間。
なので、ピエロを全員で待ち構えて死に物狂いでボコボコにしたら絶対にいけた。オースティンたちが逃げたらなかなか追いつけないぐらいの運動神経しかない奴だと思うので。アメフト部員2人で押さえ込んでさ、マッチョなオースティンと弟デイヴィ、重量がありそうなゴーディでひたすら殴る。
でも、これができなかったのは、登場人物たちが軒並み怖がっていたのと、「妹を逃がさなきゃ」「弟を捜さなきゃ」みたいに他人を優先したりしていたからですね。きっと。
そういうのも含め、ツッコミどころ満載の映画でした。
映画「THAT/ザット ジ・エンド」が好きな人におすすめの作品
映画「THAT/ザット ジ・エンド」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- カウントダウン(2019)
- ザ・ウォード/監禁病棟(2010)
- YOGAN―ヨウガン―(2011)
- サマー・シャーク・アタック(2016)
映画「THAT/ザット ジ・エンド」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年12月01日)。レンタル作品等も含まれます。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:しっかりB級クオリティー
「THAT/ザット」がB級映画にしては丁寧な作りだなと感じたからだと思うんですけれど、本作はちゃんとB級クオリティーだなと(笑)。
B級映画だと、このチープさがある意味安心するまであります。普通の映画(?)とB級映画ではやっぱり楽しみ方が変わってきますよね。
とはいえ、ツッコミどころがあまりに多すぎていまいち楽しみきれませんでした。
Rotten Tomatoes
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IMDb
2.6/10
Filmarks
1.8/5.0


