
室町無頼
映画「新解釈・三國志」(2020)や「清須会議」(2013)などで知られる大泉洋さん主演の「室町無頼」。
面白かったです。さすが大泉洋さん。
大泉洋さんの時代もの、本当に好きなんですよね。
ただ、時代ものの作品とは切っても切り離せないアクションシーンに関しては、少々物足りなさを感じてしまいました。
本記事は2025年05月13日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
今の日本で良いと思っているのか?
作品情報
タイトル | 室町無頼 |
原作 | 室町無頼/垣根涼介著 |
ジャンル | アクション |
監督 | 入江悠 |
上映時間 | 135分 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2024年 |
公開年 | 2025年 |
レイティング | PG12 |
個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
1461年、日本。大飢饉と疫病が人々を襲い、死体が次から次へと積み上げられていた時代に、蓮田兵衛というひとりの男がいた。蓮田兵衛は自由人だと思われていたが、その実、密かに日本の現状を憂い、志を同じくする者たちと共に無謀な一揆を企てていたのだった――。
主な登場人物
(敬称略)
蓮田兵衛(演:大泉洋)
傍から見ると自由人だが、その裏で一揆を企てていた人物。
才蔵(演:長尾謙杜)
道賢(の手下)に捕まっていたところを兵衛に拾われた。鍛えられた後、兵衛の手下となる。
芳王子(演:松本若菜)
高級遊女。かつては道賢の想い人だったが、現在は兵衛の情婦。
骨皮道賢(演:堤真一)
幕府に京の治安維持を任されている人物。兵衛とは腐れ縁の仲。
映画「室町無頼」の感想
映画「室町無頼」の感想です。本作で「無頼」という言葉を初めて知りました。大泉洋さん、やっぱり良いですね!
最高のキャスティング!
本作の魅力は、なんといってもこのキャスティング! 大泉洋さんをはじめ、堤真一さんや松本若菜さん、柄本明さん、北村一輝さんなどのベテラン勢がまた良い仕事をしてくれていました。
特に大泉洋さんと堤真一さんね。
この2人がとても良かった。まさにハマり役。
いやしかし、大泉洋さんって、単純で明るいお馬鹿さんに見えるけれど、実は腹に一物を抱えた人物を演じるのにぴったりくる人ですよね。
堤真一さんの、どっしり構えた感じの演技もとても良かった。
セリフが聞き取りづらい
ただ、正直、セリフが聞き取りづらい部分がかなり多くて(私だけ?)。
なんかやたらと皆さん声を張り上げているんですよね。「えっ、えっ、今、なんて言ったの?」なシーンが多かった。幸運なことに配信で観ていたので、ちょこちょこ巻き戻すことができましたが、映画館で観ていたらたぶん「??」なままスルーするしかなかったんじゃないかと思います。
結局、巻き戻してもわからない部分もあったし。
声を張り上げるのはいいけど、演技というより、ただ大きい声を出しているように見えてしまいました。
道を違えた2人の友情
また、時代ものにありがちな、こう、かつては友人だったし、志を同じくしていたけれど、今は道を違えてしまった2人というの、本当に良いですよねえ。そこはかとないロマンを感じるというか。
やり方は違えど、互いに「世の中を良いものへと」を掲げている。まあ、正直、道賢さんは自分の選択を後悔しているようでもあったけれど、それでももうここまで来たら引き下がれないと。
プライドのぶつかり合いみたいな感じがして、つい体に力が入ってしまいます。いろんな意味でドキドキする。
登場人物の描写がもっと欲しかった
ただ、欲を言えば、登場人物についての描写がもう少し欲しかったなというところ。
というのも、登場人物の背景がほとんど描かれないため、兵衛と道賢ってどういう関係なん? 才蔵ってどんな生活を送ってきた人なの? っていうか、才蔵に稽古をつけたあのおじいちゃんって何者? そのそばにいた弓を使う女の子も何者? え、え、えー!? って。
いや、個人の過去がわからずとも、別に物語自体は楽しめるんですけどね。完全に感情移入できるかというと、やっぱり難しいところもある。芳王子もね、昔は道賢さんの恋人(想い人?)で今は兵衛の情婦。高級遊女だし、当時はそれなりにある光景だったのかもしれないけど、ここら辺の事情も少し気にはなりますよね。
登場人物が多い割に、それを個人として見なす情報があまりに少なすぎたような気がしました。
なので、このあたりは原作を読んでみたいところ。
あと一歩の迫力
そして、こちらも時代ものには付きもののアクションシーン。
……あと一歩の迫力だった!
良かったのは良かったんだけど、あからさまに不自然なところとかがあったように思います。例えば、才蔵が屋根の上を突っ走るシーンとか。だだだだ、と逃げている才蔵の背後から追ってくる敵――が、その部分だけ不自然に陥落した屋根からズドーンと落っこちた! 「ふんんん!?」と変な声が出ました(笑)。
ワイヤーアクションも、あからさまに吊り上げられています! みたいな不自然さがあって、正直、ちょっと微妙だったかな。
でも、それを抜きにすれば、兵衛サイドと道賢さんサイドの人たちが入り乱れ、混沌とした感じでとても良かったと思います。
あんなに入り乱れていたら……
ストーリーにはほとんど関係ないんですが、個人的に思った(余計な)感想として。
一揆が始まり、兵衛たちと道賢さんたちが入り乱れたシーンにて。……あんなに入り乱れていたら、間違って味方を斬っちゃうなんてことはないのだろうか? と。私なら「あ、やっちゃった☆(テヘペロ)」なんてことになりそうだわ、と思いながら楽しみました。それだけです。以上。
映画「室町無頼」が好きな人におすすめの作品
映画「室町無頼」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 十三人の刺客(2010)
- 十一人の賊軍(2024)
- 陰陽師0(2024)
まとめ:大泉洋さんの時代ものには外れなし!
もうね、本当に大泉洋さんの時代もののファンです。
基本的に外れはない(外れと言っても、私の好みから外れているということですが)。
本作も大泉洋さんは非常に良かった。あのしたたかな感じがたまりません。普段、あまり邦画を観ない私ですが、時代ものはやっぱり別腹です。
Rotten Tomatoes
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IMDb
6.6/10
Filmarks
3.7/5.0