
犬鳴村
「呪怨」や「輪廻」など数々のホラー映画を手掛けたことでも知られる清水崇監督がメガホンを取った「犬鳴村」。
実際の都市伝説(心霊スポット)がモデルになっているだけあって、雰囲気のある作品に仕上がっています。そんな中、和製ホラーが苦手な人でも見やすいような演出になっているのが特徴です。
本記事は2022年01月に執筆されました(2024年06月更新)。すべての情報は更新時点のものです。
ワンフレーズ紹介
遊び半分で心霊スポットに行っちゃアカンって話。
作品情報
タイトル | 犬鳴村 |
ジャンル | ホラー |
監督 | 清水崇 |
上映時間 | 108分 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2020年 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
この世のものではないものが見える臨床心理士、森田奏。あるときから、奏の周辺では不可解な出来事が起こり始めた。兄の恋人の突然死、兄と弟の行方不明、次々と起こる変死……それらが「犬鳴トンネル」に関連したものであるらしいと考えた奏は、実際に「犬鳴トンネル」に足を運んでみることに……。
登場人物
(敬称略)
森田奏(演:三吉彩花)
主人公。臨床心理士で、兄の恋人の死をきっかけに奇怪な出来事に巻き込まれていくように。幼い頃から霊感が強かった。
森田悠真(演:坂東龍汰)
奏の兄。恋人の死がきっかけで犬鳴村に足を踏み入れる。
森田康太(演:海津陽)
奏と悠真の弟。兄・悠真の後を追って犬鳴村に足を踏み入れるが、悠真と共に失踪する。
西田明菜(演:大谷凛香)
悠真の恋人。犬鳴村を訪れたあとに様子がおかしくなり、その後飛び降り自殺をした。
成宮健司(演:古川毅)
奏が弟と兄を探しに犬鳴村へ足を踏み入れた際、奏の前に現れた謎の青年。どうやら犬鳴村と関係がありそうだが……?
映画「犬鳴村」の感想
映画「犬鳴村」の感想です。正直、そこまで怖くはない。なので、逆に言えば、ちょっとひんやりする程度の観やすいホラーを求めている人には合うかもしれない作品。
怖さレベル低めのJホラー
個人的には、Jホラーの怖さって「理不尽」なところにあると思うんですよね。
例えば「着信が来たら呪われる」とか。「ビデオを観たら呪われる」とか。「家に入ったら呪われる」とかも。
そんなんどうすりゃええん……? みたいな。
で、この「理不尽さ」がどこから来るのかというと、「避けようがない」という部分が大半を占めていると思う。なんていうか、日常生活を送っていただけなのに突然呪われた、という感覚。
その点、この作品では「わざわざ計画して『犬鳴トンネル』まで行ったから呪われたのだ」と、理不尽さが半減しているように感じてしまうんですよね(もちろん一部を除く)。
「家に入ったら呪われる」やつもおおよそ似たパターンではあるんだけれども、この「家」という日常で親しみのある場所だからこそ、微妙にリアルな感じがして怖い。
Jホラーは(フィクションなので、ありえないことではあるんだけど)誰が犠牲になってもおかしくないという理不尽さがあるからこその怖さだと思っていて、この作品はそのあたりが弱めかなと思いました。
とはいえ、まあ、ホラーだからって必ずしも怖くある必要はないんですよね。たぶん。
期待しすぎ要注意
Jホラーの最高峰(と私は思っている)「呪怨」シリーズを手掛けた監督の作品だからこそ、正直、めちゃくちゃ期待値が高かったんですよね。
でも、これは良くなかったなと反省しております。
どんな作品でも期待しすぎるのはよろしくないと。
本作に限った話ではないですが、どんな作品でも、行きすぎた期待を超えてくるのってなかなか難しい。「あの作品を作った人が監督だから、次はさらに面白いものを作ってくれるはず!」という過度な期待は、今後はなるべく控えておきます、はい。
考察しがいのある内容
Jホラー好きの私としては、若干物足りなく感じた恐怖演出ですが、内容としては考察のしがいがあるなと感じました。
例えば、犬化する人がいるのはわかったけれど、犬化したからといってどうなのだ? とかね。
基本的にはわかりやすいストーリーだったと思うんですけれども、いまいち理解しづらいところもありました。
最高のアイデア
私には合わなかったという意味で「物足りなかった」と書いてしまった本作ですが、都市伝説×心霊スポットという素材自体はものすごく良かったと思います。
いろんな作品がありすぎて、もはやJホラーの題材なんて出尽くしてしまったんだろうなと思っていたところにコレ。
うわあ、やられた! という感じでしたね。
映画「犬鳴村」が好きな人におすすめの作品
- 変な家(2024)
- 呪怨(2002)
- リング(1998)
- ミンナのウタ(2023)
まとめ:和製ホラーが苦手な人にも◎
Jホラーらしい恐怖演出というよりは、わっと驚かされるジャンプスケア的演出のほうが多かった印象でした。なので、生粋のJホラー好きの好みのタイプとは少しズレてしまうかも。
でも、素材はとても良いし、ストーリーも比較的わかりやすいので、気軽に観られる(ホラー)映画を探しているという人におすすめです。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 50% AUDIENCE SCORE 47%
IMDb
5.0/10