カリフォルニア・ダウン [Blu-ray]
日本人として少しドキドキしてしまう、地震(大震災)をテーマにした作品です。
パニック系や震災を扱った映画が苦手な人は要注意。
ただし、「パワー!」という感じで、ハリウッドらしい力でごり押ししているような描写は、迫力満点です。
作品情報
タイトル | カリフォルニア・ダウン |
原題 | San Andreas |
ジャンル | アクション、アドベンチャー、パニック |
監督 | ブラッド・ペイトン |
上映時間 | 114分 |
製作国 | アメリカ |
アメリカ公開年 | 2015年 |
おすすめ度 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
突如、カリフォルニアを襲った未曽有の大地震。人々が混乱に陥る中、レスキュー隊に所属するレイは、別居中の妻と共に、ひとりサンフランシスコにいる娘を助けに向かう。
登場人物
(敬称略)
レイ(演:ドウェイン・ジョンソン)
レスキュー隊のパイロット。妻とは別居中で離婚寸前。サンフランシスコにいる娘を助けに向かう。
エマ(演:カーラ・グギノ)
レイの妻。レイとは別居中で離婚寸前。再婚(予定)相手がいる。
ブレイク(演:アレクサンドラ・ダダリオ)
レイとエマの娘。サンフランシスコにいる間に震災に遭遇した。
ダニエル(演:ヨアン・グリフィズ)
エマがレイと離婚したあと、再婚しようとしていた相手。地震が起きたとき、ブレイクと一緒にいた。
ベン(演:ヒューゴ・ジョンストーン=バート)
サンフランシスコでブレイクと知り合い、地震のあとも行動を共にする。
オリー(演:アート・パーキンソン)
ベンの弟。
映画「カリフォルニア・ダウン」の感想
地震だけでなく、津波の描写もあります。やはり、地震が起きたときには二次災害にも気を付けなければいけませんね。
リアルだけどリアルでない災害の描写
正直、地震大国の日本に生まれ育った私としては「さて、アメリカの地震に対する認識を見てやろうじゃないの!」と(かなり上から目線で)見ていました。
率直な感想としては、やっぱりなという感じ。
まあ、大きな地震が起きて、机の下に滑り込んだりするあたりはわかるんですよ。
でもね、建物が倒壊するほど揺れているのに、パニックに陥った人たちが「キャーッ!」とか言いながら逃げ惑うのはどうなんだろう……。走れるか? いや、無理だろう……。
それに、レイとエマが津波に立ち向かうシーンも非現実的すぎてびっくりした。まず、津波に立ち向かうってなに?
怖すぎる。
ただ、カリフォルニアの街が崩壊する様子や、津波が襲い掛かってくる光景自体は結構リアルでした。ハリウッドらしいダイナミックさです。
レスキュー隊の職務怠慢
いろいろ突っ込みどころがある作品ではありますが、もうひとつびっくりしたのが、大地震に襲われた際、ヘリコプターを操縦していたレイが「家族を助けにいかなければ!」とそのまま旋回して行ってしまうところ。
えーっ!?
それ、レスキュー隊で使っているヘリコプターじゃないんですか!? 仕事そっちのけで家族を助けに行ってもいいんですか!?
いや、夫として、父親としては素晴らしい選択なのかもしれないし、実際にその状況になったら多くの人がそうするのかもしれないし、レイがそうしなかったら妻も娘もきっと死んでいたかもしれないというのはそうなんだけど……。
一応レスキュー隊のパイロットではあるのに、家族のことばかりで、仕事のことや街の人たちのことを一切考えない様子なのがモヤモヤしてしまいました。
本作は家族の絆の物語でもあるから、仕方ないのでしょうかね。
でも、完全に公私混同。
家族で唯一まともなのは娘だけ
上記で家族の絆の物語と言いましたが、これは「おそらくそうなんだろうな」と感じただけで、実際には微妙なところでした。
あることがきっかけで、夫婦関係がうまくいかなくなり、別居していたレイとエマ。それもエマには再婚する予定の相手(ダニエル)がいて、離婚はほぼ決定的という状況。
なのに、ダニエルがクズだとわかった瞬間にエマはすぐレイのもとに戻り、レイも当然のようにそれを受け入れる……って、どんな話? しかも、ダニエルに対してとてつもない暴言を吐き出したり。
確かにダニエルはクズだった。でも、一瞬で切り替えて暴言を吐いているのを見ると、「一度は結婚しようと思った相手じゃないんかい……」と思ってしまいますね。ある意味、これも邦画にはない良さではあるのかもしれませんが。
で、レイは先述したように、「家族が助かればそれでいい」とでも言いたげな職務放棄。
唯一まともだと思えたのは娘のブレイクだけですが、それも普通という程度で良い子というわけではない。
ただ、父親の背中を見て育ってきているからか、頭が良い子だとは感じましたね。あの歳で、周りに影響されず、自分で助かる方法を考えて行動するというのは、なかなかできることではありません。
不自然なベンの行動
大地震に襲われる前、ブレイクと知り合ったベンとオリーの兄弟。
若いふたりですね。
なんとかして兄とブレイクをくっつけようとしているオリーのおませさんな感じが、なんとも可愛らしかった。
しかし、たとえちょっと良い感じになっていたとしても、命を懸けてほんの少し過ごした相手を助けに行くってなかなか非現実的じゃないですか?
そもそも、あの混沌とした空気で、弟を最優先で守りながら「あれ、彼女がいないぞ!」となるのがすごい。
ただ、結果的には良い方向に向かったものの、ブレイクの言うことを聞いたせいで怪我をしたのに、一切責めなかったのは出来た青年だなとは思いました。
パワー系の妻・エマ
ドウェイン・ジョンソンが出演しているだけあって、ダイナミックなアクションシーンが続く本作。
夫に負けず、妻のパワフルさもすごかった。
ボートを運転したり、跳躍したり……さすがハリウッドという感じの展開でしたね。
まさにパワー!
ダニエルは本当にクズなのかという問題
エマの再婚(予定)相手だったダニエル。
クズとして登場するわけですが、実際のところ、果たしてどうだったのか。
いや、まあ、客観的に見て、クズはクズなんでしょうし、それは間違いない事実だと思います。それに、おそらくベンと対比する存在として出てきたところはあるのでしょうけれども。
でも、このような大震災に見舞われたときに、誰もが人のために動けるわけじゃないという事実を「悪」と表現するのには、ちょっとした違和感が生まれました。
勧善懲悪みたいな。
世の中、レイのように強い人ばかりではないし、見方を変えれば、公私混同してその他大勢を見捨てたような状況にしているレイだって、正義とは言えないでしょう。
津波で家族を亡くした人に対して「ごめん、自分の家族を守りたかったんだ」なんて言っても、納得なんてできないでしょうしね。
なので、ダニエルはレイたち家族からしたら悪だった。けれども、その他大勢からしたらそうとは言い切れないかもしれない……というのが感想です。
映画「カリフォルニア・ダウン」が好きな人におすすめの作品
映画「カリフォルニア・ダウン」が好きな人には、以下の作品がおすすめです。
- ディープ・インパクト(1998)
- 2012(2009)
- ジオストーム(2017)
- デイ・アフター・トゥモロー(2004)
まとめ:ハラハラドキドキ&ハッピーエンドを見たい人に
ドウェイン・ジョンソンが主役を張っている時点でほとんど確信できることですが、大災害に遭ったのにもかかわらず、生き延びられる家族すごい。
ハラハラドキドキの展開が連続するのに、ハッピーエンドに持っていくパワー系な映画でした。
地震大国である日本の民としては、突っ込みどころが結構あるので、ファンタジー作品としてコメディーな部分を楽しめばよいのではないかと思います。