すずめの戸締まり
「君の名は。」、そして「天気の子」に続く新海誠監督の作品です。
それにしても、ヒット続きですごいですよね!
ただ、「興行収入が……」「ヒット間違いなし……」みたいなことを大々的に言われると、もうちょっとあとでいいや……とたいがい後回しになってしまう天邪鬼な私です。
地上波にて、やっと「すずめの戸締まり」を観ることができたので、感想を述べます(お噂はかねがね!)。
本記事は2024年05月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
すずめ、すき。
作品情報
タイトル | すずめの戸締まり |
ジャンル | アニメ |
監督 | 新海誠 |
上映時間 | 122分 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2022年 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
九州の静かな街の高校生、鈴芽(すずめ)。いつものように学校に行こうとしていた鈴芽は、道中すれ違った青年に「この辺に廃墟はないか」と訊ねられる。なんでも、災いをもたらす「扉」を探し、閉じるために旅をしているのだという。そんな青年の事情に、鈴芽も次第に関わっていくことに……。
▼DVD▼登場人物
(敬称略)
岩戸鈴芽(声:原菜乃華)
九州のとある街で、叔母と二人で暮らす女子高生。親代わりの叔母の心配を、ちょっぴり鬱陶しく思っている。
宗像草太(声:松村北斗)
全国各地に現れる、災いをもたらす「扉」を探し、閉じて回っている「閉じ師」の青年。大学生。
岩戸環(声:深津絵里)
鈴芽の叔母。鈴芽の実親に代わり、小さい頃から鈴芽を見守ってきた。過保護な一面があり、鈴芽に鬱陶しがられることも多い。
岡部稔(声:染谷将太)
環の同僚で、環に好意を寄せている。
二ノ宮ルミ(声:伊藤沙利)
鈴芽が神戸を訪れた際、面倒を見てくれたスナックのママ。女手一つで幼い双子を育てている。
海部千果(声:花瀬琴音)
鈴芽が愛媛を訪れた際に知り合った少女。実家は民宿を経営している。
岩戸椿芽(声:花澤香菜)
鈴芽の母。
芹澤朋也(声:神木隆之介)
草太の大学の友人。面倒くさそうにしながらも、基本的に鈴芽たちには協力的。
宗像羊朗(声:松本白鸚)
草太の祖父。「閉じ師」としての師匠でもある。現在は東京の病院に入院中。
映画「すずめの戸締まり」の感想
映画「すずめの戸締まり」の感想です。実は、劇場公開しているときには観ておらず、地上波放送されてから初めて観るという失態を犯したタイプです。
イケメン無罪(んなわけない)
本作を観始めた時、パッと思い浮かんだ言葉が「イケメン無罪」。
いや、そもそもあんまり好きじゃないんですけどね。この言葉。
ただ、自分が女子高生だったとしてですよ(そんな時期もありました)、前から歩いてきてすれ違っただけの他人の男に、突然「ねえ、君」とかいって話しかけられたら、普通ビビり散らかすでしょう、と。少なくとも私だったら聞こえなかった振りして、全力で自転車漕いで逃げるんだが。
で、学校に着いてから友達に「今ヤバい奴いたんだけど!」と興奮気味に話す。
まあ、ここら辺は、本作の設定上、鈴芽にもピンとくるものがあったということなんでしょうけれども。
とはいえ、草太に清潔感があって、いかにも下心とかなさそうで、爽やかなお兄さんという感じだから、ギリセーフみたいな雰囲気を感じました。
いかにイケメンだとしても、現実世界でこれをやられたらとりあえず警戒する。
思春期と大人のリアル
また、環さんと鈴芽の関係がリアルだなと感じました。
実の親ではない、けれども実質親代わりとして鈴芽を育ててきた環さん。
環さんには実際、過保護な一面があるんですけれども、この愛情から来る心配を、鈴芽は最初から鬱陶しそうにしているんですよね。
なんか、鈴芽っち酷くない?
そんな場面も多々ありますが、多感な年頃というか、17歳ぐらいの頃ってこんなもんだよなあと。
大人になると、高校生なんてまだまだ子どもだったと思ったりもするけれど、自分が高校生だった時は自分のことを子どもだとは思っていなかった。
大人に片足突っ込んだ状態、みたいな。
だから、親に心配されたり、心配がゆえに行動を制限されたり怒られたりすると「もう子どもじゃないんだから」と反発したくなったりしますよね。そんな覚えないですか? 私はあります。
これがまさに、本作の鈴芽の状態。
親(保護者)に対する本当の意味でのありがたみって、自立してからやっとわかるものだったりします。
ただ、私は大人なので、環さんの気持ちになって心臓がキュッとしてしまいました。
自分がいない隙に、姪が知らない男を家に連れ込んだかもしれなくて、そのうえ、友達の家にいると言っていたのにそれも嘘で、気付いたら(もしかすると男と)愛媛にいて、次は神戸に移動していて……。
……なんらかの事件に巻き込まれているんじゃないか?
そう思われても仕方のない行動ですよね。
まあ、なんらかの事件に巻き込まれているというのは、あながち間違いというわけでもないんですが。
とにかく、鈴芽(高校生)と環さん(保護者)の関係がやけにリアルだなと感じました。
みんな大好き芹澤くん!
個人的に、一番推せると思ったのは、草太の同級生の芹澤くん!
芹澤くん好き!
この作品のMVPは間違いなく芹澤くん。
チャラそうに見えて考えはしっかりしているし、困っている人を放っておけない優しさがあるし、草太(友人)の不在を気にかけてくれるし。
基本的に面倒くさそうにしていることが多い芹澤くんですが、最後まで付き合ってくれるお人よしな子でした。キュン。
可愛い可愛いダイジンちゃん
あとは、単純にダイジンが可愛い。
途中途中、不愉快な言動がありつつも、やっぱりこの可愛さには勝てん。
幼い子どもを見ているような、そんな感じがしました。心がほっこり温かくなるというか。
「こいつァなんなんだ!?」というところもあれば「ああ、可愛い。可愛いね……」というところもあり、かと思えば「可哀想な子だよ、ほんと……」みたいなところもあって。
もはやこの物語の主人公はダイジンでいいんじゃないか!?(駄目)
とにかく綺麗な映像
新海誠監督の作品に共通することかもしれませんけれども、本作も例に漏れず、映像がただひたすらに綺麗でした。
美しく、迫力があり、魅入られてしまう。
このあたりは流石だなと感じるところでしたね。内容的に「自分の好みじゃないな」と思った人でも、映像については文句なし! だったんじゃないでしょうか?
人生、一期一会
んでもって(?)、本作は人生の一期一会を強く意識させられる内容になっていました。
(鈴芽にとっては)偶然立ち寄った愛媛であの人に、神戸でまた違う人にお世話になるという経験は、まあ、普通の高校生がするようなことではありません。
それも、ただお世話になるのではなく、ベビーシッターの真似事をしてみたり、スナックで働く真似事をしてみたり。
人に対する、あるいは物事に対する一期一会。
環さんに過剰に心配をかけたのは良くないことだけれど、鈴芽は素敵な経験をしているなあとしみじみ感じました(危険なことは、もちろんメッ! ですが)。
もしかしたらこの旅を経て、「自分は(環さんに心配されるほど)子どもじゃない」と背伸びしていたことや、保護者(環さん)からの心配を鬱陶しく感じていたことなんかを、客観的に見られるようになったのかもしれません。
震災関連要注意
ただ、一点だけ挙げるとすれば、東日本大震災に関連する内容になっているので、そういったものを彷彿とさせる内容が苦手な人には向かない作品ではあります。
そこだけ要注意。
映画「すずめの戸締まり」が好きな人におすすめの作品
映画「すずめの戸締まり」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 君たちはどう生きるか(2023)
- 君の名は。(2016)
- 天気の子(2019)
- 星を追う子ども(2011)
まとめ:ダイジンの可愛さにキュンとする
個人的に「ああ、もっと早く観ておけば良かったかも」と思ったのはさて置いて(?)、とにもかくにもキュートなダイジンちゃんが好きすぎる作品でした。
子どもそのものの純粋さと、純粋だからこその無垢な悪意。
このアンバランスさに胸をズキュンと撃ち抜かれました。可愛い。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 96% AUDIENCE SCORE 98%
IMDb
7.6/10