
ロスト・バケーション (字幕版)
「ロスト・バケーション」の感想です。
映画「シンプル・フェイバー」(2018)などで知られるブレイク・ライブリー主演のサメ映画。
昨今、いろんなぶっ飛んだ設定のサメ映画が多い中(大好き!)、本作は完全に正統派で格好良い。ブレイク・ライブリーの演技も素晴らしかったです。
本記事は2025年09月07日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
逃げても逃げても追ってくる不穏な影と現実。
作品情報
タイトル | ロスト・バケーション |
原題 | The Shallows |
ジャンル | アクション、ヒューマン、スリラー、サメ |
監督 | ジャウマ・コレット=セラ |
上映時間 | 86分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2016年 |
公開年(米) | 2016年 |
レイティング | PG12 |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
病に侵された母のため、医者になることを目指し、医学生として勉強漬けの日々を送っていたナンシー。しかし、母は亡くなってしまう。大学を辞め、バケーションを楽しむことにしたナンシーだったが、サーフィン中に獰猛なサメに追い回されることになるのだった――。
主な登場人物
(敬称略)
ナンシー・アダムズ
(演:ブレイク・ライブリー)
医学生。年相応の脆さはありつつ、自身の危機には勇敢に立ち向かう強さがある。亡き母に教えてもらったビーチでのサーフィン中、突如としてサメに襲われる。
カルロス
(演:オスカル・ハエナダ)
ナンシーを件のビーチまで送り届けた地元の運転手。
クロエ・アダムズ
(演:セドナ・レッグ)
ナンシーの妹。ひとりで休暇を楽しむ姉を心配している。
ナンシーの父
(演:ブレット・カレン)
ナンシーとクロエの父親。ナンシーが夢を諦めるのに反対している。
映画「ロスト・バケーション」の感想
映画「ロスト・バケーション」の感想です。最近はB級サメ映画ばかり観ていたんですが、やっぱりこういうのもいいよなあと。
ブレイク・ライブリーがすごい
先述しましたが、本作の主人公ナンシーを演じるのは「シンプル・フェイバー」(2018)などで知られるブレイク・ライブリー。
いや、わかってはいたけどすごい人だった。わかってはいたけど。
というのも、本作はほぼほぼブレイク・ライブリーの一人芝居のようなものなんですよね。サメと対峙するシーンなんかは。それを難なくこなしてみせる。めっちゃ自然。一秒たりとも飽きることのない画。「はえー、すさまじいなこれ」って思いました。
これ以上どうするの?が面白い(絶望&緊張)
で、もうね、絶望感がすごい。
「ここからどうするの?」「この状況から打つ手ある?」みたいな展開がポンポン出てきます。最初はなんとかクジラの上まで逃げて。それでも執拗に襲ってくるサメから逃げ、今度は小さい島へ。毎度毎度、ナンシーの行動できる範囲が狭すぎて、というか、サメのホーム(ナンシーにとってはアウェイ)すぎて、ずっと絶望感を覚えておりました。
「勝ち目なさすぎて怖い!」みたいな。
緊張と緩和とはよく言いますけれど、本作に至ってはずっと緊張(笑)。「目が離せない」とはまさにこのことですね。
っていうか、サメがいる海で血が出るの怖すぎる。
昨今のぶっ飛び系(?)サメ映画では、ファンタジーな展開や過剰演出が多いですけれども(それがまた良かったりもする)、本作に登場するサメは割とリアル寄り。しかも、とにかくサメに襲われる! とかでもなく、ナンシーの周りを執拗にうろついているあの感じが「ひえー……」ってなるんですよね。「来るか? 来ないか?」がずっと続いているような。
「JAWS/ジョーズ」(1975)とか、ああいう系のサメ映画の雰囲気を踏襲した作品だと思います。
これぐらいの描写が一番痛々しい
サメ映画に付きものの人喰い描写。
本作は基本的にサメとナンシーのタイマン(?)なので、他の人が喰われることはあっても、そのあたりはあまり描写していないのですけれど。
ナンシーがサメに食いつかれ、怪我を負うシーンはあります。
これがもうとても痛々しくて。正直、こういう描写が一番「いってー!」ってなったりします。ナンシーは大出血、血を止めるために医学生ならではの方法を取るわけですが、思わず目を細めちゃいましたね。見てらんない! って。
指先を深く紙で切ったとか、そういうタイプの痛々しさ(わかります?)。「私だったらこの時点でやられているな……」なんて、謎に感情移入してしまいました。
ザ・ヒーロー気質の女性
いや、それで言ったら、そもそもナンシーのような行動を取れる人はあまり多くないんじゃないかと思いますよねえ。ナンシーは年相応に脆い部分もあるけど、ヒーロー気質の女性でもあるというか。アメリカの女性という感じがして、興味深かったです。
まあ、アメリカの女性と限定的に言ってしまうと語弊があるかもしれませんが(※差別を意図したものではありませんので、あしからず)。なんていうか、アメリカで作られる(サメ映画含む)パニック映画の主人公って、男女問わずものすごく強いよなっていつも思っていて(笑)。めっちゃ戦うなあって。
もちろん、状況的に仕方ないということではあると思うんですけれども、このヒーロー像って結構特徴的だと思っています。ナンシーも強かった。「ここでやられてたまるか」みたいなギラギラ感がとても良かったです。
脆いのに強くて安心
先述したように、年相応に脆い部分があるナンシー。
ですが、賢い人だし度胸もあるし、見ていて安定感がありました。安心安心(サメが出てくるという意味ではドキドキするけれど)。
しかも、この(ナンシーにとってみれば)短時間で「どうしよう?」とパニックに陥っていたのが「やるしかない」と覚悟を決めた気持ちになっていくのがよくわかって、演出の仕方がうまいなあと感じましたね。当然、そこにはブレイク・ライブリーの存在も大きく関係してくるわけですが。
スティーブン・シーガルが可愛い&好き
っていうかね、カモメちゃんが可愛すぎた!
カモメは英語で「Seagull(シーガル)」と言うんですけれども、ナンシーが相棒的なカモメちゃんのことを「スティーブン・シーガル」と名付けていた(笑)。スティーブン・セガールならぬ。素晴らしいネーミングセンスでした。あの緊迫した状況で!
もう、このスティーブン・シーガルが本作のMVPと言っても過言ではない。いや、過言か。MVPはあくまでナンシーにあるべきですものね。でも、とても良い相棒となってくれました。
ちなみに、実はスティーブン・セガールの出演作品はあまり観たことがないので、機会があればチェックしてみようと思います。
サーフィンの映像は綺麗
あとは、サーフィンの映像もなかなか綺麗でしたね。
ロケ地はオーストラリアの「ロード・ハウ島」というところだったみたい。ニューサウスウェールズ州(シドニーのある州)にあるサーフィンの名所だとか。
ここだけで撮影が完結したわけじゃないだろうけれど、それにしても美しい場所ですね。ロード・ハウ島。行ってみたい。サーフィンはできないけど(ボディボードにも乗れなかった運動音痴)!
映画「ロスト・バケーション」が好きな人におすすめの作品
映画「ロスト・バケーション」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- セーヌ川の水面の下に(2024)
- パニック・マーケット(2012)
- ディープ・ブルー(1999)
まとめ:正統派シャークサバイバル!
派手なアクションがあるわけじゃないので、近年のぶっ飛んだ(B級)サメ映画が好きな人には少々物足りなく感じる部分もあるかもですが、正統派! 原点に戻ってきた! という感じがして、個人的にはとても好きでした。
そして、何度でも言う。ブレイク・ライブリーがすごい!
Rotten Tomatoes
Tomatometer 79% Popcornmeter 59%
IMDb
6.3/10
Filmarks
3.5/5.0