
ジュラシック・ワールド/復活の大地
「ジュラシック・ワールド/復活の大地」の感想です。
どうして……どうしてこんなことに!? と若干の落胆があったシリーズいちハマらなかった映画。
登場人物に魅力を感じなかったのが一番かな。当然いいところもあったけど、「うーん」と思ってしまう点のほうが多かったです。
本記事は2025年12月17日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
人間は愚行を繰り返す生き物です。
作品情報
| タイトル | ジュラシック・ワールド/復活の大地 |
| 原題 | Jurassic World: Rebirth |
| ジャンル | アクション、アドベンチャー、SF、パニック |
| 監督 | ギャレス・エドワーズ |
| 上映時間 | 134分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2025年 |
| 公開年(米) | 2025年 |
| レイティング | G |
| 個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
特殊工作員のゾーラは、人類を救う薬を作るためと言われ、陸、海、空に生息する3体の恐竜のDNAを採取しに行くミッションに加わることに。製薬会社のマーティンや考古学者のルーミス博士、傭兵ダンカンらと共に、恐竜が生息する島へと向かうゾーラだったが――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
ゾーラ・ベネット
(演:スカーレット・ヨハンソン)
特殊工作員。今回の任務は危険度が高すぎるということで渋っていたが、金のために引き受けることに。
マーティン・クレブス
(演:ルパート・フレンド)
製薬会社パーカー・ジェニングスの代表(営業担当)で、違法を承知で、今回の任務をゾーラに持ちかけた。
ヘンリー・ルーミス
(演:ジョナサン・ベイリー)
古生物学者。クレブスに今回の任務の助言を頼まれていたが、最終的には好奇心に負け、ゾーラたちに同行することに。
ダンカン・キンケイド
(演:マハーシャラ・アリ)
ゾーラが信頼を寄せている傭兵仲間。かつて幼い息子を失った経験から、子ども第一に行動する。
ルーベン・デルガド
(演:マヌエル・ガルシア=ルルフォ)
デルガド一家の父親。家族と共に休暇を楽しもうとしていたところモササウルスに襲われ、船が転覆したところをゾーラたちに救われる。が、そのまま恐竜の島へと直行。
テレサ・デルガド
(演:ルナ・ブレイズ)
デルガド一家の長女。しっかり者で、ニューヨークの大学に進学予定。
ザビエル・ドブス
(演:デヴィッド・ヤーコノ)
テレサの恋人。テレサに誘われデルガド一家の旅行に同行するが、テレサの父親とはぎくしゃくしている。
イザベラ・デルガド
(演:オドリーナ・ミランダ)
デルガド一家の次女で、末っ子。島の中で見つけた小さな恐竜と友達になる。
映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」の感想
映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」の感想です。個人的には「今までの作品には到底及ばなかったな……」という印象でした。
映像は綺麗
まず、良いところを挙げるとするならば、やっぱり映像ですね。
いつも通りダイナミックで綺麗。見ごたえ抜群。
個人的に一番好きだったのは序盤の海のシーンで、誰かは忘れてしまったんですけど(たぶんゾーラ)、水中からモササウルスの目にギョロッと睨まれるところ。
この瞬間「『ゴジラ-1.0』みたいだなあ!(興奮)」と思ったんですが、
また吹替キャストも気になることがある様子で、楠が「日本の文化で影響を受けたものはありますか?」と質問すると、コープは「映画の作り手として、黒澤明から影響を受けない人はいないと思う。映画界のシェイクスピア的な存在。また小津安二郎からも影響を受けています。そして『ゴジラ-1.0』はとても爽快で、とても刺激を受けた」と熱を込め、エドワーズ監督も「日本に来るといつも、SFの世界の世界に来たような気持ちにさせられる」と目を輝かせるなど終始、日本への愛を示していた。
(引用元:『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ギャレス・エドワーズ監督&脚本家デヴィッド・コープが来日!「スピルバーグはマジシャン」と敬意あふれる|MOVIE WALKER PRESS)
とのこと。やっぱりー! とテンションが上がりました。
エドワーズ監督自身、「GODZILLA ゴジラ」(2014)という作品を手掛けているんですよね。日本へのリスペクトを感じてちょっとうれしい。あの目のシーンは迫力満点で本当に良かったですよ。
登場人物に魅力がない
ただ、これ以降は割と残念なことが多くて。
特に登場人物にはあまり魅力が感じられませんでした。
まず、主人公のゾーラ。ゾーラを演じたスカーレット・ヨハンソンが素敵な俳優さんであることには違いないですが、このゾーラがジュラシックシリーズの主人公としてはやや変わり種。かなり好みに分かれるところだと思う。
というのも、「ジュラシック・パーク」シリーズのアラン(またはエリー)や「ジュラシック・ワールド」シリーズのオーウェン(またはクレア)とは異なり、恐竜になんの思い入れもないどころか、大金をかけた任務で恐竜のDNAを採取しようとするという役柄。今までのシリーズ作なら、どちらかと言えば悪役ポジションじゃない? と思いながら観ました。
それから、デルガド一家も。
まあね、可哀想だとは思うんですよ。
モササウルスに襲われ、船が転覆し遭難する羽目になったのに、救助されたと思ったら問答無用で恐竜が生息する危険な島に連れて行かれるなんて(笑)。今までの作品にもメインとしてたいてい子どもがいたし、そういうことでしょ? と理解もできる。子どもが頑張っているのってやっぱり応援したくなりますもんね。
でも、このデルガド一家の長女がちょっと苦手。確かにゾーラたちは違法なことをやろうとしていたけれど、文句を言う前にまずお礼を言いなさいよっていうのがあるし。ゾーラたちは救助信号に気付かない振りもできたのに、そうしなかったわけですしね。実際、ゾーラたちが駆けつけなければ、そのまま海に沈んでいた可能性のほうが高そうですし。やたらキツい態度でゾーラたちに接していた印象しかありません。
で、次女は次女で小型恐竜を勝手に連れ回す(笑)。
なんなんだ、この子どもたちは。魅力があるのはダンカンぐらいでしたね。ルーミス博士で、まあ、他の人よりはマシという程度。ちなみに、ルーミス博士はアランの教え子のひとりだそうです。こういう設定は良いですね。ファンサなのかな。
悪役が物足りない
そもそも、製薬会社のマーティンが一番の悪役として描かれていたわけですけれど、これがかなり物足りなかったんですよね。悪役と言うからにはもっとあくどいことをやってくれないと(!?)。
デルガド一家の長女であるテレサが船から海に落ちた時はその場にいて、最終的に「私のことを見殺しにしようとした!」みたいに責められていたけど、これも正直微妙。
これはモササウルスに襲われる中、船から落ちそうになっているテレサを助けようとしなかったという訴えですが、あの状況で、赤の他人を助けられる一般人はまずいないと思うよと。マーティン自身、頭を打っていたわけですし。「いやいやいや」と思わず庇いたくなってしまう、そんな悪役がいてたまるか! ってな感じ。
悪役はもっと悪役らしく頼みますよ。
ジュラシックシリーズらしくない
あと、ルーミス博士以外は恐竜の存在を尊重する素振りもないから、なんかジュラシックシリーズっぽくないなあとなってしまう。この映画だと、恐竜って怖いよねというだけで終わっている気がして悲しい。
ジュラシックシリーズって「怖いけど格好良い!」みたいなロマンがあったから良かったのにね。特にTレックスとか、出てくるだけでテンションが上がりましたもの。本作にもTレックスは出てくるけど、嫌なドキドキがあるだけだった。特に格好良くないし、大きくて獰猛な恐竜って、ただそれだけ。
ジュラシックシリーズの美学みたいなものはどこに行っちゃったんでしょう。素人が何をという感じですが、これ、ジュラシックシリーズでやる必要はなかったかなという印象を持ってしまったんですよね。
それに、エリマキが特徴のディロフォサウルスの出番が少なかったのも悲しい。「とりあえずこいつも見たいでしょ? レギュラーだし」と取って付けたかのような登場でした。
泥臭さ、求ム!
そして、個人的には泥臭さがもうちょっと欲しかったところ。
なんていうか、ゾーラたちの戦い方(逃げ方)が割とスマートなんですよね。優秀な傭兵という設定があるからなおさらなのだろうけど、彼らはサバイバル能力に長けているので基本的にずっと冷静で「どうしようどうしよう!?」みたいな感じにはならない。
それに加えて、他作品の主人公たちのように恐竜を尊重するつもりもないから、攻撃してきた恐竜を排除することに躊躇いもない。
私がジュラシックシリーズに求めていたのはこういうのじゃない。泥臭い戦い、そしてロマンだ。……なのに、本作にはどちらもありませんでしたね。
人間は愚行を繰り返す
にしても、人間というのは愚かですね。
一作目からずっと同じことをして、ずっと同じ失敗をしている(笑)。いい加減、過去に学びなさいよと思ってしまうけど、それが人間というものなんでしょう。
それがジュラシックシリーズの良いところであり、しかし本作の場合は裏目に出ていた感じもしましたね。
人類のためになるから、陸、海、空の恐竜(計3体)からDNAを採取してくるってなんだよ、と。理由がちょっとチープすぎる。B級モンスター映画とかにありそうな動機だなと思ってしまいました。この辺、前6作品はもう少し自然だった気がするんですけどね。どうだったかな。少なくとも違和感は抱かなかったと思う。
とにかく、世の中には金のためなら倫理観無視で何事かをやらかす人もいるのだということですね。
映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」が好きな人におすすめの作品
映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- キングコング:髑髏の巨神(2017)
- PLANET OF APES 猿の惑星(2001)
- プレデター:バッドランド(2025)
映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年12月17日)。レンタル作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:面白いけどシリーズとしては……
本作単体で観ると面白くないこともないんだけど、ジュラシックシリーズの一作品として観ると、かなり微妙なところ。このモンスター映画をジュラシックシリーズでやる必要はあったのか? というのがまずありますね。
スカーレット・ヨハンソンは相変わらず美しかったです。あと、唯一ダンカンがキャラとして光っていた。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 50% Popcornmeter 70%
IMDb
5.9/10
Filmarks
3.6/5.0

