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映画「清須会議」あらすじ・感想|派手な合戦シーンは一切なし!織田信長の跡継ぎは誰?後見は?

清須会議_タイトル 歴史

清須会議

個人的に、三谷幸喜作品の中でも特に好きな映画です。

キャストが豪華(全員実力派)ということ以上に、登場人物のキャラが立っていて見ごたえ抜群。大泉洋さんの羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)役は実にしっくり来ましたね!

本記事は2024年06月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。

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ワンフレーズ紹介

本能寺の変で斃れた織田信長の跡は誰が継ぐ?

作品情報

タイトル清須会議
原作清須会議/三谷幸喜著
ジャンル歴史
監督三谷幸喜
上映時間138分
製作国日本
製作年2013年
レイティング
個人的評価★★★★★

あらすじ

天正10年(1582年)、本能寺の変は起きた。「お館様」織田信長を失い、その跡を継ぐのはいったい誰かという問題が持ち上がる。そこで、後見として名乗りを上げたのが、筆頭宿老の柴田勝家、そしてのちに豊臣秀吉となる羽柴秀吉だった。勝家は織田信長の三男・織田信孝を、秀吉は次男の織田信雄をそれぞれ推すことにするが……。

登場人物

(敬称略)

羽柴秀吉(演:大泉洋)

宿老の一人。フレンドリーな性格で、誰にでも分け隔てなく接することができるが、実はしたたかな一面も持っている。織田信長が本能寺の変にて討たれた際には、誰よりも早く駆けつけ、活躍した。

柴田勝家(演:役所広司)

筆頭宿老。豪快で、感情が先走ってしまうことがある。考えるよりまず体が動くタイプなので、政治上の駆け引きなどは大の苦手。お市の方に好意を寄せている。通称「権六」。

丹羽長秀(演:小日向文世)

宿老の一人で、勝家の盟友でもある人。勝家の真っ直ぐさを好ましく思う一方、考えなしに動きすぎるきらいがある部分について、不安を覚えている。通称「五郎左」。

織田信孝(演:坂東巳之助)

織田信長の三男。次男・信雄より早く生まれていたものの、母親の血筋が卑しかったため、三男ということになっている。融通が利かない性格で、プライドが高い。

織田信雄(演:妻夫木聡)

織田信長の次男。「大うつけ者」と言われていて、感覚だけで動くタイプ。

お市(演:鈴木京香)

織田信長の妹。夫は浅井長政(本作には登場しない)。深く愛していた夫と息子を奪った兄(信長)と秀吉を憎んでおり、恨みを晴らすために勝家を利用しようと考える。

松姫(演:剛力彩芽)

織田信長の嫡男・信忠の妻で、武田信玄(本作には登場しない)の娘。

寧(演:柴咲コウ)

秀吉の妻。秀吉を深く愛し、付き従うが、秀吉の野心家な一面には一抹の不安を感じている。

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映画「清須会議」の感想

映画「清須会議」の感想です。一言、めちゃくちゃ面白いじゃん! ……とはいえ、キャラが多く話もややこしいので、歴史に興味がある人のほうが楽しめたかもしれませんね。

例のごとく豪華なキャスト

さすが三谷幸喜作品というべきか、例に漏れず非常に豪華なキャスティングでした。

主演の大泉洋さんはじめ、柴咲コウさん、役所広司さん、鈴木京香さん、小日向文世さん、坂東巳之助さん、妻夫木聡さん、剛力彩芽さんなどは上に書いたとおりですが、それ以外にも染谷翔太さんや西田敏行さん、伊勢谷友介さん、でんでんさん、寺島進さん他……とにかくものすごいメンバー

……ええっ、そのチョイ役で天海祐希さん使う!? みたいなね。

まあ、誰もが知っている女優さんだからこそ、「そこでこの人を使うのかー!」とある種のコメディー染みた面白さが生まれるわけでもあるんですが。

魅力的な登場人物

先述したとおり、キャストが豪華なのは言うまでもないんですけれども、作中に登場する人たち(登場人物)もとにかく魅力的

(おそらく)戦場では頼りになるタイプで、その真っ直ぐさが魅力ではあるものの、感情的になるあまり考えなしに動いてしまう柴田勝家。老いらくの恋……というにはまだ若すぎるかもしれませんが、好意を寄せる女性の言いなりになってしまう感じがまた、人間味があって良かったです。

なのに、女心がわからないというところもポイント。

戦場でしか生きられない人間だというのを、自覚している節があるのも切なくて良いですよね。

お市の方もね、この作品では勝家を手のひらの上でコロコロして、腹に一物を抱えた女性として描かれていますけれどもね、背景を考えたらわからないでもないよなと。

政略結婚で嫁いだ先の夫(浅井長政)を運良く愛せたのに、理由がなんであれ、自分の兄とその家来(のちの豊臣秀吉)に討ち滅ぼされるなんて。しかも嫡男まで。

しかも、一説では浅井長政はその死後、さらし首になったそうですから、「(自害だとしても)命を奪ったうえに見世物にするなんて許さん!」となっても不思議ではありませんね。いくら保護してくれているといってもね。

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絶妙な緊張と緩和

シリアスとコメディーのバランスが非常に良かったです。

つまり、緊張と緩和のバランスがとても良くて、一気に引き込まれました。

このあたりもやっぱりさすが三谷幸喜監督といったところなんですが、これをうまく演じきった役者さんたちの力も相当なものですね。

この手の作品を演じさせたら右に出る者はいない……そう、大泉洋さん!

うまいなあ、いや、ほんと、うまい。

歴史好きのほうがより楽しめる内容

基本的に、歴史に興味のある人のほうがより楽しめる内容かなと思いました。

そもそも「清須会議」という出来事自体がピンポイントすぎるし、といっても歴史は線で結ばれているので「清須会議」だけで完結するものではなく、織田信長周辺の出来事なんかを知らないと理解しづらい部分があるし、キャラが多いわりに詳細な説明はほとんどないので「これ、誰? どんな関係?」となる人も多かったと思う。

例えば、お市の方は織田信長の妹で、政略結婚として浅井長政という武将に嫁ぐも、同盟を結んだ当時に浅井長政と織田信長の間で取り交わされた「約束」が破られたことで敵対し、最終的に信長が長政を自害に追い込んだとか。

松姫は武田信玄の娘で、幼くして、同様にまだ幼かった信長の嫡男・信忠と婚約し、文通をしつつ交流を深めるも、武田家と織田家が敵対したことによりこれも解消。その後、なんやかんやあって(ここも実は結構重要なんですが)信忠から手紙をもらった松姫が、信忠のもとに向かう最中に本能寺の変が起きたとか。

……え、じゃあ結婚してなかったってこと!?

いやあ、そうなんですよね。

(確か)結婚はしていなかったはず……? で、信忠には側室がいたので、その側室との間に生まれた子が「三法師」とされているんですけれども、どうやら、三法師(のちの織田秀信)は実は松姫の子だったんじゃないかっていう説があるみたいですね! 今回はその説を採用したんでしょう。

信忠もね、側室はいても正室は空白のままだったようなので、もしかしたら松姫をいつか迎えるときのために空けておいたんじゃないかなあ……とか、ドラマチックな想像ができるわけですよね。

そして、本作でも羽柴秀吉を恨みに恨みまくっていたお市の方。

彼女は「浅井三姉妹」(茶々、お初、お江)と呼ばれる娘たちの母親でもあるんですけれども、長女の茶々(淀)はあとあと秀吉の側室になるので、そのときすでにお市の方は亡くなっているとはいえ、「お市の方が秀吉を恨んでいる」という本作にあるような前提なら、相当な屈辱なんじゃないかと思いますね。

あ、ちなみに私は歴史好きではありますが、興味のある時代以外は特に詳しいわけではないので、気になった人はぜひ自分で調べてみることをおすすめします(戦国時代あたりはあまり詳しくない……)。

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大がかりな合戦シーンゼロ

もう一つ、本作を観ていて珍しいなと思ったのが、

戦国時代なのに大規模な合戦シーンがない

ということ。

戦国時代といえばですよ、外でどんちゃんどんちゃんやっているのが定番というか、もはや当たり前のストーリーだと思うんですけれども、本作の舞台のほとんどは屋内でした。

解釈一致な羽柴(豊臣)秀吉

誰に対してもフレンドリーなようでいて、冷酷かつ腹黒い人間性を併せ持っている羽柴秀吉。

解釈一致すぎる!

つまり、金以外で人を動かす方法を知っているというような。

「人たらし」と言われる理由もなんとなくわかります。

秀吉の有名なエピソードといえば、織田信長の草履を懐で温めていたというものですが、あれも忠誠心が云々というより、どんなことをしても上に上り詰めてやるという野心家な一面が表れていたと考えると、しっくりきますね。

まあ、草履を温めるだけで少しでも心証が良くなるなんて、めちゃくちゃコスパ良いですし。

むしろ、利己的で野心家な人間じゃないと、周りを蹴散らしてあそこまで上り詰めることなんてほぼ不可能だと思う。

なので、個人的には解釈一致の羽柴秀吉でした。

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映画「清須会議」が好きな人におすすめの作品

映画「清須会議」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

  • のぼうの城(2012)
  • 新解釈・三國志(2020)
  • 信虎(2021)
  • 決算!忠臣蔵(2019)

まとめ:クスッと笑える歴史ストーリー

腹黒い羽柴秀吉に、戦場でしか生きられない無骨な男・柴田勝家。プライドの高い三男・織田信孝、そして「大うつけ者」の次男・織田信雄。

その他、魅力的な登場人物たちが織り成す歴史ストーリー。

多かれ少なかれ、日本史に興味がある人なら好きになると思います。

Rotten Tomatoes
TOMATOMETER ―% AUDIENCE SCORE 62%
IMDb
6.4/10

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