月刊少女野崎くん 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)
家事や育児、仕事などで忙しい日々を送っていれば、ストレスもたまりますよね。
そんなときにおすすめなのはクスッと笑える「月刊少女野崎くん」!
王道とは言いがたいユニークな設定のラブコメです。本格的な恋愛ものが苦手な人にも読みやすい作品となっているので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
作品情報
出版日 | 2012/4/20 | 出版社 | スクウェア・エニックス |
ジャンル | コメディー・ロマンス | 作者 | 椿いづみ |
おすすめ度 | ★★★★★ |
おもな登場人物
主人公。少女漫画家・野崎のことが好きで告白するも、いつも空回り。結果、美術部で培った技術を生かして野崎の仕事を手伝うような間柄に(アシスタント)。担当はベタ塗り。
千代の思い人。中学時代はバスケ部で身長が高く、がたいがいい。一見無表情だが意外と抜けている一面も。現在は高校生の少女漫画家・夢野咲子(ゆめの さきこ)として活動中。
野崎の弟。ぼんやりとした性格だが、柔道のことになると人が変わる(柔道部)。
野崎や千代の友人で、アシスタントのひとり。背景や人物は苦手だが、小物やお花(効果)を描かせたらNo.1。あだ名は「みこりん」。
演劇部の部長で、野崎のアシスタント。野崎の仕事を手伝う代わりに、演劇部の台本を書いてもらっている。背景担当。身長は少し小さめ。
演劇部のスター。ひょうきんな性格で(部活をサボったりふざけたりするので)堀に怒られることもしばしば。女子に対して甘い言葉を吐くことから校内の男子生徒からは「学園の王子様」と呼ばれることも。
千代とは出席番号順が近かったことで仲良くなる。がさつな性格をしているが本人曰く「気遣いができる」とのこと。歌がうまく「声楽部のローレライ」との異名を持つ。
野崎の中学時代の後輩(バスケ部)。手先が器用なことから野崎のアシスタントに。担当はトーン貼り。不眠症気味だが、ローレライの歌声を聞くと眠ってしまう。
野崎と同じく少女漫画家として活躍している女子大生。野崎とは同じマンションに住んでいる。
漫画の編集。ゆかりの現担当で野崎の前担当。明るく奔放、ナルシストな性格。野崎の天敵。
漫画の編集で、野崎の現担当。前野とは同級生だが編集としてはやや後輩に当たる。ストレスからか、前野が近くにいるいないで太ったり痩せたりを繰り返している。現在はぽっちゃり。野崎の宮前愛は千代も歯を食いしばるほど。
あらすじ
無骨な男子高校生「野崎梅太郎」。彼に恋をした女子高生「佐倉千代」は勇気を振り絞って告白するものの、何故か恋人ではなく少女漫画家のアシスタントになったのでした…。男子高校生でありながら人気少女漫画家でもある野崎くんの日常を描く、少女漫画家男子コメディー!!
(引用元:「月刊少女野崎くん1巻」amazon.co.jp)
「月刊少女野崎くん」の注目ポイント
コメディータッチで描かれているので、少女漫画が苦手な人やロマンスものはあまり手に取らない人でもスラスラと読めてしまう作品です。
クスッと笑えるポイント満載
少女漫画としての構成は完璧なのにクスッと笑える。
それが「月刊少女野崎くん」の魅力です。
好きな人(男)が実は少女漫画家で、告白したところからアシスタント生活が始まるというストーリー自体すごく面白いアイデアですが、これをさらにコメディーに昇華させています。
思わずニヤニヤしてしまうポイントを的確についてくるので、家の中でじっくり読みたい作品です。
登場人物が魅力的
読み進めていくうちに登場人物も増えていきますが、通常この場合「あれ、これ誰だっけ?」というのが1人や2人出てきてもおかしくありませんよね。
でも、月刊少女野崎くんの場合はそれがありません。
全員が全員個性的なので、非常に覚えやすいのが特徴です。
例えば野崎なら、
女子の繊細な乙女心を描写しているはずなのに実際はデリカシーがない一面も
などのギャップがあります。
キャラたちの恋愛もしっかり追える
最初のほうはギャグ要素が強い月刊少女野崎くんですが、物語が進行していくにしたがってキャラクターたちの距離感も縮まっていきます。
笑えるだけでなくちょっぴりドキッとするようなシーンも。
特に気になるのはやはり野崎×千代ですね。
千代は終始「野崎くん好き好き~!」ですが、少女漫画家にしてにぶすぎる野崎がいつそれに気づくのか。そして気づいたらどんな関係に発展するのか。
ほかにも気になる組み合わせはたくさんいるので、推しカップルを見つけてみるのもひとつの楽しみかたです。
少女漫画の裏事情がわかる
普段、なんとなしにページをめくっている少女漫画ですが、実は「描いていいもの」と「描いてはいけないもの」に分かれています。
例えば、
=自転車の2人乗りはだめ
=決闘シーンはだめ
=未成年の飲酒・喫煙はだめ
などです。
決闘シーンに至っては意外とよく見かけるような気もしますが、今の日本には「決闘罪」なるものがあるんだそうです。
このように、月刊少女野崎くんには読み手としてだけでなく、描き手としても役立つ情報が散りばめられています。
「月刊少女野崎くん」を読んだ感想
現在(2022年1月時点)、13巻まで出ている「月刊少女野崎くん」。
千代が告白するところから始まるドタバタすれ違いラブコメディーですが、このすれ違いっぷりがまあ見事!
4コマ形式(一部例外あり)でテンポよくストーリーが進んでいくので、非常に読みやすい作品となっています。
「好きな人(男子高生)がもし少女漫画家だったら?」
だなんていうアイデアをいったいどこで思いついたんでしょうね。
ギャグ要素は強いものの、読み進めていくうちにしっかり登場人物たちの恋愛模様も変わっていくのがいいですね。
コメディーなしで普通の少女漫画として描かれていても面白そう。
「野崎くん好き好き!」の千代はとにかく一途だし、イケメンなのにどこか残念な御子柴(みこりん)も可愛いし、「(堀)先輩可愛がって!」な鹿島は明るすぎるし、野崎は少女漫画家とは思えないほどにぶいし、ということで、読んでいてホッコリします。
月刊少女野崎くん 10巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)
千代(左)×野崎(右)
月刊少女野崎くん 8巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)
御子柴(左)×鹿島(右)
(注:鹿島は女です)
月刊少女野崎くん 5巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)
宮前(左)×前野(右)
月刊少女野崎くん 9巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)
ゆかり(左)×タヌキ(中)×野崎(右)
タヌキとゆかりには深い関係が……!?
などなど、これだけの登場人物がいるのにもかかわらず、全員がまったく違った雰囲気になっているのがすごいですよね。
また、これだけ長い話なのに一切の中だるみがないのも魅力のひとつです。
飽きることなく読めるので「大人買いして一気に読みたい!」という人にもおすすめ。
椿いづみ先生といえば、
俺様ティーチャー(花とゆめ)
などの作品を描いたことでも知られています。
ほかにも読み切り作品が多数あり、どれもけっこう個性的な内容となっているので、読みごたえ抜群です。
まとめ:漫画が苦手ならアニメ版も
月刊少女野崎くんはアニメにもなっています。
「興味はあるけど漫画は苦手」という人は、ぜひアニメ版を試してみてください。
原作がまだ連載中であるだけに途中で終わってしまいますが、終わりかたとしてはスッキリしていて気持ちいいですよ!
仕事やプライベートでちょっと疲れたときに読みたくなるラブコメディーです。
※本記事の情報は2022年1月時点のものです。