
ザ・ザ・コルダのフェニキア計画
映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」の感想です。
あー! ウェス・アンダーソン! という感じの映画でした(笑)。
相変わらずデザインはめちゃくちゃ良いし、好み。ストーリーに関しては、ウェス・アンダーソン監督作品の中ではわかりやすいほうなのかもしれないけれど、やっぱり半分ぐらいはよくわかりませんでした。
でも、これぞウェス・アンダーソンという感じですね。今作も、ウェス・アンダーソンワールドが炸裂していました。

映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」の見どころは……
- ウェス・アンダーソン監督ならではの世界観。
- 淡々とした語り口ながらも、再生されていく家族の絆。
- 唐突に始まるバスケ対決!
本記事は2026年02月20日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
作品情報
| タイトル | ザ・ザ・コルダのフェニキア計画 |
| 原題 | The Phoenician Scheme |
| ジャンル | コメディー、ヒューマン、アドベンチャー |
| 監督 | ウェス・アンダーソン |
| 上映時間 | 102分 |
| 製作国 | アメリカ、ドイツ |
| 製作年 | 2025年 |
| 公開年(独) | 2025年 |
| レイティング | G |
| 好きレベル | ★★★★☆ |
あらすじ
6度の暗殺未遂を生き延びた大富豪ザ・ザ・コルダは、大独立国フェニキア全域に及ぶインフラを整備する「フェニキア計画」を実現させようとしていた。構想に30年もの月日をかけたこのプロジェクトが成功すれば、今後150年にわたり莫大な利益が手に入る。そこで、ザ・ザは修道院に入っていた娘を呼び戻し、「試用期間」の後継者として指名。雇ったばかりの家庭教師の男を秘書にし、3人で資金調達の旅に出るのだが――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
ザ・ザ・コルダ
(演:ベニチオ・デル・トロ)
ヨーロッパの大富豪。今までやりたいようにやってきたため敵は多く、暗殺者を向けられることもしばしば。息子が9人、娘が1人いる。
リーズル
(演:ミア・スレアプレトン)
ザ・ザの娘で、修道女。ザ・ザに「試用期間」の後継者として指名され、資金調達の旅に同行する。
ビョルン
(演:マイケル・セラ)
ザ・ザの家庭教師で、昆虫学者。ザ・ザの資金調達の旅には秘書として同行。
ファルーク王子
(演:リズ・アーメッド)
「フェニキア計画」の出資者のひとり。山脈鉄道トンネルの建設を監督中。
リーランド
(演:トム・ハンクス)
「フェニキア計画」の出資者のひとり。山脈鉄道トンネルの建設に従事。ザ・ザらとはバスケ対決をする。
ヒルダ・サスマン=コルダ
(演:スカーレット・ヨハンソン)
「フェニキア計画」の出資者のひとりで、ザ・ザのはとこ。現在は流域水力発電ダムの建設を監督している。
ヌバルおじさん
(演:ベネディクト・カンバーバッチ)
「フェニキア計画」の出資者のひとりで、ザ・ザの異母兄弟。リーズルの母親殺しについて、ザ・ザに疑いの目を向けられている。
映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」の感想
映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」の感想です。こうして見ると、キャストがとんでもなく豪華でした。
豪華すぎるキャスティング
上記を見るとわかるように、主演のベニチオ・デル・トロはもちろん、トム・ハンクスやスカーレット・ヨハンソン、ベネディクト・カンバーバッチなど、主要メンバーがとんでもなく有名な方たちで固められていますね。
面白いのは(と言っていいかわからないけど)、私、この豪華メンバーに鑑賞後まで気がつかなかったんですよね(笑)。
主演のデル・トロとスカーレット・ヨハンソン以外、鑑賞後に改めてキャスティングを確認して「トム・ハンクス!? ベネさまも!? どこに出ていたの!?」ってなりました。ウェス・アンダーソン監督の映画って、面白いけれどやっぱり難解な部分が多く、集中しすぎるあまり出演者の顔の造形を認識するのが後回しになってしまう(笑)。
スカーレット・ヨハンソンはわりとそのままだったのですぐにわかりましたが。
デル・トロはつい先日「ワン・バトル・アフター・アナザー」(2025)で見たばかりだったんですが、ウェス・アンダーソン監督との相性が抜群に良いですね。
難解な物語
おそらく、ウェス・アンダーソン監督作品の中では、わかりやすい類に入る映画だったんじゃないかと思います。細かい演出を理解しようと思うと半分ぐらい「???」でしたが、大まかな流れはすんなり理解できましたし。
メインは、家族の絆と再生。
娘と血がつながっていないかもしれない、不貞の末にできた子かもしれない……でも、だからなんだと言うんだ? 彼女は私の娘だ! みたいな物語は他にもたくさんあると思うんですけれど、こういう描き方ができるのはウェス・アンダーソン監督だけですね。いつものごとく、無表情早口で淡々とした語り口なのに、絆が深まっていっているのがちゃんとわかる(ただし、字幕をしっかり読み込もうとすると展開の早さに置いていかれがち)。
残念なことに、宗教にはあまり明るくないので、その辺はいまいちわかりませんでした。それっぽいなという箇所はたびたびあったけど。
俗なリーズル
修道女(見習い)になり、一見金に執着しているザ・ザのことを冷めた目で見ている娘リーズルですが、彼女自身も修道女としてはちょっと型破り。
宝石のついたパイプをふかしているし(笑)、ブルーの派手派手アイシャドウをしている。これ、ええんか? と思っていたら、予想どおりというかなんというか、修道院長から破門されてしまいましたね。「今も昔も、あなたは富豪の娘よ」的なことを言われていました。
これだけで、修道院でも馴染めていなかったのだろうと想像できます。自分がこうありたいと願う姿と、今こうであるという姿って、必ずしも一致するわけじゃないんですよね。
ザ・ザのバスケ対決
特に面白かったのは、トム・ハンクス演じるリーランドと出資をかけたバスケのシュート対決をするシーン(笑)。「バスケで決めようぜ!」って、どゆことなの!? と思わずにはいられませんが、そういうこと(?)です。
世界的に見て重要なこととかも、実はこれぐらいの気軽さで決まっている可能性もなくはない?
バスケ経験皆無でこれをやらされたファルーク王子は可哀想でしたけど(笑)。遠くからシュートするのに「こんなふうに(下から)投げてもいい?」と確認するのは可愛かった。
ヌバルおじさんとの対決
で、それに続くヌバルおじさんとザ・ザの対決。
壺で殴り合ったり、カーペットを引っぺがして相手を転がしたり、まるで子どもの喧嘩のようでバカバカしいのだけど、ヌバルおじさんとザ・ザの喧嘩は終わることなく、もうずっと昔から続いてきたのだろうと想像させてくれます。そのときの延長線上に、今も2人は立っている。仲が修復されることもなく。
血のつながりはないリーズルに対しては「(血のつながりは)関係ない! 娘だ!」と言うのに対し、半分は血がつながっている異母兄弟のヌバルおじさんとはわかり合えないのも、なんとも皮肉的でしたね。
素晴らしいデザイン
そして、なんといっても特徴的な色彩とシンメトリーなデザインにウェス・アンダーソンワールドを感じます。これこれー! ウェス・アンダーソンの世界観だ! と、見ているだけでワクワクしますね。
冒頭、6度目の暗殺未遂から生還したボロボロのザ・ザがバスタブに浸かっているシーンがあるのですけど、ここがめちゃくちゃ贅沢な時間の使い方をしていてとても良い。周りを使用人たちがせかせか動いていてね、ザ・ザと会話することもなく必要なものを用意して、仕事が終われば去って行く。
相当な長回しになっていて、これから始まるウェス・アンダーソンワールドへの期待にテンションも爆上がり。タイルまでオシャレでさすがでしたよ。
やっぱり、ウェス・アンダーソンでしか摂取できない栄養がありますね。
映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」が好きな人におすすめの作品
映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023)
- アステロイド・シティ(2023)
- 犬ヶ島(2018)
- ダージリン急行(2007)
映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年02月20日)。レンタル(有料)作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD(PREMIUM) |
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まとめ:宗教を深く理解できればさらに
ひとつだけ残念に思ったのは、宗教をもっと理解していればさらに面白かっただろうということ。まあ、ウェス・アンダーソン監督の作品にはどれも言えることなんですけど。
やっぱり、ここら辺は日本人にはやや難しいところではあると思う。
とはいえ、ウェス・アンダーソン監督の世界観は好きです。デザインが最高。
Rotten Tomatoes
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IMDb
6.6/10
Filmarks
3.8/5.0

