
ファイナル・デスティネーション(2000) (字幕版)
とにかく死が連鎖していくピタゴラスイッチ的な「ファイナル・デスティネーション」。
次はいったい何が起きるんだろう? というワクワク感があるスリラー映画です(不謹慎)。でも、謎にちょっと考えさせられるところもあるという不思議な内容。
本記事は2025年05月17日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
人には「死の時」がある。
作品情報
タイトル | ファイナル・デスティネーション |
原題 | Final Destination |
ジャンル | ホラー、スリラー、サスペンス、パニック |
監督 | ジェームズ・ウォン |
上映時間 | 97分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2000年 |
公開年(米) | 2000年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
修学旅行で、同級生たちとパリに向かうことになっていたアレックス。飛行機に乗り込み、出発を待ちながらうたた寝をしていたアレックスは、飛行機が爆発する夢を見た。そこで騒ぎを起こしたアレックスは、数名の同級生と一名の教師と共に飛行機を降ろされてしまう。誰もアレックスの発言をまともに受け取ろうとしなかったが、飛び立ったばかりの飛行機が実際に爆発してしまい――。
主な登場人物
(敬称略)
アレックス・ブラウニング(演:デヴォン・サワ)
自分が乗っている飛行機が爆発する夢を見て、大騒ぎしたために放り出されてしまう。結果的に一緒に数名の同級生と一名の教師の命を救うことになるが、爆発のことを言い当てたため疑いの目を向けられることに。
クレア・リバース(演:アリ・ラーター)
アレックスが騒いだのに便乗し、一緒に飛行機を降りた。アレックスの発言を信じている。
トッド・ワグナー(演:チャド・ドネッラ)
アレックスの親友。アレックスが騒いだ際、同乗していた兄に「様子を見てくるように」と言われ、一緒に飛行機を降りた。だが、この時、飛行機で飛び立った兄を失ってしまう。
カーター・ホートン(演:カー・スミス)
血の気が多く、すぐに手が出るタイプ。アレックスが騒ぎを起こした際、喧嘩を売って暴れ始めたので、一緒に飛行機を降ろされた。
テリー・チェイニー(演:アマンダ・デトマー)
カーターの恋人。飛行機を降ろされたカーターに付き添う。喧嘩っ早いカーターを諫めようとすることもしばしば。
ビリー・ヒッチコック(演:ショーン・ウィリアム・スコット)
アレックスとカーターが摘まみ出されるのに便乗し、飛行機を降りた生徒。唯一、飛行機が爆発する瞬間を目撃した人物でもある。
ヴァレリー・ルートン(演:クリステン・クローク)
修学旅行の引率を任されていた教師のひとり。アレックスらが飛行機から摘まみ出された際、同行する。飛行機事故により精神的ショックを受け、ほどなくして転任する。
映画「ファイナル・デスティネーション」の感想
映画「ファイナル・デスティネーション」の感想です。これはもう、グロさというより、「次はどんな仕掛けが?」を想像し、楽しむタイプの作品。
監督は……そうなの!?
ねえ、待って。
そうなの!? この作品作ったの、あの「ドラゴンボール EVOLUTION」(2009)の監督さんなの!? ってなるところから、本作の鑑賞が始まりました(笑)。まあ、この作品自体は、もう何度も観たことあるんですけどね。今回、感想記事を書くにあたって改めて監督の名と過去作品を確認していたら、いやこれはもうびっくりしちゃった。
といっても、件の作品をちゃんと観たことはないんですが。
覚えているのは、海外から一時帰国する際の飛行機の中で上映されていて、つけたはいいものの、「な、なんだこれは……!?」となりつつものの十数分ほどで寝てしまったこと。飛行機では割と寝るほうなので、「あ、『ドラゴンボール』結局観られなかったや……」と思ったぐらいだったんですが、あとで調べてみたら酷評の嵐。
逆に気になって、また今度観てみようと思っているところ。
とにかく、本作は、そんな監督の長編映画デビュー作だそうです。
死を免れない系スリラー
B級映画含めたら、死を免れない系スリラー自体はまあまああると思うんですよね。
ただ、同じ死を免れない状況でも、ピタゴラスイッチ的なのはおそらくかなり珍しいんじゃないでしょうか。他にあったとしても、たぶんこの作品が初めてだと思う。このあたりはかなり特徴的なので、後続的に他の作品が出てきたとしても、二番煎じのようになってしまうだろうしね。
初見だと「お、次はこれが凶器か? それともこっち? ……そっちかー!」ってなるのも、とっても楽しい。
なんでも凶器に
いや、しかし。
見れば見るほど、身の回りにあるものすべて凶器になり得るんだなって。アレックスが自分の身を守るために、できるだけ危険を排除しようとするシーンで思いました。
包丁とか釘とかは、ある意味わかりやすい凶器だけど。
でも、ランプもそれじゃ駄目なんじゃない? 釘が飛び出しているところにコルクを差してカバーしても、転んだ勢いで目とかに当たったらやばいんじゃない? って。考えれば考えるほど「ペン一本でもあったら無理そう」「バターナイフとかスプーンなんか絶対駄目」「紙切れ一枚でも、喉に詰まらせるとかない?」みたいな。
世の中、意外と凶器であふれている。物騒な世の中です、本当に(?)。
アレックスのせいにしたがる被害者たち
っていうか、アレックスが騒いだのに便乗して、あるいは巻き込まれて飛行機を降りた面々。
あいつら、何?
まあね、「この飛行機は爆発する!」なんて意味のわからないことを叫んで乗務員に摘まみ出されるアレックスを信じられないのは仕方ない。爆発が起きたあとも、「たまたまだろう」と思われるのも仕方ない。
でも、みんなアレックスにしらーっとした視線を向けるの、何? 特に先生なんて、あたかもアレックスのせいかのような態度を取っていましたね。先生だからというより、大人なのにトッドたち同級生よりも幼稚な感じ。
「爆発する」というアレックスの言葉が現実になったかのように感じたということなのでしょうが、自分たちはアレックスに巻き込まれる形で救われたというのにねえ。
警察はやっぱり無能
そして、あいつら何? と言うなら、警察も警察でした。というか、スリラーあるある。
警察が無能。
離陸前の機内で「爆発する!」と騒ぎ、それが現実になったから疑いの目を向けられる。この時点でどういうこと? なんですが。いったいなんの疑いなのか。飛行機に細工をしたとか? それとも、単純に「こいつ、狂ってやがるぜ……」ってだけ?
でも、そのあと次々に起きる事故死については、明確に「お前がなんかしたんか?」と疑われていたよね。
これも意味わからなすぎて「フフッ(半笑い)」となってしまう。だって、状況的にある一名を除いてはアレックスに犯行は無理じゃない?
でも、スリラー映画の場合、警察が無能だからこそ面白かったりするのですよね。警察が優秀で、すべてを解決できる能力があるなら、登場人物たちが頑張る必要はないわけですし。
死の運命はあると思う
でも、実際、抗えない死の運命はあると思う。
例えば、どこかで事故に遭いそうになって、それはなんとか回避したものの、その数日後にまた別の事故で帰らぬ人となるとか(※例えで、実際の話ではありません)。こういうパターンのときって「そういう運命だったのだろうな」と思ってしまいます。悲しいことですが、そういうのって絶対にある(私はそう信じているという話です)。
とはいえ、できれば。できればですが!
運命に抗えないのだとしても、私はせめて自分が死んだことにも気がつかないぐらいポックリいきたい(我儘)。
映画「ファイナル・デスティネーション」が好きな人におすすめの作品
映画「ファイナル・デスティネーション」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- レディ・オア・ノット(2019)
- ザ・ハント(2020)
- ハロウィン・キラー(2023)
まとめ:ピタゴラスイッチにワクワク
本作を観るたびに「これがこうなるなんてすげえや……」と思いつつ、死のピタゴラスイッチを楽しんでいます。いや、これを考える人も相当楽しんでいるのでしょうねえ。
もうね、センスが良い。
ただ、「ドラゴンボール EVOLUTION」はいったいどういうことやったんや……。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 40% Popcornmeter 68%
IMDb
6.7/10
Filmarks
3.5/5.0