
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の感想です。
評判を聞いていたのでいつか観ようと思っていたんですが、なんだかんだ地上派で放送されるまで待ってしまいました(笑)。
正直、めちゃくちゃ! 期待値が上がっていたものの、かなり面白かったです。期待を大幅に上回ってくる面白さ。
本記事は2025年07月13日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
昔の目玉おやじがイケメンすぎィ(水木氏も好き)。
作品情報
あらすじ
鬼太郎は目玉おやじと共に、今は廃村となっている哭倉村を訪れた。目玉おやじはそこで、70年前にこの村に起きた出来事を思い出すのだった――。
主な登場人物
(敬称略)
鬼太郎の父
(声:関俊彦)
後の目玉おやじ。生き別れになった妻を探している。水木からは「ゲゲ郎」と呼ばれる。
水木
(声:木内秀信)
帝国血液銀行に勤めている。戦争での経験から「使い捨てられない立場」を手に入れるため、野心に燃えている。
龍賀沙代
(声:種崎敦美)
鼻緒が切れて困っていたところ、哭倉村を訪れた水木と出会い助けられる。哭倉村から出て行きたいと願っている。
長田時弥
(声:小林由美子)
病弱な少年。時貞の遺言により、時麿の次の当主に指名された。
龍賀時貞
(声:白鳥哲)
龍賀の当主。
龍賀時麿
(声:飛田展男)
時貞の跡を継ぎ、龍賀の当主になった。平安貴族のような化粧、格好をしている。
龍賀孝三
(声:中井和哉)
禁域と呼ばれる場所に立ち入ったため、心を失った。現在は絵ばかり描いている。
龍賀乙米
(声:沢海陽子)
克典の妻。時貞の遺言により龍賀製薬の実験を握ることになる。
龍賀克典
(声:山路和弘)
乙米の夫で入り婿。龍賀製薬の社長。
龍賀丙江
(声:皆口裕子)
若い頃に駆け落ちして一度は村を出たものの、結局は連れ戻されることに。
長田庚子
(声:釘宮理恵)
元は龍賀家の娘だが、今は幻治の妻。時弥の母で、気弱な性格。
長田幻治
(声:石田彰)
庚子の夫で、哭倉村の村長。村人からの人望は厚いが、余所者であるゲゲ郎や水木への当たりは強い。
謎の少年
(声:古川登志夫)
龍賀家で働く謎の少年。
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の感想
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の感想です。鬼太郎をあまり知らない人でもしっかり楽しめる内容となっていました。
鬼太郎に詳しくなくても
まず、前提として。私は「ゲゲゲの鬼太郎」に詳しくありません。いや、もちろんある程度のあらすじとか登場人物とかは知っているんですけど、思い返してみれば、アニメもしっかりとは見たことなかったなって。
でも、本作はちゃーんと楽しめました。
目玉おやじと鬼太郎の存在を知っていたらたぶん大丈夫(笑)。っていうか、かつての目玉おやじ(ゲゲ郎)めちゃくちゃ格好良いな!? 驚いちゃった。
惚れてまうやろー!by沙代
ゲゲ郎と。そして、もうひとりの主人公である水木。
龍賀家の娘である沙代は、この水木に次第に惹かれていく。もうね、わかるわー! ってなる。こんなガッチガチにルールで縛られた田舎の素朴な娘さんが、眉のあたりに傷を持ったちょい悪おやじみたいな人に会ってしまったら、そりゃあ惚れてまう。で、そんな沙代をあくまでも子どもとしてしか扱わない水木もまたいいんですね、これが。
でも、「ここから連れ出して」と言っていた沙代の、好いた男性に連れ去ってほしいという願望にも思えるあのセリフの意味がガラリと変わった中盤。あそこにはゾクリとしました。沙代はただ純朴で無知な娘というわけではなくて、ある程度したたかさを持ち合わせているんですよね。
良い奴、水木
一方、水木のほうも。
序盤、偶然鉢合わせた沙代に対して声をかけるシーンでは「そんな急に声かけたりして大丈夫!?」と思ってしまいましたが、この時点では龍賀に関わりがありそうな娘を利用するつもりだったんですねえ。うーん、野心家!
でも、水木が「使い捨てにされないような立場になる」決意をしたきっかけの過去を垣間見ると、とても切なくなります。そりゃあ野心家になっても仕方ないよなって。弱い者から真っ先に切り捨てられるのだと身をもって知っているから。
そうは思うんだけど、水木はただ野心家なだけであって、人の心を捨てたわけじゃない。というか、戦争で過酷な経験をしたからこそ「人でいられるための一線は越えたくない」みたいな感覚があるように思えました。龍賀家のことなんてなにひとつ関係ないのに、沙代に同情しているあたりとかグッときましたね。
しかしながら。
短い時間とはいえ、村の中で親しくしていた人が目の前で命を落とした瞬間は悲しむのに、切り替えが早いのも水木。これは冷たいとかではなく、戦争を経験しているからなんですよね、たぶん。少し前まで自分と会話をしていた人が死んでいくのを幾度となく経験しているから、そうできてしまう。このあたりの描写もすごく良かったです。
克典さんはたぶん(龍賀家の中では)良い人
そして、めっちゃ成金! みたいな格好で登場する克典さん。
彼もある意味ではまともな感覚を持った人だったんだと思います。まあ、普通の2時間ドラマとかなら、誰かに恨みを買って被害者になるポジションだったとは思うけど(笑)。
この時代に、ポッと出の水木に「沙代を(嫁として)やらんこともないぞ」って言えるのは強い(確信)。沙代を駒として使おうとしなかった人でもある。龍賀家の中にいると「良い人じゃん!」ってなります。
ただ、克典さん、龍賀家のしきたりなんかについては一切知らされていなかったんだろうなと。そう思うと報われないというか、切ないですね。入り婿、つまり龍賀の血が流れていないということで、確実に龍賀家の人たちからは見下されているし。
最初は「なん、こいつ!?」って思うんですが、物語が進み、龍賀家について明らかになるにしたがって「この人、実は可哀想な人なのでは……?」ってなっていきます。克典さん、好き。
ゲゲ郎のアクションシーン
個人的に一番好きだったのは、ゲゲ郎の体を張ったアクションシーンでした。
なにあれ。格好良すぎるんだが!?
3DやCGでリアルに近いアクションもいいけど、2Dのアクションもすごくいい◎。改めて実感。あのシーンは相当気合いが入っている感じがしましたね。
グロいシーンも◎
アクションシーンと同様に、グロいシーンもなかなか良かったですよ。
目玉がポーンと飛び出すところとか、「わっ、すごい!(ハート)」ってなりました。っていうか、私は本作をテレビで観たんですけれども、よくこれを放送できたなと。最近、コンプラ問題なのかなんなのか、金ローとかでもピクサーかジブリ、あっても「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)みたいに子どもでも観られるものばかり放送されていて、昔みたいに「エイリアン」(1979)とか「プレデター」(1987)とか見せてくれよー! と思っていたんですが。
アニメにしてはちゃんとグロかったですね。本作は。
たぶん、本作がPG12とされているのはあのシーンがあるからかな。内容自体は割とシンプルで、子どもでも理解できそうな感じでしたもんね。
エンドロールまで楽しめる
なお、エンドロールまでしっかり楽しめるタイプの映画でした。まる。
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が好きな人におすすめの作品
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版(2024)
- ゴジラ-1.0(2023)
- ミステリと言う勿れ(2023)
- PERFECT BLUE(1998)
まとめ:分岐が話題(墓場鬼太郎と)
巷では「墓場鬼太郎」ルートと「ゲゲゲの鬼太郎」ルートの分岐が話題になっている模様。ちなみに、私はほとんど「墓場鬼太郎」を知らないのでなんとも言えないんですが(笑)。
ちょっとこちらも気になるなと思うなどしました。
Rotten Tomatoes
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IMDb
7.2/10
Filmarks
3.9/5.0