
ハプニング (字幕版)
「ハプニング」の感想です。
映画「シックス・センス」(1999)や「ノック 終末の訪問者」(2023)などで知られるM・ナイト・シャマラン監督が手掛けた作品。
主演は「テッド」(2012)のマーク・ウォールバーグ主演です。
「なんだなんだ!?」となっているうちに終わる映画。でも展開や雰囲気は好き!
本記事は2025年10月08日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
全部は説明しない!それがシャマランスタイル。
作品情報
タイトル | ハプニング |
原題 | The Happening |
ジャンル | サスペンス、ミステリー、スリラー、ホラー、SF、パニック |
監督 | M・ナイト・シャマラン |
上映時間 | 91分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2008年 |
公開年(米) | 2008年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
――午前8時33分。アメリカのセントラル・パークで、そこにいた人全員が自ら命を絶つという異常現象が発生した。理由がわからないままパニックになる人々。フィラデルフィアのとある高校では、テロとの一報を受け、生徒たちを家に帰すこととなった。高校教師のエリオットは妻と、同じ高校に勤める同僚とその娘と共に安全な場所を求めて非難を開始するが――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
エリオット・ムーア
(演:マーク・ウォールバーグ)
高校教師。妻と、高校の同僚と同僚の幼い娘と共に、安全な場所を求めて避難することに。
アルマ・ムーア
(演:ズーイー・デシャネル)
エリオットの妻。エリオットに話せていないうしろめたい秘密を抱えている。
ジュリアン
(演:ジョン・レグイザモ)
エリオットの同僚。娘と共に安全な場所へ避難しようとしていた。
ジェス
(演:アシュリン・サンチェス)
ジュリアンの幼い娘。ジュリアンが妻(ジェスの母親)を迎えに行ったので、エリオットとアルマと共に行動することに。
映画「ハプニング」の感想
映画「ハプニング」の感想です。「なんだなんだ!?」とはなるけど、M・ナイト・シャマラン監督らしいなとも思うディストピアな世界観でした。
例のカメオ出演は?
シャマラン監督恒例のカメオ出演ですが。
本作にもあります。
ただし、声だけ。
主人公であるエリオットの妻の不倫(未遂)相手の声を担当していたみたいです。シャマラン監督作品と聞くと、まずどこに出演しているかなあなんて目を凝らして見てしまいますね。声はさすがに気がつかなかった。悔しい。
考察しがいのある原因
内容的なことを言えば、正直賛否両論に分かれそうな感じ。
アメリカ(の一部地域)の人たちがいっせいに自ら命を絶ち始めるというぶっ飛んだストーリーですが、その原因は一向に語られず。エリオットのもとには当初「テロだ!」みたいな情報が入ってきましたけれど、そのあとはまた別の推測を立てていましたし。
結局、最後まで確かなことはわかりませんでした。
これが非常に物足りないし、戸惑うところでもあって。ただ、劇中「自然界に起きることが完全にわかることはない」(おぼろげ)というような発言がありました。結局、世の中、わからないことのほうが多いよねということでしょう。自然界に発生した事象なら特に。
個人的には、神様が人間の数を減らそうとしたんじゃないかと考えています(RADWIMPSの「おしゃかしゃま」を思い出す……)。増えすぎたからというか、自然界にとっての害になることが多くなったから。
人間は勝手ですね。
必要だからと森林を伐採し、自分たちの都合で「減りすぎたらまずい!」と今度は増やそう(もしくは維持? しよう)としている。牛や豚、鶏だって、食料とするために命を奪い、そのために飼育している。勝手だし残酷。感謝しているからいいだろうという問題でもないような気がするし。
うまい具合に共存するには人間の数を減らしちゃえ! みたいに神様が思っても、不思議ではないよなあと思います。だからといって、人間サイドの人間(?)としては、それを素直に受け入れたくない部分もありますが。
神様が人間に呆れていたら、このお話のあとに人類滅亡みたいなこともあり得そう。怖い。
たぶん自己満
っていうかね、個人的にめちゃくちゃ不満だったのは、エリオットの妻アルマのこと。
彼女には夫に打ち明けていないある秘密があって……というのは、不倫未遂したよ! ということなんですけれど。未遂というのは、ただ食事に行っただけだからですね。アルマ曰く。まあ、残業と嘘をついて夜に他の男性と出かけているわけだから「ただ食事をしただけなの!」なんて言い訳、普通は通じないでしょうねとは思いますが。状況が状況だし、エリオットがアルマのこと好きだから飲み込んでくれただけ。
でも、不満だったのはそこではなく、なにその告白? というところ。
完全に自己満足。本人が「罪悪感を抱えたまま死ぬのは嫌!」と思っているだけで、誰も幸せにならない事実。そこまで罪悪感を覚えるなら最初からしなさんなってなりますし。仮にしてしまったのだとして、相手が気付いていないのなら、墓場まで持って行かなければならないよとも思う。その覚悟もなく不倫(未遂)したん? って。まあ、そもそもそのあたりの意志が弱いから不倫(未遂)なんてこともするのかと。
そのくせ、エリオットが「他に好きな女性がいる(嘘)」みたいなことをにおわせただけで、一丁前に傷付いた顔。えー、人を傷付けるとわかっている行為をしたんだから、同じことをされても文句言えなくない? と思ってしまった。
特殊な例はあるにしても、一般的には不倫って相手を軽視し、傷付ける行為ですよね。それが明白なのに、自分が同じことをされたら傷付くって。
その状態で「食事だけ」と言われても「で?」でしかない。いや、本当、あんな状況じゃなきゃエリオットの怒りはもっと長引いてたよと思いますね。もっとも、本当はキスぐらいしたんじゃない? してないにしても、手をつなぐぐらいはしたでしょ? とは疑っていますが。
あれは結構「なんだこいつ」ってなったシーンでした。
衝撃的な(好きな)シーン
不満点と言えば、この不倫(未遂)の告白シーンぐらい。
逆に好きだったのは、芝刈り機のシーン。あれはね、結構衝撃的ですよ。実は、この映画を観るのは2回目だったんですけれど、細かいことはあまり覚えていなかったのに、あの芝刈り機のシーンだけがやたら強く記憶に残っていたんですよね。
で、改めて観てみたら、意外と短いシーンで驚きました。あんな一瞬だったんだ! って。記憶の中では、とにかく強調されていた感じがしていたのに。
なんだったんだ?で終わる……
そして、結局「なんだなんだ? 何が起こっている?」と思ったまま終わるという。
映画「ノック 終末の訪問者」(2023)とかもそうだったけど、基本的にヒントが少なく、解釈を観客に委ねている感じの作品が多いですね。シャマラン監督。「シックス・センス」(1999)とかはだいぶわかりやすい類だったんだなと改めて。あれは戦わないブルース・ウィリスがいいですね。
「ノック 終末の訪問者」同様、そこはかとなく感じる宗教観みたいなのに苦手意識を持つ人はいそうだなあとは思っています。全体的には面白かったです。
映画「ハプニング」が好きな人におすすめの作品
映画「ハプニング」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- サイン(2002)
- またヴィンセントは襲われる(2023)
- ノウイング(2009)
- 終わらない週末(2023)
- オールド(2021)
映画「ハプニング」の配信サイト(サブスク)
※記事執筆時点での情報です(2025年10月09日)。レンタル作品等も含まれます。
Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:訳がわからない混沌さ
情報が錯綜する中、自分の身は自分で守らなきゃいけないとなると、人々はこんな感じにパニックに陥るんだろうなというのがわかります。
主人公のエリオットを演じたマーク・ウォールバーグはさすがでしたね。安定感のある演技で安心して観られました。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 17% Popcornmeter 24%
IMDb
5.0/10
Filmarks
3.0/5.0