
パペット大騒査線 追憶の紫影(字幕版)
あー! 下品!
これに尽きるお話です。ただ、単に下品なだけじゃなく、お話としては割とよくできているので、普通に楽しめました。
本記事は2025年03月19日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
親子で観ると気まずくなるよ!(たぶん)
作品情報
タイトル | パペット大騒査線 追憶の紫影 |
原題 | The Happytime Murders |
ジャンル | コメディー、サスペンス |
監督 | ブライアン・ヘンソン |
上映時間 | 91分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2018年 |
公開年(米) | 2018年 |
レイティング | PG12 |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
パペットと人間が共存する世界。かつてパペット警察官として活躍していたフィル・フィリップは、とある理由から解雇されたのち、私立探偵として活動していた。そんなある日、パペットの女性から「脅迫状が届いた。これを送ってきた人間を探し出してほしい」という依頼を受ける。脅迫状に貼り付けられた切り抜き文字を見て、フィルは思い立ったようにポルノショップへ向かうのだが――。
主な登場人物
(敬称略)
フィル・フィリップス – Phil Phillips(声:ビル・バレッタ)
パペット私立探偵。かつてはパペット初の警察官として活躍していたが、とあることがきっかけで解雇された。
コニー・エドワーズ – Connie Edwards(演:メリッサ・マッカーシー)
人間の女性警察官。フィルが警察官だった頃の相棒で、なにかとフィルに対して突っかかる。
サンドラ・ホワイト – Sandra White(声:ドリエン・デイヴィース)
脅迫状を持ち込んだ依頼人。パペットの女性。
ラリー・フィリップス – Larry Phillips(声:ヴィクター・イェリド)
フィルの兄。パペット。
バブルズ – Bubbles(演:マーヤ・ルドルフ)
フィルの秘書。人間の女性だが、本人は人間よりパペットのほうが好き。
映画「パペット大騒査線 追憶の紫影」の感想
映画「パペット大騒査線 追憶の紫影」の感想です。先述しましたが、とりあえずしょっぱなから「はー! 下品!」という下ネタのオンパレード。でも、よくできたストーリーで好きでした。
下ネタに次ぐ下ネタ
まず、本作で特筆すべきはびっくりするほどの下品さでしょう。
個人的に、あまり下品な表現は好みではないんですが、本作の下品さはそんなに嫌いではありませんでした。なんでだろう。パペットだからかな。
ポルノショップで、カーテンを開いたらそういう動画の撮影をしていたのは笑っちゃいましたね。こんなにあけすけなシーンある!? って。
下ネタに次ぐ下ネタ(しかもお下品)で息をつく暇もないので、正直、苦手な人というか「うわぁ……」って思う人も多いんじゃないかなという印象。私も最初はちょっと引いた。
注目すべき女優メリッサ・マッカーシー
そして、主人公フィルのかつての相棒役を演じたメリッサ・マッカーシー。
この女優さんが、すごい。
というのも、メリッサ・マッカーシーはこの作品でラジー賞の「最低女優賞」を獲得しているんですよね。そのうえで、「ある女流作家の罪と罰」という作品ではアカデミー賞の「主演女優賞」にノミネートされています。
最低と最高の称号をいっぺんに手にするなんて、それだけ注目されているということ。本作では、「最低」とされたのがわかるぐらい演技に熱が入っているように見えました。
演技だとわかっていても、差別的な言葉が紡がれるたび「なんだ、こいつぁ……」ってなりましたもんね。
気安い関係のバディ
序盤から中盤までは、先述した通り「なんだ、こいつぁ……」となるメリッサ・マッカーシー演じるエドワーズ刑事ですが、フィルにピンチが訪れたあたりから、徐々に「こいつぁもしかして良い奴か……?」と見直し始めました。
口は悪いけれども、なんだかんだフィルのことをよくわかっている。
過去にしがらみがあろうとも、やっぱり最強のバディだっただけのことはあります。
あれだけの暴言を吐くのも(とはいえいささかやりすぎなような気もしますが)、元バディの気安さがあるからこそなのでしょうね。
エンドロールまで下品(でも楽しい)
ちなみに、本作はエンドロールまでまるっと楽しめる系の作品でした。
しかし、エンドロールまでしっかり下品(楽しい)。
実際にこの作品がどのように作られたのかが見えるので、とても興味深く、面白かったです。ただし、上気で述べたような生々しいシーンを、大人たちが本気で作っているのでちょっぴり笑える。
そう、笑えるんだけど、大の大人が本気でふざけているのって見ていて気持ちが良いですよね。
ちょっとしんどい差別的発言
上記の「下品」というのには、当然下ネタ的なアレも含んでいるんですが、個人的にちょっとしんどいなと感じたのは、差別的発言がポンポンと軽快なリズムで登場するところ。
おそらく「それを人種に当て嵌めるとどうなるか」みたいなメッセージ性を持たせたかったのでしょうね。
アジア人でも、黒人でも。白人以外の何か。
でもたぶん、アメリカで作られているので、黒人差別の暗喩かな。
特にエドワーズ刑事(メリッサ・マッカーシー)の発言がしんどい。だから最低女優賞を受賞したんだなとすぐにわかる。本人がどうのというよりね。メリッサ・マッカーシー自体はとても素晴らしい女優さんですし。
そのセリフの意味を考える前に、うっすら直感的に「なんか嫌だな……」と感じてしまうのは、白人社会からしたら自分もマイノリティーだ、つまり言われる側だと認識しているからでしょうね。実際、長く海外生活を送る中で、幾度となく差別的場面には立ち会ったので。
ところが、そんなエドワーズ刑事。
女性が雑に扱われることはよしとしないタイプでした。
女性が雑に扱われているのを見て、大立ち回りをしてくれます。ここでわかるのは、エドワーズ刑事が女性の味方! ということだけではなくて、人種差別をする人間でも女性差別は許さない場合もあるし、人種差別をしない人間であっても女性を雑に扱う場合があるということ。
世の中、どちらも駄目! という人ばかりじゃないんですよね。
パペット市民の数総勢125体
そうそう、パペットの話ですが、本作に登場するパペット市民の数は、総勢125体だそうです。
『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』に登場するパペット市民は、なんと総勢125体。しかもそのひとつひとつが、パペット作りや衣装作り、彫刻の分野で受賞歴をもつ優秀なパペットデザイナーによって、すべてハンドメイドで作られている。小さいパペットに大きいパペット、ひとつとして同じものはないのである。
(引用元:【独占入手】『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』世界に一つだけのパペット、製作現場にカメラが潜入|THE RIVER)
しかも、ここで述べられているように、すべて手作り。
曰く、
しかし本作では、実際にパペットが歩いているように見えるよう、すべての歩くパペットに下半身を装着。撮影ではパペットの身体、腕、脚を動かすため、3人がかりで操作されている。
(引用元:【独占入手】『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』世界に一つだけのパペット、製作現場にカメラが潜入|THE RIVER)
とのことで、製作・撮影共に相当大変だったみたいです。当然だけれど。
個人的に「おおっ!」と思ったのは、フィルの全身が映るシーン。確かどこかのお店から出てきたところだったと思うんですけれども、動きが割とリアルで驚いた。こう、パペットみたいないかにも操られています! という動き方じゃなくて、ぬるっとまるでCGのように歩いていたというか。
ああ、あと。
フィルの声ですが、初めて聞いた時は映画「スクリーム」(1996)のゴーストフェイスの声に似ているなあと思ったんですよね。厳密には、ゴーストフェイスの声を演じているロジャー・L・ジャクソンの声。低くて耳障りの良い声だった。
セサミストリートとの関係
そして、日本で有名なパペット作品といえば、必ず「セサミストリート」が挙がってくると思うんですけれども。
本作には、謳い文句のひとつとして「『セサミストリート』を生んだジム・ヘンソン・カンパニー製作による――」なんていうものがありまして。
ふーん、そうなんだ……と思っていたのですが、どうやらこのあたり、問題になっていたようですね。
セサミワークショップが、ロゴの無断使用かなにかでSTXエンターテインメントを告発したとか。ちなみに、セサミワークショップの敗訴で決着がついた模様。
確かに、あの子ども向け番組とこのお下品な映画を結びつけてほしくない! というのはとてもわかる……。たとえどんなに面白い作品だったとしても。
しかし、
However, Sesame Street lost that legal battle and The Happytime Murders has been gleefully trolling the iconic show even further in its promotional campaign, captioning posters with: “From the studio that was sued by Sesame Street…”
(引用元:NSFW Happytime Murders Trailer Gets Dirty and Depraved with Puppets|MovieWeb)
見よ、このメンタルの強さを!
その後のプロモーション・キャンペーンで、「セサミストリートに訴えられたスタジオより……」とキャプションを入れたらしい。転んでもただでは起きないとはまさにこのこと。
びっくりしますね。
まあ、勝ったからできたことではあるんでしょうけど……。
しっかりしたストーリー
で、ついつい下品さに目が行ってしまいがちですが、ストーリー自体は割としっかりしていた印象です。
ちゃんとサスペンスになっていた。芸が細かいというか、伏線もあった。
それに、次々と登場人物の頭が吹っ飛ばされたりフィルが逆に追われる立場になったりと、残酷な部分のある内容でも、ケタケタ笑いながらライトに観られるのは、ひとえにパペットのおかげだと思っています。そうじゃないと、まあまあしんどい内容でしたしね。
パペットの愛嬌と明るさにかなり助けられていた……気がします。
映画「パペット大騒査線 追憶の紫影」が好きな人におすすめの作品
映画「パペット大騒査線 追憶の紫影」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ロジャー・ラビット(1988)
- ソーセージ・パーティー(2016)
まとめ:追憶の紫影
本作には「パペット大騒査線 追憶の紫影」という邦題がありますが、「紫影」とはなんぞや? とずっと思っています……(ちなみに、原題は「The Happytime Murders」)。
なににせよ、「日本よ、これがハリウッドの相棒だ!」というキャッチコピーの期待通りの作品だったとは思いますね。下品だけど、面白かった!
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 23% AUDIENCE SCORE 41%
IMDb
5.5/10