
アビゲイル (字幕/吹替)
「アビゲイル」の感想です。
誘拐した少女が実はやばい奴だった!? という物語。
予告時点でかなりのネタバレ感があるところから、どこまでいけるのかとドキドキしながら観てみたんですが、まあこれが面白かった。ちょびっと「M3GAN/ミーガン」(2022)感がありましたね。
本記事は2025年07月01日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
閉じ込めたと思っていたら、逆に閉じ込められていたって……こと?
作品情報
タイトル | アビゲイル |
原題 | Abigail |
ジャンル | ホラー、スリラー |
監督 | マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット |
上映時間 | 109分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2024年 |
公開年(米) | 2024年 |
レイティング | R15+ |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
招集された仲間たちと共に、12歳の少女を誘拐したジョーイ。しかし手に入る金のみを目的としていた彼らは、上から命令されて行動しているだけで、少女の父親が誰なのかもわからない状態だった。そして、少女を屋敷に閉じ込めらだったが、実際に閉じ込められたのは自分たちだったのだと知ることになる。ただの少女だと思っていた彼女は、実はヴァンパイアだったのだ――。
主な登場人物
(敬称略)
ジョーイ
(演:メリッサ・バレラ)
元軍人で、衛生兵だった。誘拐する相手が子どもだとは知らずに計画に参加した。怯えるアビゲイルに「誰にも傷付けさせない」と指切りをして約束する。
アビゲイル
(演:アリーシャ・ウィアー)
12歳の少女で、バレリーナ。ジョーイたちに誘拐されることになったが、実はヴァンパイアだった。
フランク
(演:ダン・スティーヴンス)
誘拐犯のひとりで、元刑事。計画を忠実に実行しようとする。
サミー
(演:キャスリン・ニュートン)
誘拐犯のひとりで、ハッカー。派手な見た目をしているものの、タマネギとニンニクの見分けがつかないなどお茶目なところもある。
リックルズ
(演:ウィリアム・キャットレット)
誘拐犯のひとり。元海兵隊の狙撃兵。
ピーター
(演:ケヴィン・デュランド)
誘拐犯のひとり。体は大きいものの、気が小さかったり考えなしだったりする。
ディーン
(演:アンガス・クラウド)
誘拐犯のひとり。計画を実行する際に運転手を務めていた。
ランバート
(演:ジャンカルロ・エスポジート)
ジョーイたちに誘拐を指示したうちのひとり。
映画「アビゲイル」の感想
映画「アビゲイル」の感想です。予告編で「誘拐した少女が実は……(ヴァンパイアだった!)」と盛大にネタバレしたおもしろ映画!
ネタバレから始まるストーリー
本作は「誘拐した少女が実はやばい奴だった」的なホラーですが、まあ、普通のホラーなら「そのやばい奴とは?」をメインで持ってくるところだと思うんですよね。ところが、本作はその辺一味違う。なんと、予告編の段階で「実はヴァンパイアだったのだ!」と明言してしまっています。
もうね、びっくりですよ。
こういうので少女の正体を先に言ってしまうのは、それはもはやネタバレになってしまっているというか、出オチ感があるというか。ヴァンパイア少女が暴れる様子をできるだけ長く描きたいから、余計な部分は極限まで削ぎ落したかったということなんでしょうかねえ。
まあ、最大のネタバレがある状態で観たのにもかかわらず、思いのほか楽しめたと思います。作品全体の雰囲気としては、映画「レディ・オア・ノット」(2019)とか「ザ・ハント」(2020)とか、ああいう感じでした。
ちなみに、本作の監督であるマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレットのコンビは、「レディ・オア・ノット」だけでなく「スクリーム」(2022)や「スクリーム6」(2023)などを手掛けたことでも知られています。
嫌なキャラがひとりもいない
個人的な意見ですが、本作に好感を持った理由のひとつとして、嫌なキャラがひとりもいなかったというのが挙げられます。いや、もちろん、みんなそろっていたいけ(に見える)な少女を誘拐した人間なのでちょっとやばい奴らであることに変わりないんですが。
でも、どこか憎めない愛嬌があるんですよね。
最初の段階で、子どもだからとアビゲイルを守ろうと約束するジョーイをはじめ。体が大きい割に小心者でビビりなピーターなんて、普通に考えればイライラする筆頭キャラみたいなものだと思うんですけど、妙に素直なところがあるからかなんだか嫌いになれない。
派手派手サミーなんてめっちゃ可愛かった。ニンニクを持ってこいと言われているのに、「あった!」と戻ってきたサミーの手に握られていたのはタマネギっていう。まあ、考えてみれば、確かに生のニンニクなんてあまり見かけないかもしれない。チップスとかスライスとか、日本だったらすりおろしニンニクとか。だからといってタマネギと間違える人もなかなかいないと思うけど(笑)。
多方に喧嘩を売りまくるディーンも、悪気があってのことじゃないとすぐにわかるし(それでも駄目なものは駄目だけど)、居眠りをするピーターに気がついて、ポシェットの中から何か取り出す素振りを見せたから「これは報酬をより多く手に入れるためにピーターを手にかけてしまうのでは!?」と思いきや、ペンで落書きするだけだったという(笑)。後々、「顔のチン(略)はなんなのよ!?」って言われているシーンで思わず笑ってしまった。
こういう緊張と緩和みたいなものもうまく取り入れていて、退屈する時間はほぼほぼなかったですね。
ダンスで追いかけてくる!
ただ、個人的に「うーん?」ってなったのは、アビゲイルがジョーイたちを追いかけてくるシーン。
ダンス(バレエ)をしながらという、あれ。
まあね、あれはあれで良いとは思うんですが。私にはあまりハマらなかったという話。あそこだけちょっと「M3GAN/ミーガン」(2022)みたいな感じ。バレエのターンをする程度であれほどしっかりダンスをするわけじゃないので(ダンスのシーンはまた別にある)、もう少し怖さはあったかな。
グロありでもグロさはほぼない
ちなみに、グロはありました。あったんだけど、不思議とそこまでグロいようには感じられなかった。痛そうだなあとは思ったけど。
なので、割と爽やかな気持ち(?)で鑑賞できました。
グロが苦手な人は少し嫌かもなというレベルの描写。
敵の敵は味方的な
ここで大きなネタバレはしたくないので、詳細なことは控えますが、敵の敵は味方! という感じでした(笑)。こんなことある!? って。
ネタバレあり、出オチ感ありのストーリーではあったものの、そういう意味では意表を突かれたというか。「してやられた!」と思いましたね。ラスト自体はそう驚くようなものではないのに、終盤の展開はとても面白かったです。
映画「アビゲイル」が好きな人におすすめの作品
映画「アビゲイル」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- レンフィールド(2023)
- ザ・ウォッチャーズ(2024)
- TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2023)
- DOGMAN ドッグマン(2023)
まとめ:ネタバレがあっても面白い!
ダンスをしながら追いかけてくるあたりは、正直「微妙……」な感じがしましたが、そこを含めても全体的に面白い作品でした(ダンスシーンは「M3GAN/ミーガン」よりは怖かった)。
これ、続編があってもいいかもな、なんて。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 83% Popcornmeter 83%
IMDb
6.5/10
Filmarks
3.5/5.0