
劇場版 名探偵コナン ゼロの執行人
安室さんは敵か味方か!? な「名探偵コナン ゼロの執行人」。
個人的に、映画「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」(2022)から安室さんが大好きなので、久々にこちらの作品を観た時に「相変わらず格好良いー!」ってなりました。
本記事は2025年05月24日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
――自分の正義を貫き通すため。
作品情報
タイトル | 名探偵コナン ゼロの執行人 |
原作 | 名探偵コナン/青山剛昌著 |
ジャンル | アニメ |
監督 | 立川譲 |
上映時間 | 109分 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2018年 |
公開年 | 2018年 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
ある日、東京サミットが開催される予定の新施設「エッジ・オブ・オーシャン」で、爆破事件が発生した。しかも、事件現場からは、毛利小五郎のものと思われる指紋が採取されたと言う。事件の容疑者として警察に連行されてしまう小五郎だが、その裏にはどうやら安室透の存在があるようで――。
主な登場人物
(敬称略)
江戸川コナン
(演:高山みなみ)
黒ずくめの組織に薬で体を縮められてしまった「東の高校生探偵」。本名は「工藤新一」。公安警察により逮捕されてしまった小五郎を救うため奔走する。
毛利蘭
(演:山崎和佳奈)
新一の幼馴染みの高校生。特技は空手。
毛利小五郎
(演:小山力也)
蘭の父親で、「毛利探偵事務所」の経営者。爆破事件の容疑者として、不当に逮捕されてしまう。
安室透
(演:古谷徹)
本名は「古谷零」。公安警察の捜査官だが、ある時は小五郎の弟子として、ある時は毛利探偵事務所が入っているビルの一階にある喫茶店のアルバイトとして活動している。爆破事件に関して、妙な動きを見せる。
風見裕也
(演:飛田展男)
安室透同様、公安警察の捜査官。
灰原哀
(演:林原めぐみ)
本名は「宮野志保」。コナン同様、薬の影響で体が縮んでしまった。コナンの正体を知っている。
阿笠博士
(演:緒方賢一)
発明家で、コナンが使うための便利な道具をたびたび開発している。
妃英理
(演:高島雅羅)
別居中の小五郎の妻で、蘭の母親。小五郎の無実を証明するため、奔走する。
橘境子
(演:上戸彩)
小五郎の弁護士として立候補した「ケー弁」。今までにも何度か公安警察が絡む事件を担当してきたが、今のところ全敗である。
日下部誠
(演:川島得愛)
敏腕刑事で、公安事件にあまり詳しくない妃英理でさえ名前を聞いたことがあるほどだった。送検されてきた小五郎の取り調べを行うことに。
映画「名探偵コナン ゼロの執行人」の感想
映画「名探偵コナン ゼロの執行人」の感想です。やっぱり安室さんは格好良いよねえ! と。敵か味方かわからない感じも、ミステリアスで良い◎。
話が難しい……
まず、コナンらしからぬ話の難しさだなあと感じました。これ、子どもとかだとたぶん細かいところまでは理解できないんじゃない? って。大人でも無理だったもん。少なくとも私は少し首を捻りながら観てしまった。
というのも、本作には「公安警察」と「公安検察」が出てくる。これがとてもわかりづらい。今まで、安室さんが「公安の人間」と言っているのを聞いて、よく調べもせず「ふうん、公安の人なんだあ……とりあえず、特殊な立場ってことね。ドラマとかでしか聞いたことないけど」程度にしか理解しなかったツケが回ってきたって感じ(苦笑)。
劇中で「どちらかの公安はどちらかの公安より上で」みたいな話も出てくるのですけど、音声だけだと「え、今『公安警察』が上って言った? それとも『公安検察』?」と、一瞬混乱します。ちなみに、ここはたぶん「公安警察は公安検察より上」ということだったと思うけど、やっぱりちょっと自信ない。
この作品を観て、改めて「公安」について調べてみたけれども、うっすらとしか理解できませんでした。無念。そもそも「公安」ってひとつしかないと思っていたんだよな……。
書類送検云々のあたりも、きっと子どもには「???」だと思う。
蘭姉ちゃんの活躍はなし!
そして、劇中、蘭姉ちゃんの活躍はほとんどありませんでした。蘭姉ちゃんは基本、お父さんの心配をしているだけ。他作品と異なり、派手な立ち回りもしないし、コナンを助けに走ったりもしないし、銃弾を避けたりもしない。
我々はフィジカル、メンタル共に激強な蘭姉ちゃんに慣れ親しんでしまっているけれども、現実の女子高生は普通こうなるのよって改めて思わせてくれた気がしました(笑)。
おっちょこちょいな風見さん
また、映画「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」(2025)にも登場していた安室さんの部下的な風見さんですが。
もう、おっちょこちょい!
安室さん同様、公安に属するひとりなので、一般人と比べたらまあ優秀な人なんでしょうけど、今回は安室さんに叱られていましたねえ。そりゃあそうよ、な案件で。安室さん、結構ガチギレだった。静かに怒る人って、まあまあ怖い。
とはいえ、相手をちょっと頭の良い子どもぐらいに思っていたとしたら、気を抜いてしまうのも仕方ないのではと思えるところもあったけど。
この風見さん、一見冷たそうなのに少しおっちょこちょいだったり、意外と話を聞いてくれたりと、割と好きなキャラです。
神様も驚きのドライビング・テクニック
で。
実は、コナンの映画を観るうえで、例えば「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」(2024)の平次がそうだったように、「今回、人間を辞めているのは誰かなあ!?」と、誰かが人間離れした技を披露してくれるのを楽しみにしておりまして。
本作では、間違いなく安室さんでした。
なに、あのドライビング・テクニック。どうやって運転しているか意味不明だし、車も頑丈すぎるし(笑)。
曰く、
またコナンと安室が警視庁からエッジ・オブ・オーシャンへ向かうシーンは、本作の中でも見応えのあるパートだが、脚本では「悪魔のようなドライビングテクニックで切り抜ける」のひと言で片付けられているなど、ファン必聴の裏話が次々に飛び出した。
とのことで、いや、本当に「悪魔のような」ドライビング・テクニックだったよなと。まさに指示通りの演出。なにあの、ウィリーの左右版みたいなやつ。ウィリー自体もバイクとかでしか聞いたことないけど。
でも、「安室さんだしね」で納得してしまいそうな感じがある。ハラハラしつつも謎の安心感があって、なかなか面白いシーンでした。
陽のコナンVS陰の安室
本作を鑑賞して改めて思ったのが、コナンを陽とするなら、安室さんは陰だよなと。
なんていうか、安室さんは大事なものを守るためなら、他のものを犠牲にできるタイプ。自分の正義を突き通すためには、手段を選ばないところがあるというか。
対してコナンは、大事なものを守るためであっても、他の何かが犠牲になることを許さないような。例えば、コナンにとっては蘭が一番だと思うんだけど、じゃあ蘭を守るために哀ちゃんや阿笠博士を犠牲にできるかというと、たぶんできないでしょうね。なんなら、蘭を守るために何かの事件の犯人が犠牲になるのも許さない感じがする。「生きて罪を償え!」とか言いそう。
まあ、2人が置かれている環境からして違うので、どちらが良いとかは特にないんですが、対極の場所にいる2人なんだなと。
劇中に登場した風見さんは、意外とたぶんコナン寄りな性格をしていますね。
映画「名探偵コナン ゼロの執行人」が好きな人におすすめの作品
映画「名探偵コナン ゼロの執行人」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)(2011)
- 名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023)
- 名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)(2009)
まとめ:話がもっとシンプルなら
正直、話がもう少しシンプルならと思わないでもないですが、いつも通り楽しく鑑賞いたしました。
なにより、安室さんがメインキャラのひとりとして活躍する作品は、さほど多くないですしね。悪魔のようなドライビング・テクニックには惚れ惚れします。
Rotten Tomatoes
Tomatometer ―% Popcornmeter 65%
IMDb
6.2/10
Filmarks
3.7/5.0