
フローズン・ブレイク(字幕版)
「フローズン・ブレイク」の感想です。
ロシア発のB級映画!
雪山のゴンドラに乗ったら途中で故障! 上空60メートルで立ち往生! というあらすじのお話。ツッコミどころがまあまああって面白かったです。
本記事は2025年12月24日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
嘘を吐いてまで無理矢理ゴンドラに乗り込んだ若者たちの末路。
作品情報
あらすじ
雪山で年越しをするため、真冬のスキー場を訪れた若者5人組。ゴンドラの予約時間に遅れるも、スタッフを説得し半ば強引に乗り込もうとした5人だが、うち1人は忘れ物をしたために離脱した。残り4人はゴンドラを使用しさっさと上へ向かうも、思わぬトラブルが発生し、ゴンドラが止まってしまうのだった――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
カーチャ
(演:イリーナ・アントネンコ)
キリルの恋人で、妊娠中。キリルに妊娠のことは告げておらず、別れようか迷っている。
キリル
(演:アンドレイ・ナジモフ)
カーチャの恋人。山頂でプロポーズしようとしていたが、肝心の指輪をどこかに忘れたと思い離脱。
ヴィク
(演:イングリッド・オレリンスカヤ)
カーチャの友人で、デニスの恋人。
デニス
(演:デニス・コシァコフ)
ヴィクの恋人。リーダーシップがあり、率先して状況の解決を図る。
ロマ
(演:ミハイル・フィリポフ)
キリルらの友人。短気で小心者。
映画「フローズン・ブレイク」の感想
映画「フローズン・ブレイク」の感想です。設定こそ「フローズン」(2010)と似ているけど、完全に似て非なるものでした(笑)。
若者たちの自業自得なストーリー
基本的に、若者たちが自業自得で宙ぶらりんになる話でした(笑)。
まず、山頂で年越しをするため、夜にゴンドラを予約していたらしいのですが、その時間に遅刻する。「もう閉じた」「規定上、今からじゃ乗せられない」と断られるも、金をちらつかせ、それでも駄目なら嘘を吐き情に訴えて無理矢理乗り込む。
この時点で、だいぶ「なんじゃ、こいつら?」となります。No means Noなんですけどね。ルールで決まっているから無理と断っても聞き入れない若者、怖すぎる。
なお、先述した通り、タイトルと設定が似ている「フローズン」(2010)とはまったく異なるお話です。
焦るのが遅い
そして、この呑気な若者たちは焦るのも遅い。
ゴンドラが停止したのに、そのまま中でシャンパンパーティーとかしだしちゃったりして、翌朝になってやっと焦りだすというね。その前に、一度停止してまた動き出すという展開があったからか、随分と呑気に構えていました。
こういうだいたい誰にも感情移入できない系の自業自得展開、意外と好きです(笑)。
っていうか、カーチャなんて「妊娠してるかも」とか言いながら真冬の雪山に来ていますからね。「私、一番真面目ですけど」みたいな顔をしているけど、そんなこともない。
ツッコミどころ満載
ツッコミどころもかなり多いです。
先述した、焦るのが遅すぎるというのもそうなんですが、個人的に「嘘だろ!?」と思ったのはカーチャの言葉。
助けが来ないので、脱出を試みようということになるんですけれども、ゴンドラの中にあったロープとハーネスで誰が下に降りるかという話になる。そこで、デニスは「自分が降りる」と言い、ロマは「体重が軽いヴィクが行け」と言う。で、なんやかんやあり、ヴィクとロマが喧嘩になるんですよね。
そこで、ヴィクの恋人であるデニスが飛び出してきて、デニス対ロマの形になる。
狭い車内でドッタンバッタンする男2人。ついには床にある非常口の板がスポーンと落ちてしまったことで、カーチャが言い放ちます。ヴィクを放り出すわよ! ……って。
喧嘩を止めるためとはいえ、この言葉が予想外すぎて爆笑(笑)。デニスに対しての言葉なんでしょうけど、だとしてもこの状況で友人を外に放り出すとか言う? びっくりしちゃうよ。
音楽の使い方が独特すぎる
それから、音楽の使い方にも思わず笑ってしまった。
序盤でひとり離脱するキリルですが、このキリルが良い働きをしてくれるのは確か。ただ、キリルはゴンドラがどうなっているかわからない状態が続くので「みんなどこにいるかわからないし帰ろ……」と、タクシーで空港に向かうのですよね。
この時、タクシーの運転手が話しかけてくるのが鬱陶しかったのか、音楽を聴き始めるキリル。これは良いんですけど、面白かったのは、ここで突然始まるキリルのプレイリスト紹介(笑)。
さらに、「もしやカーチャの身に何かが……!?」と異変に気付き、その後「カーチャはもうダメなのか……」と絶望したキリルを映しながら、また切なげなバラードが流れる。
いや、これね、「I think it’s over~♪」じゃないんだわ! ってなる(笑)。絶対にこういうときにかける音楽じゃなかった。不謹慎すぎて笑っちゃったよ。こちらの監督は音楽になにか思い入れでもあるのでしょうかね。
何もしなければ助かった
でね、あれですよ。
これ、誰も何もせずに待っていれば普通に助かったのでは? 案件。
ワンシチュエーションスリラーって、例えば「FALL/フォール」(2022)とかもそうですけど、自分で行動を起こさない限りどうしようもないというのが醍醐味ですよね。Do or Die、やるか死ぬかみたいな。
でも、本作の場合、割と序盤から「じっとしてたら救助が来るのでは?」と思ってしまう。ゴンドラ、故障しているだけだし、故障に気がついている人もいるわけだし。
ロマがね。あいつがもう本当、余計なことをしなければ。良いキャラではあったけど、シチュエーションスリラーとして割とあるあるな役柄だったので新しいものはほぼほぼなかったです。
映画「フローズン・ブレイク」が好きな人におすすめの作品
映画「フローズン・ブレイク」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- スカイハンガー(2020)
- ハンティング・パーク(2016)
- ダムド・ソルジャーズ(2018)
- ティル・デス(2021)
映画「フローズン・ブレイク」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年12月24日)。レンタル作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
| × | ○ | ○ | × | × | ○ |
まとめ:初めて観るロシアのB級映画
そもそもソ連、ロシアの映画自体あまり観たことがないんですが(「不思議惑星キン・ザ・ザ」など有名どころぐらい)、それこそB級映画は初めて観ましたね。
まあ、うん。
ツッコミどころ満載で、時折爆笑をかっさらっていく。サクッと観られるのは良かったんじゃないでしょうか。
Rotten Tomatoes
Tomatometer ―% Popcornmeter 22%
IMDb
4.6/10
Filmarks
2.6/5.0


