ハンティング・パーク(字幕版)
事件に巻き込まれた……と思ったら、突然スナイパーに命を狙われる。
そんなトンデモ展開のスリラー映画です。
主人公の女性が、訳もわからず愉快犯的スナイパーから逃げ惑うお話。ハラハラドキドキしっぱなしの1時間半です。単調なシナリオなので、ストーリー性よりスリリングさを求める人におすすめ。
本記事は2024年03月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
作品情報
タイトル | ハンティング・パーク |
原題 | Carnage Park |
ジャンル | スリラー |
監督 | ミッキー・キーティング |
上映時間 | 90分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2016年 |
レイティング | – |
おすすめ度 | ★☆☆☆☆ |
あらすじ
銀行にいたところ、謎の男たちによって連れ去られることとなったヴィヴィアン。その男たちも、一人死に、そしてまた一人……ビビアンが目を覚ますと、そこは見知らぬ公園だった。死んだ男と手錠でつながれている。混乱したビビアンは、なんとか逃げ出そうとあがくが、そこはスナイパーがターゲットを狙う「狩り場」だった。
登場人物
(敬称略)
ヴィヴィアン・フォンテイン(演:アシュリー・ベル)
主人公の女性。家(土地)の件で銀行を訪れていた折、誘拐されるという憂き目に遭う。
ワイアット・モス(演:パット・ヒーリー)
元軍人。私有地に「狩り場」を作り、なんの罪もない人々をハンティングして楽しんでいる。
映画「ハンティング・パーク」の感想
映画「ハンティング・パーク」の感想です。ストーリーは極めて単調で、とにかく主人公のヴィヴィアンが逃げ惑っているだけのお話。生々しい怖さとエグさはあります。
実話ベースの物語
「ハンティング・パーク」についてパパッと調べると、なんと実話ベースらしい。
1978年にカリフォルニアで実際に起きた未解決事件を基にした話……らしいが、正直、これは嘘くさいなと思っています(!?)。
だって、どこで調べても、情報として出てくるのは「実話ベースの話らしい」というところまでで、それがどの事件なのかはっきりしないんですもん。少なくとも、私が調べた限りでは。
実際に起きた事件を基にしている場合、普通は「○○年に△△で起きた□□事件が基になっていて~」という具体的な情報が出てくるはずなんですよね。
例えば、アルフレッド・ヒッチコック監督の「ロープ」なんかもそう。
少し調べただけで、1920年代にアメリカのシカゴで起きた「レオポルドとローブ事件」がベースにあると出てきます。
英語でも日本語でも、具体的な事件はヒットしないので、この作品に関しては、本当にこんな事件があったかどうかちょっと疑わしいなと感じています。
まあ、1970年代のアメリカと言われるとありそうでないような、なさそうでありそうな、と絶妙なラインを突いてきている感じはしますね。
とにかく悲鳴&悲鳴
主人公のヴィヴィアンを演じるアシュリー・ベルがとにかく叫びます。
それはもううるさいぐらいに叫びます。
(良い意味で)海外の人っぽい。
というのも、ついもしこれが日本人だったら……と考えてしまったので。
どこにスナイパーが潜んでいるかわからない&犯人が何人なのかも、目的がなんなのかもわからない状態でそこから逃げ出すとなると、とりあえず自分の居場所をできる限り知られないほうがいいなと判断する人がほとんどだと思うんですけれども。
なのに、ヴィヴィアンは大音量で叫ぶし喚く。
観ているこちらが「そ、そんなにキンキン声上げて、犯人に見つからない? 犯人を刺激しない? 大丈夫……?」とドキドキしてしまいました。
シチュエーションスリラーとして決定的な欠陥
シチュエーションスリラーとして絶対的に必要不可欠なもの。
それは圧倒的絶望感ではないでしょうか。
「もう駄目だ」「終わりだ」を繰り返し、ギリギリのところで生き延びる……というのが、シチュエーションスリラーの醍醐味だったりしますよね。
でも、正直、本作にはそれが感じられませんでした。
なんか、そう。これ頑張ればどうにか逃げられちゃうんじゃないの? というような緩さがあった。
ここでヴィヴィアンが逃げ出したら、外部に「狩り場」の存在が漏れることになるんだし、犯人側にはもう少し頑張ってほしかったような。
ヴィヴィアンの絶叫と喚き声を聞いて終わった感じになりました。
映画というより再現ドラマ
ストーリーが淡々と進んでいくからか、カメラワークが単調だからか、セピアちっくな色彩のせいか、映画というよりドキュメンタリーや再現ドラマを観ているような感覚になりました。
まあ、こんなヤバい再現ドラマあってたまるかという感じではあるんですけど。
たぶん、スナイパーに狙われるということ以外、映画的出来事がなかったからじゃないかな。
こう、なんていうか、予想だにしない出来事っていうのかな。
普通、映画というのは、どんでん返しとまではいかなくとも、ある程度物語にスパイスが加えられていますよね。いろんな出来事が起こるから、映画は面白いはず。
でも、本作の場合、最初に把握した事実(ターゲットとしてハンティングされる)がすべてで、あとはわあわあ言いながら逃げているだけ。心理的に追い詰められてはいるけれども、犯人とのギリギリの攻防戦もほとんどなし。
え、これで終わり……?
となってしまうのも、致し方ないことかもしれません。
映画「ハンティング・パーク」が好きな人におすすめの作品
映画「ハンティング・パーク」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 悪魔のいけにえ(1974)
- テキサス・チェーンソー(2003)
- モーガン・ブラザーズ(2012)
- ストーカー 3日目の逆襲(2020)
まとめ:逃げ出す緊迫感を味わう作品
ストーリーというより、囚われの身になった緊迫感を楽しむための作品です。
実在する事件を基にしたと巷では言われていますが、実際のところは不明。「こんな事件がもし本当にあったら……」と想像しながら楽しむことはできます。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 61% AUDIENCE SCORE 29%
IMDb
4.9/10