いまや戦争の怖さや犠牲を伝えるテレビ番組を一度も見たことがない、という人は少ないのではないでしょうか?
体験者の話を基にドラマ化や漫画化されることも多い戦時中の話ですが、それはあくまでも日本人視点。かつてヨーロッパには、いわれもなく、なんの罪も犯していないのに強制収容所に連行された人たちがたくさんいました。
それがユダヤ系の人々です。「Life is Beautiful」は、残酷な世界の中で、けれども懸命に生き抜こうとする親子の姿を健気に描いた作品です。
あらすじ
カンヌ映画祭で審査員グランプリに輝いた、ロベルト・ベニーニ監督・脚本・主演の感動作。ナチの強制収容所に収監されたある一家の物語を、ユーモラスかつ温かな視点で描く。“イタリアのチャップリン”と称される、ベニーニのユーモアと哀しみを交錯させた演出が秀逸。1939年、ユダヤ系イタリア人のグイドは、小学校の教師ドーラに恋をする。彼の純粋さに惹かれた彼女は結婚を承諾。やがて可愛い息子も生まれ、3人は幸せな日々を送っていた。そんなある時、彼らに突然強制収容所への収監命令が下る。
(引用元:allcinema)
こんな人におすすめ!
- 子ども(小さな王子様)が好きな人
- シリアスすぎるのは苦手な人
- コメディーが好きな人
- イタリア人らしいキザな台詞に萌える人
スタッフ・キャスト
- 監督:ロベルト・ベニーニ(Roberto Benigni)
- キャスト:ロベルト・ベニーニ(Roberto Benigni)―グイド(Guido)役
ニコレッタ・ブレスキ(Nicoletta Braschi)―ドーラ(Dora)役
ジョルジオ・カンタリーニ(Giorgio Cartarini)―ジョズエ(Giosuè )役
監督~脚本、主役まで演じる奇才ロベルト・ベニーニ氏の作品です!
【ネタバレなし】「Life is Beauitufl」おすすめポイント
「Life is Beautiful(La Vita E Bella)」は1997年(日本では1999年)公開のイタリア映画です。悲しくも人間や家族のありかたを考えさせられる、不朽の名作と言っても良いでしょう。
【1】戦争ものなのにコメディータッチ
日本で戦争ものの映画といえば、繊細なタッチでシリアスに描かれることが多いもの。ところがどっこい。「ライフ・イズ・ビューティフル(Life is Beautiful)」の特徴のひとつといえば、物語がスラップスティック(※注1)調で進行していくということです。
面白おかしく、でもふとした拍子に考えさせられる。
不思議な魅力のある一作です。
※注1:チャップリンを代表する、「どったんばったんする」寸劇のこと。コメディーの一種。
【2】家族のしあわせからはじまる物語
物語はまず、ユダヤ系イタリア人のグイド(Guido)があの手この手を使ってのちの奥さん、ドーラ(Dora)に愛を伝えて家族を築いていくところからはじまります。
そして順風満帆でしあわせな生活から一転、罪のひとつも犯していないのにもかかわらず強制収容所へ。
この「しあわせからの転落」もある種のテーマと言えるでしょう。最愛の息子を守ろうとする父の強さは、計り知れません。
【3】「小さな王子様」がとにかく可愛い
「こんにちは! お姫様!(Buongiorno, Principessa!)」
「小さな王子様」ジョズエ(Giosuè)がとにかく可愛すぎる(ちなみにしっかり美男子に成長しました)!
まだ子どもとは思えないほどの熱演ぶりに、ハラハラドキドキが止まらない当作品。息子を守ろうとする父親の不思議な言動と周囲の様子に「なにかおかしいな」と感じてはいるものの、それを聞いて確かめて、一緒に戦えるほど大人でもない。
天真爛漫、それでも必死に“今”を生きようとする子どものいじらしさがグッと胸に染み渡ります。
【4】そこはかとなくあふれ出る人情味
人は窮地に陥ったとき、どのような行動を取るのでしょうか?
なかには自分可愛さに他人を犠牲にしたり、罪悪感を持ちつつも子どもそっちのけで自分優先にしたりする人もいるでしょう。日常ではなく、戦時中のこと。そうなったとしても、ある意味では仕方のないことと捉えられなくもありません。
でも、グイドは違った。文字どおり全身全霊をかけて、最愛の息子を肉体的に、そして精神的に守ろうとします。
子どもとはいえ、赤ん坊ではない。ジョズエもきっと、そんな父から一身に受けた愛情をわかっていたことでしょう。
【5】鑑賞後に感じる程好い疲労感と感動
戦時中、それも強制収容所の中での話ですから、もちろん気持ちが良いばかりの話とは言えません。鑑賞後にはドッと疲れを感じていることでしょう。
でも、最後にひとつだけ言えること。
「世界はそれでも美しい」
タイトルにもなっている「ライフ・イズ・ビューティフル」は一体誰に対して向けられたものなのでしょうか? 主人公であるグイドか、息子のジョズエか、妻のドーラか、それとも読者である我々か。
これに対する明確な答えはなく、観た人の感性によるところも大きいと思うので一見の価値ありです!
【6】世界の中心はいつだって「小さな王子様」
グイドとドーラが愛し合ったすえに産まれたたったひとりの息子、ジョズエ。
2人にとっての共通の宝物はこの少年でした。ジョズエが生まれてからというもの、世界の中心はいつだってこの「小さな王子様」だった。
ジョズエの奔放で自由、素直な性格を見れば、どのように愛されてきたのかがすぐにわかります。また、緊迫感漂う空間、いつもと違う空間に放り込まれても取り乱さずにいられる強さはひとえに父と母からの贈り物と言っていいでしょう。
佳境に差し掛かったころに見られる意地らしさには、胸を打たれるものがあります。
大事な人を大事にするということ
友達や家族、恋人。
そんな大事な人を大事にするというのは一見当たり前のことのように思えますが、日ごろの自身を振り返ってみて、どうでしょうか?
どうせわかってくれているだろう。言葉にしなくても伝わっているだろう。
そう思っている人はいませんか?
人間、いつどうなるかわかりません。大事な人には日ごろの感謝や愛情をしっかり言葉と行動で伝え、互いに理解を深める努力をしていきたいものですね!

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