映画「ザ・ランナー」の感想です。
いいところはいいけれど、疑問に思うところは「ん?」みたいな映画でした。
主人公の女性弁護士がとにかく走る展開が続くので、一緒に息切れしそうになる(笑)。サスペンス映画とは言いつつも、サスペンス要素はそんなに強くない映画。

映画「ザ・ランナー」の見どころは……
- 弁護士としての自分か、母親としての自分かという問い。
- 終盤のひっくり返り方。
- 終始息をつく暇もないハプニング続きの展開。
本記事は2026年09月04日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
作品情報
あらすじ
敏腕弁護士のマイア・マーテンは、一人息子を愛するシングルマザー。日課である朝のジョギングをしていたところ、学校にいるはずの息子ノアの携帯から電話がかかってくる。しかし、電話に出てみると、相手は息子ではなく知らない男だった。男はノアを誘拐したと言い、息子の命を救いたければ自分の言うとおりにしろと脅しをかけてくる……。
主な登場人物
(以下、敬称略)
マイア・マーテン
(演:ガル・ガドット)
優秀な弁護士。息子を学校まで送り、日課の朝ジョギングをしていたところ、息子が誘拐される事態に。息子を救うため、走り続けることになる。
ノア
(演:ローリー・ウィルモット)
マイアの息子。糖尿病を患っている。
テッド
(演:アルフレッド・イーノック)
マイアの同僚。マイアとはいい雰囲気になっている(らしい)。
映画「ザ・ランナー」の感想
映画「ザ・ランナー」の感想です。女性弁護士がひたすら走り続ける! な映画。一緒にゼエゼエしたくなります。
焦りは禁物がよくわかる始まり
何事も焦ったら駄目ですね。
というのも、この映画。開始5分ほどで息子が誘拐されるのですけど、誘拐犯から連絡を受け取ったマイアは取り乱し、完全に犯人の言うことを鵜呑みにしている模様。
まあ、どちらにせよ、主人公マイアのスマホはハッキングされていたため、何もできなかったことに違いはありませんが、この時点ではそれも(確か)判明していなかったので、「まず学校に連絡して息子の安否を確認する」という作業が頭から抜け落ちていたように見えました。
これ、つい先日、とあるSNSで「メールアドレス変更されましたよ。これはあなたですか?」なメールを受け取ったとき、覚えがないことに焦り、咄嗟にメールの下部分にあったリンクを踏んでしまった経験がある私としては、とても他人事じゃなくて(ちなみに、私の場合はメールも本物だったし実際に乗っ取られていました。ヘルプセンターに訴えたら戻してくれた)。
弁護士であるマイアですらこうなるのですからね。人間、焦ったら確認作業を怠ってしまいがち。SNSの乗っ取りと息子の誘拐じゃレベルが違うけど。
サスペンス要素の少ないサスペンス映画
あと、先述したように、サスペンス映画でありながらもサスペンス要素はそんなに強くありませんでした。犯人に関しても「え、そうなの!?」とはならなかった。
犯人は犯人。
おそらく、この映画にとって犯人の正体はさして重要じゃないのだろうと思います。最初から最後まで、マイアの行動に焦点を当てているように見えました。
弁護士の母親はどこまでできるのか……
母親は愛する子どものためにどこまでできるのか。
というだけじゃなく、その母親の職業が弁護士だというのも重要ポイントでしたね。実際、劇中でマイアは他人のスマホを盗んだり、道路に飛び出して車に轢かれたりしている。車に轢かれたのは、立場的にはマイアのほうが被害者ではあるけど、車を運転していた人を加害者にしてしまったということと同義だし(無謀な飛び出しだったので)。
じゃあ、人の命を奪うことは? と。
これ、橋の上でマイアが威嚇射撃した演出が終盤の展開に生きていて、とてもよかったです。タファを撃ったとき、音に違和感を覚えたんですよね。「あれ? 威嚇射撃のときと音が微妙に違う?」って。こういう細かいところにまでこだわりがあるのが好き。
犯人が求める母親像は?
で、ひとつ思ったのは。
犯人、母親という存在に執着している? ということ。
マイアの母親を父親が殺した(と言われている)事件に関しても、執拗にストーリーを聞きたがっていましたよね。しかも、どうも娘を守ったというストーリーにしたいようだった。
マイアに対しても、息子のためにどこまでできるかを試している節がある。この犯人自体、過去に母親と何かあったんじゃないかな。まあ、これは完全に蛇足なので、この映画の展開に組み込まなかったのは正解だとは思うんですが。でもちょっと気になるところでした。
マイアが語った過去
さて、そんなことで、マイアは「母親が父親を殺した事件」について語りました。
父親を手に掛けたのは自分だと。
でもね、これ、個人的には全部嘘だったと思う。作り話。
マイアは劇中「相手に納得させる話」をするのが大事だと語っています。そのうえで、先述したように、犯人はどうも母親という存在に執着しているようだった。犯人の語り口を聞いているだけで、なんとなくわかりましたもんね。
あ、この人、母親が人生をなげうってでも子どもを守ったストーリーが聞きたいんだなって。たぶん、マイアも似たようなことを感じたのでしょう。
それで、母親が自分(マイア)の人生を守ったというストーリーを作り上げた。結局、支配されているようでいて、支配していたのはマイアだったという。
幕引きは呆気なく
まあ、ただ、重大なネタバレは控えたいので詳細なことは省きますけれども、幕引きが呆気ないと感じた人は多かったんじゃないでしょうか。
「え、これで終わり……?」的な。
もうちょっと派手に、なんやかんやあってもよろしかったのではないかと思いますね。テッドにも活躍してほしかった。回想の中で、汗だくになって走り続けるマイアに対してグッとやったところは笑ってしまった(笑)。それどころじゃないねん! ですよな。
ツッコミどころもそれなりに多い
なお、ツッコミどころもけっこう多かった印象。
まず、ノアはどのタイミングで誘拐されたのか。
マイアはノアを学校前まで送って行っているんですよ。マイアと別れてから、学校の中に入るまでのあいだにササッとやられてしまったのか。あんなに人目がありそうな場所で。状況を考えれば不可能ではないと思うけど、かなり目立ちそうではある。
マイアのほうもね。ただ言いなりになって走り続けたわけじゃなく、実はこの間にもいろいろやっていて、それが終盤の展開に効いてくるんですけれども、マイアって実質1時間ほどしか走っていないんですよね。いや、1時間走り続けるだなんてだいぶ過酷ですよ。
それはそうなんだけど、1時間どころか数十分のうちに動いてくれた皆様もいらしたようで。「こんなものを! 数十分のうちに用意してくれたんか!? 無理すぎない!?」とびっくりしちゃいました。
デジタルVSアナログの構図
自分や同僚(テッド)のスマホをハッキングしたり、自分だけならず警察の動向までGPSでわかるようにしていたり(!?)。徹底的にデジタルで追い詰めてくる犯人。
それに対して、マイアはアナログで対抗しました。
結局、アナログが強かったりする。
これは私も昔からちょっと思っていた。海外に住んでいたとき、大型台風が来て数日間停電したことがあったんですけど。そのとき、当時田舎の町では最先端だったIH(クッキングヒーター)を採用していた家では料理ができず、ガスコンロだったうちはセーフ! みたいなことがあって、不測の事態が起きたときには意外とアナログが勝つんだなと感じたんですよね。それ以来、デジタルを過信するのはやめている。大事なのはバランス。
この映画の犯人もそう。
アナログの可能性を一切考えていない感じがする。それに、母親が母親がと妙に犯人はこだわっているように見えたけど、マイアは他の人に「助けて!」と言える人間だった。マイアにとってノアは世界一大事な人なのでしょうが、世界はマイアとノアの2人だけで完結していない。
視野の広さの勝利という感じでした。ツッコミどころはあれど、終始ハラハラドキドキして面白かったですよ。
映画「ザ・ランナー」が好きな人におすすめの作品
映画「ザ・ランナー」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- フライト・ゲーム(2014)
- フロッグ(2019)
- ユージュアル・サスペクツ(1995)
- トラップ(2024)
映画「ザ・ランナー」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年09月04日)。レンタル(有料)作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD(PREMIUM) |
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まとめ:優秀な弁護士を敵に回したのが運の尽き
普通に考えて、弁護士がされるがままになるわけはないんだよなと思う。
なんていうか、犯人は「母性神話」信者的な感じだったのじゃないかな。母親たるもの、愛する子のためにはなんでもするはずだと。
ただ、相手が敏腕弁護士ですからね。本当にどうしようもなかったらワンチャン、みたいな雰囲気はあったけど、その優秀な頭脳を使ってできるだけ多くの可能性を考えるに決まっている。それが「そんな短時間じゃ無理やろー!?」な方法だったのも含め、けっこう好きな映画でした。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 8% Popcornmeter 43%
IMDb
4.3/10
Filmarks
3.2/5.0


